城ヶ崎海岸で観光は打ち止め。あとは高速移動して、宿に直行した。
宿でゆっくりしてこそナンボだ。本当は「体感型動物園iZoo」に行く、というオプションプランも頭にあったのだけど、さすがに時間が掛かりすぎるのでやめた。カメとにらめっこしていたら、多分日が暮れる。
目指す今晩の宿、「禅の湯」はお寺に併設されているのだという。
早咲きの桜で有名な河津から内陸部に向かってルートを変え、河津大滝を目指す途中に、目的地がある。
お寺を探しながら、目的地周辺にやってきたら・・・
15:31
あれっ?あれっ?
今、看板で「禅の湯」という文字が見えた。ちょうどカーナビが案内を終了したことだし、この建物が今日の宿泊場所?
ぱっと見、普通の民家のように見える。そもそも、お寺がない。何かの勘違いだろうか。
車をバックさせて確認してみたら、禅の湯の駐車場マークが道路脇にあった。どうやらここに車を駐車するらしい。
駐車場から、国道414号線越しの景色。
このあたりは河津川沿いに温泉地が点在している。河津浜温泉、谷津温泉、湯ヶ野温泉、七滝温泉・・・と続いていく。ここは特に温泉街があるわけではなく、一軒宿になっている。風呂場の脱衣所に掲示されていた温泉成分表を見ると、「梨本温泉」という名前らしい。
あらためて看板を見る。うん、確かに禅の湯、と書いてある。
ということは、この石段を登ったところに玄関があるのか。
石段を登り、建物の中に入ったけど、そこはまるで裏口のようでおっかなびっくりだ。間違えて裏手から入ってしまったのだろうか。いや、でも駐車場はちゃんとあるし、看板も出ているし・・・
靴を脱いで、そのまま奥に向かったら、そこにフロントがあった。あ、良かった、ちゃんと宿だった。
全面畳敷きのフロント前ロビー。
畳の上にソファが置いてある。
館内図を見ると、やはりもう一つ入り口があった。どうやら本当に我々は裏口にあたるところから入ってしまったらしい。河津七滝方面からこの宿にアプローチしていれば、何の問題もなく玄関前に車を停め、正面玄関から中に入ることができた模様。
建物は、ガラス張りの小さな中庭があって、それを取り囲むように建てられている。ちょっと変わった作りだ。
チェックインを済ませ、部屋に向かう。部屋は2階にある。
2階の廊下は木目。建物は全体的に新しいが、基本的に素っ気ない作りになっている。
部屋の扉も、ガチャっと開ける定番のドアノブ型。
昔、ここは「天城ハリスコート」というユースホステルだったらしい。それをあらためて「禅の湯」にした、とどこかで聞いた。しかしここから先が情報が錯綜していて、今この宿がユースホステルのままなのか、そうでないのかがわからない。
先ほどのフロントを見ると、ユースホステルのロゴが出ているから、まだユースホステルなのだろう。実際、この記事を書いている2018年3月時点で、一般財団法人日本ユースホステル協会のサイトに行くと「天城温泉 禅の湯ユースホステル」という記載があり、宿の紹介ページもある。しかし、禅の湯オフィシャルサイトには一切ユースホステルについて情報が載っていないように見える。
また、宿泊プランを検索しても、ユースホステル協会のページに掲載されている「ドミトリー部屋の場合、1泊素泊まり1名3,380円(会員価格)」が出てこない。
ひょっとしたら、「ユースホステルとして利用したいんですけど」と予約時に伝えると、スペシャル裏メニューとしてユースホステル価格が出てくるのだろうか。
さらにややこしいのが、未だにGoogleマップ上に旧「ユースホステル天城ハリスコート」の名前が残っていて、混乱させられる。
部屋の中。
窓を背にして、ソファが置いてあるのが変わっている。
窓際に、洗面台。
小洒落た居酒屋のトイレみたいな、ボウル型になっている。
湯飲みはバスケットに入っている。
かなりカジュアルな発想で作られている。昔ながらの「温泉旅館」の発想だと、この間取りにしろこういった小物は配置できない。そういえば建物自体も、白い直線的なデザインで、独特だ。
部屋の入り口すぐ脇にテレビが置いてある、というのも珍しい作り。こんなの、初めて見た。
そして冷蔵庫はテレビの下。
そうか、だから窓側にソファが置いてあるのか。
テレビからソファまでは、結構距離がある。
窓から外を見たら、山門が見えた。あ、あれがお寺なのか。
そして、ちらっと本堂の屋根も見える。
この山門の前にバス停があり、「慈眼院前」という停留所名になっていた。鎌倉時代から続くお寺なのだという。そしてこの「禅の湯」は、その宿坊、という位置づけになる。境内の中にすっぽり収まっている。
お寺の前にバス停があるのだから、東京から河津まで電車、河津からバスでほとんど歩くことなく宿まで到着できる。これは便利だ。
(つづく)
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