いまさら始める箱根の旅【箱根】

小田原漁港にやってきた。

海から箱根方面にアプローチする際の玄関口にあたる、「早川」にある漁港だ。

いつも、西湘バイパスか小田原厚木道路をつかって高架橋でビューン、と箱根湯本を行き来しているので、この漁港にやってくるのは初めてだ。それ以前に、存在すらこれまで知らなかった。

小田原といえば「かまぼこ」のイメージが強く、「漁港!魚市場!」というイメージが薄かったからだろう。でも、よく考えてみりゃ、かまぼこを作るためには新鮮な魚が必要なわけで、当然すぐ目と鼻の先に漁港がなくちゃいけない。

ここにやってきたのは、今晩の食事を見繕うためだ。

今晩の宿は夕食の提供がないスタイルなので、自己解決しなければならない。宿のある小涌園界隈の飲食店をざっと探してみたけど、いまいちピンとこなかった。あと、今日一日海沿いで過ごしていたのに、お昼ご飯は「タンメン」だったので、夜は一発、ガツンと魚を胃袋に入れるというのはどうよ、というわけだ。

漁港に行けば、きっとそんな素敵なサムシングが見つかりそうだ。

浜焼き屋の看板

15:21
もちろん、漁港によっては商売っ気が全然なく、波止場と魚市場があっておしまい、というところがある。というか、そういう漁港の方が全国的には多い。

この小田原漁港はどうなのか、というと、地図で見る限り観光客向けのお店が何軒かありそうだった。

小田原漁港に近づいてくると、「海鮮BBQ 浜焼」という大きな看板を掲げたお店が待ち構えていた。よーしよーし、いいぞいいぞ。ハマグリでもイカでもなんでもいいぞ。全部もってきてくれ。

市場

小田原漁港。

西湘バイパスの橋のたもとにある。

フォークリフトがずらりと並ぶ。

さすがに15時を過ぎているので、市場には誰一人おらず電気も消え、ひっそりとしている。

「市場関係者以外の入場を禁じます。」

という看板が寂しさを醸し出す。

こういう「関係者」って、どこまでを指すんだろうな。「消防署の方から来ました」という詐欺師と同じで、いくらでも拡大解釈できてしまう表現だ。

魚市場食堂の看板

この小田原漁港には、漁港直営の食堂があって有名だと聞いたことがある。どこにあるのだろう・・・と思ったら、看板を発見。

朝7時開店で、14:30閉店。日曜/祝日も営業しているというので驚きだ。その場合は開店時間が遅くなり、10:30~15:00の営業となる。明らかに観光客相手、というわけだ。

さすがに日曜祝日に「朝どれのお魚が食べられる」ということはないだろうが、「魚市場のプロたちも唸らせるレシピ」で作られた料理なのだから食べてみる価値はありそうだ。今日はもう閉店しているけれど。

この食堂でご飯を食べたい、という人は「関係者」という扱いでいいよな?さすがに。

魚市場食堂のメニュー

お品書きを見てみると、
「港の朝定食 730円」「海の昼定食 1,300円」を始めとしていろいろある。値段は手頃だと思う。

そもそも、この手の海産物のお店の適正価格というのは未だに僕はよくわからない。観光客が大勢やってくる海近辺の飲食店は当然お高い。東京のお店で食べた方が安いくらいだ。

でも、鮮度とか魚の質が違うのかもしれないし、値段が高くてもしょうがないのか、と渋々食べることになる。それでマズかったら腹が立つけど、さすが海の近くだけあってそれなりにうまかったりするから、モヤモヤした気持ちにさせられる。

このメニューを見ていたら、「納豆定食 380円」なんていう潔いメニューがあった。誰だよ漁港まで来て納豆定食を食べるヤツは、と思ったが、ここで働いている人からすると毎回「海鮮丼」だの「サバ味噌」だのを食べるのはウンザリだろう。納豆定食があっても何ら不思議ではない。

飲食店の看板

漁港そのものは完全にクローズしていたので、漁港周辺のお店を探してみることにする。

幸い、漁港すぐ脇にお店の看板が出ていた。

「小田原さかなセンター」というお店が、何やらお買い物が出来そうな予感がする。

お店の気配

いろいろお店があるようだが、閉まっているところも多い。夕方だもんな。

お店

おっ、営業中の看板を出しているお店があるぞ。

しかし・・・これは飲食店だ。

時刻はまだ16時前。

「さあ!ここで早めの夕ご飯にしよう!」

と決断するにはちょっと時間が早すぎる。夜中におなかが空くだろうし、そもそもついさっき平塚でタンメンを食べたばっかりだ。

ホワイトボード

店頭に掲げられたメニュー。

刺身盛合定食が1,600円など。

刺身定食というのは海沿いのお店の定番中の定番だけど、何をどれだけ盛り付けるかによって値段は全然変わってしまう。そして満足度も全然違う。

「海鮮料理のお店に入るなら、とりあえず頼みたい」という料理ではあるけれど、全幅の信頼を寄せてよいものなのかどうか、一抹の不安を覚えつつ頼む料理でもある。

しかしこのお店は良いな、ちゃんと何が盛りあわせになっているのかを明示している。しかも、そのラインナップがイカすぜ?「マグロ・生カキ・甘エビ・平目・アジ・ワラサ」だって。生カキが入っている、というのが変化球としてとてもいい。

漁師めし食堂

「漁師めし食堂」という、旅情と食欲をガツンガツンとくすぐる店名のお店があった。

店頭には、「営業中」ならぬ「営漁中」という看板が出ている。

「めし」という言葉はお上品な表現ではないけれど、「漁師ごはん」「漁師ライス」という言い方にするとがぜんつまらない。食欲がわかない。やっぱりここは「漁師めし」が一番しっくりくる。

ただし、実際の漁師さんが普段どのような食事をしているのか、あまり知らないのだけれど。

このお店の名物は、そそり立つような大きさの「豪快漁師のかき揚げ丼」。今度この地にやってくることがあったら、ぜひ食べてみたいものだ。写真でしか見たことが無いけれど、かなりのインパクトだ。

たぶん、漁師さんは海の上では「かき揚げ」は作らないだろうけど。

ああ、でも「漁師が作った料理は漁師めしだ!」と言われれば納得だ。「漁師が、漁の最中に漁船の上で食べるもの」とは限らない。

4種類のご飯が食べ放題!

おおお!?

4種類の御飯が食べ放題!

と書かれた看板を発見。「なみ」というお店のものだ。

単品料理にプラス260円で定食スタイルになり、そのご飯は4種類を食べ放題にできるのだという。260円でそれはお得だ。

単なる白米の食べ放題なら面白くないけど、このお店の場合は「さば御飯」「いさき御飯」「海藻御飯」「白米」となかなか普段食べないようなご飯の品揃えでワクワクさせられる。

これはもう、「さばご飯」などをおかずにして白いご飯を食べ続けるという無限ループが出来るのでは!!!?

と鼻息が思わず荒くなる。このお店もいいなあ、いつか食べてみたいなあ。「スミヤキの塩焼き」なんて、気になるメニューがあるし。ちなみに、「炭焼きで塩焼き」じゃないぞ。「スミヤキ」という名前の魚だ。カマスの一種。

それにしても、とんかつ専門店では「ご飯とキャベツのおかわり自由」とするお店がとても多いのだけど、「海鮮料理のお店」でもそういう文化が根付くとありがたいな。「ご飯と大根のツマのおかわり自由」って。どうしても魚料理というのは塩っ辛くなりがちなので、ご飯がすすんでかなわんのよ。

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