いまさら始める箱根の旅【箱根】

遊覧亭

11:39
岩屋方面に向かって歩いて行く。このあたりは上り坂。

遊覧亭、というお店がある。

さざえのつぼ焼き、という旗がぶら下がっている。江の島の定番だ。

さざえって、そんなにうまいもんではないけど、「旅の風情」感抜群の食べ物の一つだと思う。多分さざえがむき身になって小鉢にでも盛られて出てきたら、僕はあんまり嬉しくない。「つぼ焼きスタイルで出してくれよ!」と。

なので、海沿いの観光地にはよく似合う。

山の場合だったら、滝の近くの売店でイワナや鮎の塩焼きを売っている。それと一緒だ。実際にその場で獲れたものかどうかはとりあえず考えないことにして、情緒みたいなものをふわっと楽しむものだ。

食品サンプル

お店はバーンと開放的になっていて、奥の客席、そして窓まで筒抜けになっている。お客さんが気軽に出入りできるように、という商売上の工夫なのだろう。冬の防寒対策はどうするのだろうか?

窓側の席は眺めが良さそうだ。「遊覧亭」という名前がついているお店だけど、近くに遊覧船の船着き場があるので、その船を眺めることができるのかもしれない。

食品サンプルは、「釜揚げしらす丼」「生しらす丼」「しらすハーフ丼」といった江の島ならではの料理が並ぶ。しかししらすが白いので、サンプルとしては派手さがない。

釜揚げしらす丼が930円、生しらす丼が980円。手を加えていない食材の料理の方が値段が高い。これを見て、なんとなく「牛乳と低脂肪乳の値段の違い」を思い出した。

ちなみにサンプル棚右下にあるチャーシューメンは800円。ラーメン界の中では「贅沢品」と位置づけられるチャーシュー麺だが、こうやってしらす丼系の料理と並べられるとお買い得品に見えてくる不思議。

またお社がある、と思ったら、ここは江島神社奥津宮。

江島神社がっこにも

福岡県の宗像大社の「宗像三女神」と同じ、3人の女神様が江島神社のそれぞれのお社に祀られているのだそうで。

ああ、だから「美しい恋したい」なのか。・・・いや、いまいち納得できていないけど。

ちなみにこの女神様、

アマテラスがスサノオの持っている十拳剣(とつかのつるぎ)を受け取って噛み砕き、吹き出した息の霧から以下の三柱の女神(宗像三女神)が生まれた。

(Wikipedia「アマテラスとスサノオの誓約」より引用)

なんだそうな。

つまり、ええと、無機物?

いや、神様なんだから、有機物とか無機物とか超越した存在なんだろう。

ところで、なんで「美しい恋したい」んだろう?と不思議なのだが、「女神だったら、恋をかなえてくれそうじゃん?」という発想なのか。

あらためて、先ほどの「中津宮」にあった「美しい恋したい」の看板を見ると、

「美しい弁財天さまにあやかり、綺麗になりたい!」と願う女の子たちの象徴

と書いてある。弁財天!?おい、今度は仏教が出てきたぞ。

弁財天って、琵琶を持って宝船に乗っている七福神の一人だよな。

頭が混乱してさらに調べてみたら、弁財天の出自はヒンドゥー教の女神なんだけど、日本では市杵嶋姫命(いちきしまひめ)と同一視されるようになったんだとか。うわー、めんどくせー、といったら不敬だけど、ややこしい。

そういえば日本史で習ったな、「本地垂迹(ほんちすいじゃく)説」って。日本の神道を外部からやってきた仏教でうまいことラッピングして融合させちゃうやり方。神仏習合ってやつだ。

ちなみに江島神社は「日本三大弁財天」の一つ、なんだそうな。なんだよその「日本三大弁財天」って。神様にまで「三大」があるのか。

天井にカメ

そんなことを考えている僕らを、じっと天井からにらみつける亀。こんな人相の悪い亀はなかなかいない。なんでガンを飛ばされないといかんのですか僕は。

この亀の絵、「八方睨みの亀」といって、どこから見ても亀にガンを飛ばされているように見えるとのこと。実際に自分の立ち位置を変えてこの亀を見上げてみたが、もれなくガンを飛ばされた。

鳥居

11:46
奥津宮のさらに奥に鳥居がある。

ここは龍宮大神を祀っている。「龍宮」と書いて「わたづみのみや」と読むそうだ。

お店

11:47
龍宮を見送り、さらに進んだところが江の島の最深部。

このあたりも、観光客向けの飲食店が立ち並ぶエリアになっている。よくぞまあ、こんな場所にお店を作ろうとしたものだ。

写真は、「魚見亭」。漫画「孤独のグルメ」で井之頭五郎が「江の島丼」を食べたお店だ。

店内

この魚見亭も、先ほどの遊覧亭と同じく出入りのしやすい開放的な入り口と、奥に展望が開けている窓側席がある。窓側の席からは、眼下の崖と、全面に広がる相模湾の眺望を楽しめるはずだ。

メニュー

ここにも食品サンプルが並ぶ。

こういうのがいかにも「歴史ある観光地で、昔からやっているお店」感があっていい。悪く言えば古くさく、よく言えば昭和レトロ感がある。

この先数十年後、こういうお店はどう変わっていくのだろう?平成生まれの人ばっかりの世の中になってきて、「昭和レトロ」なんて概念が通用しなくなってくるだろう。その頃には、料理の種類がガラッと変わっているのか、それともほとんど変わらないのか。

江の島丼

例の「江の島丼」。860円。

このお店に限らず、この界隈のお店では大抵取り扱いがある料理のようだ。

親子丼の鶏肉をさざえにしたバージョン。うん、多分それは美味いと思う。食べてみたいけど、今日はいったんパス。

・・・おい、さっき「さざえはつぼ焼きに限る」とかなんとか言ってたのに、早速宗旨替えか。

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