日帰りで行くアメリカ旅行3【ヨコスカフレンドシップデー2015】

警告文

毎回、手荷物検査のところでは軽く緊張するものだ。やましいものなんて何一つない。でも、ぎこちなく笑顔を浮かべ、「ハロー」と声をかけるものの検査官が日本人だと気が付いて気まずくなってみたりする。

僕が持っている荷物のうち、目をつけられるものは三脚かもしれない。三脚と思わせて実はこれは特殊警棒で、屈強なヤンキーをガンガンしばきたおす極悪な凶器!・・・と思われかねない。「やだなあそんなことないですよ」と完全に丸腰になりつつ、素直に検査を受ける。

卑屈な笑顔の甲斐あって、今年も無事に基地潜入完了。ちょろいもんだぜ。

そしておもむろに靴底から手裏剣を取り出し、ニヤリと笑ったのち・・・いや、そういうことはないから安心しろ。

手荷物検査場を通り抜けほっとしたところに、さっそく英語の免責文横断幕が掲示されていた。これまでは、基地の敷地内に入ってすぐのところにあったものだ。今年はまだ「日本領土」である三笠公園内に既に出ていた。侵略だ!

それともかく、内容は相変わらず。基地内でなにかあっても責任は取らないよ、という内容だ。基地の中においては、軍人の権利が優先される。

対岸はアメリカ

湾の対岸が、米海軍横須賀基地。つまり米国領、ということになる。核兵器だってあるかもしれない、そんな場所。そして、今日に限っては肉をアホみたいに焼きまくって米兵さん大盛り上がりデーの会場でもある。お前ら肉を焼く以外のことはないんか、というくらい毎年盛大にあちこちで肉を焼いているからなぁ(誇張表現含むが、おおむねそんな感じ)。

軍用犬

三笠公園との境界線にある簡易なゲートをくぐり、基地内に入る。

入ってすぐのところで、軍用犬がお出迎え。シェパードだろうか。チワワとかプードルといった愛くるしいヤツを見慣れていると、この「いつでも噛み付いてやるぞこの野郎」という気迫はびびる。ほら、その証拠にこの犬!尻尾を振っていないぞ。

兵隊さんがしっかりリードを握り、犬が人様に突撃しないように踏ん張っている。見よこの力強さ。これぞ「軍用犬」だ。

・・・ところで、軍用犬って何をするんだろう?警察犬と一緒か?

犬用バン

さすが軍用犬殿、ちゃんと専用の輸送バンまで用意されていた。犬舎がこの基地内のどこにあるのかは知らないが、いちいち基地内をお散歩しながら移動するのは面倒だ。なので車。

やっぱり、軍用犬でも車で移動するときは窓から顔を出して「ウワア!景色が勝手に動いていくよ!」という表情を浮かべるのだろうか?

一つ勉強になったこと。軍用犬って「MILITARY WORKING DOG」というんだな。ミリタリードッグ、ではない。英語の微妙なニュアンスはよくわからないけど、「WORKING」が入ることでちょっと違う意味になるのだろう。

まあ、日本語でも「軍犬」とはいわないで「軍用犬」と呼ぶことにあんまり意味がないのと一緒、なのかもしれないけど。

タイムテーブル

さあお待たせしました。朝からヤバさ漂う猛暑の横須賀、基地に入ったことだし本日のアメリカ模様を俯瞰しようじゃないか。

今年は二つのステージが用意され、それぞれで生演奏やステージパフォーマンスが次々と行われるらしい。それと別に、フィットネスセンターではエアロビクス、映画館では第七艦隊バンドの演奏。屋外では毎年恒例の気合い入りまくりの車がずらり展示。

2年前はボディビル大会が開催されていたのだが、昨年からは行われていない。今年こそは是非見たかったのだけど。

ステージイベントには、どさくさにまぎれて「やっさ小町」といった和の踊りも混じっていた。しかも千葉県東金市の団体によるものだ。一体どういうツテでセレクトされたのだろう?基地司令官が「やっさ小町」のファンだとか?

地図

タイムスケジュールの下に、基地内地図が表示されていた。毎年恒例の、「簡略化されすぎてるぞオイ!」というものだ。縮尺とか全くあてにならないので、リアル脱出ゲームのヒント程度に考えておくのがよろしい。

ちなみに今年も艦船一般公開があるようだ。バース9で「マスティン」が公開される、と書いてある。おそらく駆逐艦なのだろう。公開するくらいだから、少々見られたり写真を撮られてもヘーキヘーキ、という船なんだと思うけどどうなんだろう?さすがに、第七艦隊の旗艦であるフィッツジェラルドが公開されることなどはあるまい。秘仏公開じゃあるまいし。

会場

基地の中心部に向けて少し歩いたところが、駐車場。正面に建つ兵舎に用事がある人用のものだと思われる。ここが例年、「オフィサーズ・クラブ」の屋台エリアとなっている。

この「オフィサーズ・クラブ」は基地内に実在するお店で、将校たちの歓談の場であったり、接待に使われるらしい。そんなわけで、他の「BBQ好きどもが肉を焼きまくる屋台」よりはグレードが高い料理を食べられる・・・かもしれない。そうではないかもしれない。

「どこの屋台のターキーレッグが一番うまいか食べ歩き」なんてやればさぞや楽しいと思う。ターキーレッグは荷が重いなら、安いホットドッグでもいい。しかし過去それが行われていないのは、暑さでやられてしまっているからだ。暑いとてきめんに人は集中力が途切れ、食欲も落ちる。

焼かれる肉

既に太陽がジリジリと肌を焦がし始めている中、オフィサーズ・クラブではびっしりとグリルの上にハンバーグを敷き詰めていた。この基地に訪れた数多くの日本人が、まず度肝を抜かれるのがこの光景。そしてつくづく思うのであった、「こんな国と戦争したって勝てるわけがない」と。

物がふんだんにあるかないか、という問題以前に、こうやって肉をガンガン焼いて平然としていられる生まれと育ち、ってのが日本人とは大違いだ。繰り返して言う、こんな国と戦っても勝てねぇ。

基地見学は平和教育にも良いと思う。戦争なんてのは根性論じゃ無理なんだ、ってことを思い知るから。

屋台

オフィサーズ・クラブの屋台には、長蛇の列対応用にフェンスも用意されてあった。さすが手際が良い。長年出店を続けている実績がものを言う。あと、軍隊なのでこういう「大勢の人をコントロールする」というのは手馴れたものだ。訓練の一貫、くらいに思っているかもしれない。

僕が初めてこの地に足を踏み入れたとき(2013年)、てっきりアメリカン屋台というのはここしかないのだと思っていた。実際はもっと基地奥に行けば、膨大な数の個人商店が並ぶわけだけど。なので、ここで食べなくちゃ!と基地に入るやいなや早速注文しまくって食べたものだ。そういうこともあって、行列はこの時間にして早くも長い。基地内一等地に大きくお店を構えていることもあって、大繁盛だ。

屋台メニュー

売っているものはこんなかんじ。

バーベキュースペアリブ(3本)(ミネラルウォーター付き) $9.60/¥1,250
ジャーマンスタイルポークサンド(ミネラルウォーター付き) $7.70/¥1,000
テキサススタイルソーセージ(コーン、ビーンズ、ミネラルウォーター付き) $6.15/¥800
スモークビーフブリスケット(コールスロー、ビーンズ、ミネラルウォーター付き) $10.75/¥1,400
元祖ネービーバーガー(ミネラルウォーター付き) $6.90/¥900
ミニドーナッツ(8個入り) $3.45/¥450
クッキー各種(3枚組) $2.70/¥350
チップス $.75/¥100

毎年のことだが、値段を見て「おっ!?」となる。肉はデカいが、値段もそれなりにデカい。日本で食べるよりは安いんだろうけどねぇ、といったん頭の中でこの金額を咀嚼しないといけないお値段。僕のように「食べ歩き!」と鼻息荒い人にとっては、一品で1,000円越えなんてのはちょっと負担が大きい。

・・・もっとも、量としては一品食べれば大の大人でも満足いくものなんだけど。でも、今日だけはカロリーとか財布を気にせず、リミッター解除しようぜ!だってここは日本じゃないもの!アメリカだもの!

お会計はドルでも円でもOKなのだが、やたらとレートが悪い。計算してみたら、おおよそ1ドル=130円前後、という設定らしい。2015年8月の為替相場は確か120円台前半だったから、それよりもさらに円安に設定されている。

「ちぇっ、昨年は1ドル=100円だったのに」

つまり、売っているものが昨年と同じ値段(ドル換算)だった場合、今年は3割も値上がりしていることになる。こんなところで円安の影響をモロに受けるとは。

「外貨預金がはかどって嬉しい」と喜んでいた最近の僕だけど、身近なところに円安の落とし穴があった。

そんなわけで、2015年のフレンドシップデーは全体的に「アメリカ情緒は楽しめるけど、食べ物の値段は割高でお得感が足りなかった」という印象。

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