12:33
道の駅を後にし、伊東市街に入っていく。
立て看板で「力士が作る満腹保証のめしの駅 山田食堂」というのがあった。
なんて力強い言葉なんだ、「満腹保証」!これ、今年一番のパワーワード確定。
しかも、「力士が作る」ということで説得力を増している。パワーワードをパワーワードが修飾しているという、最強の布陣。
これが、「デブが作る」だったら魅力半減だけど、「力士」ならむしろ美味そうだ。
ところでこの「満腹保証」は有効期間、どれくらいでしょうか。1年?2年?
12:45
「満腹保証の店」に後ろ髪をひかれつつ、目指したのは「五味屋」というお店。
駐車場が「詰め込み型」なのでちょっとヒヤヒヤさせられる。
道路に面して停められるのは3台まで。それ以上は縦列駐車になるので、奥に停めてしまうと他の車をどかさないと外に出られない。テトリス風とも言える。
幸い、自分たちの車の前に別の車が駐車される、ということはなかったので助かった。
力士が作る料理を振り切ってまで求めたのは、「漁師料理」だ。
海鮮丼なんて今更ありきたりなので、食べようとは思っていなかった。今回ターゲットにしたのは「ねごめし」。なんだそりゃ。初耳だ。
どんな料理なのか、というのはメニューにちゃんと説明書きがある。
赤身・白身・いかをたたき、味噌・生姜・ねぎをご飯にのせ、だし汁をかけて召し上がります。
これがねごめし。
ぱっと見、ねぎとろ丼のように見えるけど、赤身だけでなく白身が混ざっている上に、味噌と生姜が大胆に載っているのが特徴。
まずはこれをそのまま食べる。うん、もちろん美味しい。
海鮮丼系で困るのが、醤油味をどうやって丼になじませるか?という点だが、この料理の場合は一口食べる都度、ほんのちょっと味噌を混ぜると適度に塩気が加わる。
で、まずは生を楽しんだ後、後半戦はだし汁を注いでお茶漬け風にする。
すると、生だったたたきに火が通り、白っぽくなる。見た目だけでなく、食感も味も変わって面白い。
忙しい漁師が簡単に食事を済ませるために作られた料理だ、というけど、なるほど納得。これならさらさらっと食べられる。
ただ、美味しいのでもうちょっとゆっくり食べたいけど。ついつい、かきこんでしまってあっという間に食べきってしまい、もったいない気持ちになる。
13:40
随分とうまいご当地グルメに出会うことができ、幸先の良い旅行の出だしとなった。天気が悪いのは残念だけど、全然OK。次にやってきたのは、「伊豆高原旅の駅 ぐらんぽーと」という場所。
さっきは「道の駅」、道中で見かけた満腹保証の店は「めしの駅」、そして今度は「旅の駅」。もう、駅だらけだ。僕らは「めしの駅」はスルーしたので、各駅停車ではないものの、頻繁に駅に停車している。
伊豆ぐらんぱる公園の隣に位置する施設。
ここに立ち寄ったのは、お土産を物色したかったからではない。ここに、一風変わったご当地B級グルメがある、ということを聞きつけ、それを食べてみようと思ったからだ。
一風変わった、というのは・・・
これ。
「ちんちん揚げ」。
いやん。揚げちゃうの?
さすがに「ねごめし」を食べた後なので、定食形式で食べようという気にはならない。そんな貴方にも安心、「ちんちん揚げ単品」もあります。350円。
もちろん、食券にも「ちんちん揚げ」と記載されます。
「本券をお持ちになってお待ち下さい」と書いてある。
食券を握りしめ、「ちんちん揚げでお待ちのお客様~」と呼ばれるのを待ち構えていたけど、「37番でお待ちの方~」と声をかけられ、ちょっと残念な気持ちになった。
これが「ちんちん揚げ」。
意味深な棒状であったりはしない。そういう悪ふざけが一切ないところが潔い。こっちも、名前の時点で大満足しているので、これ以上ネタを提供されると、むしろ引く。
「ちんちん揚げ」とは、伊東市界隈のご当地グルメなのだそうだ。魚のすり身を揚げた際に、油がはねる音を名前につけたという説があるとか。
魚、イカ、野菜を叩いて、それを揚げたもの。なので味はかなり美味い。粗く刻んだだけなので、食感がゴツゴツしている。むしろその方が、食べ応えがあって僕は好きだ。さつま揚げよりもワクワク感がある食べ物だ。
なんでこういう食べ物が全国区にならないのだろう。好む人はたくさんいると思うんだけど。
「やっぱり、名前のせいか!?」
冷凍品があったら、お土産にして、家で揚げて食べたいくらいだ。それくらい気に入った。
ちななみに、webでこの「ちんちん揚げ」について調べていたら、関連メニューとして「ちんちん揚げボール」というものもあるそうだ。いや、ちんちん揚げボールはさすがにやばいって!
何がやばいんだか、微妙だけど。
14:02
この旅の駅には、バーベキュー場があった。海鮮バーベキューを楽しむことができるらしい。
これは良い施設だと思う。バーベキューは単なる食事じゃなくて、それ自体がレジャーだ。2時間くらい楽しめるし、家族で楽しむにはちょうど良いと思う。あれこれ観光を詰め込んでなけりゃ、こういう時間の過ごし方もありだ。
食材コーナーがバーベキュー場には併設されていて、ここで自分たちが焼くものを仕入れることができる。
魚はいい加減食傷気味、という人向けに、ちゃんと肉もある。
「肉もいいけど、ご当地感に欠けるんだよなあ、せっかく伊豆半島までやってきたのに・・・」
というお父さんご安心ください。「わさびウィンナー」という謎な食べ物もあります。天城産のわさびを使っているとのこと。どんな味がするんだろう。
「どんな味」って、わさび味に決まってるけど。
(つづく)
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