バース8のマスティン。バースは鉄条網付きのフェンスに囲われており、厳重な警備が敷かれている基地の中でもひときわ厳重であることがうかがえる。
バースには「ブルーリッジ LCC-19」と書かれた機材も置いてあった。横須賀基地第七艦隊の旗艦であるブルーリッジも、このバース8を利用するらしい。
10:30
バース8の入口となっているゲートには、「KNOW WHAT’S INSIDE」と大きく書かれた紫色の看板が張り出されていた。なんのこっちゃ？「中身が何か知れ」って意味がわからない。
サイトのURLは「www.NADAP.navy.mil」となっていた。ますます意味不明だ。「NADAP」といえば「国家社会主義ドイツ労働者党」、つまりナチスのことだからだ。
以前、「矢追純一UFOスペシャル」で、ナチスの残党はまだ南極大陸に生き延びており、Uボートを駆使し、UFOを飛ばしているって報じられていたっけ。。そんなナチスと米海軍は未だに対決しているというのか！？すげえ！
・・・まさかそんなわけはあるまい、と思い実際にこのサイトのURLを叩いてみたら、クソ真面目なサイトにたどり着いた。「Navy Alcohol and Drug Abuse Prevention」がNADAPの略だって。なんだ？ナチスの陰謀はどこへ行った？
つまり、海軍においてアルコール依存と薬物依存に関する啓蒙をやっている組織らしい。こういうのがデカデカとバース入口に看板を出しているあたり、けっこう深刻な問題らしい。過酷な環境での勤務なので、依存症にかかりやすいのだろう。
10:56
マスティン側面。
遠くから見たときは「なんだ小さいな」と思ったけど、近くでみると結構デカい。港湾施設および船はすべてが日常生活のスケール感と異なるので、目が錯覚する。
しかし、ここで「サイズ感に目を慣らす」時間はいくらでもあった。乗船待ちの人が長蛇の列をなしていたからだ。早い時間から基地に乗り込んだのに、既にこの有様。
1枚上のゲート前写真が10:30に撮影したもので、この写真が10:56。いかに列が前に進んでいないかがよくわかる。
直射日光を浴びながらの行列待機はかなりの拷問だった。まだ歩いているほうがマシだ、移動していると少しは風が流れるからだ。1カ所に立ちっぱなしだと、ひたすら疲弊していく。しかも加速度的に。
マスティンのパンフレットを貰った。「ミサイル駆逐艦」という肩書きを持っているのだな。DDG-89、というのが船の番号。キャッチコピーは「常に勇敢であれ」だそうで。勇敢だからといって、「玉砕覚悟」というわけではないだろう、たぶん。そんなことをやるのは日本だけだ。
船にキャッチコピーがあるというのがアメリカらしい。日本の自衛隊でもあるのだろうか？折角だから、往年のプロレスラーみたいに「ブレーキの壊れたダンプカー」「革命戦士」みたいな名前をつけるといい。
・・・いや、だめか、さすがにマズい名前だ、それは。
ご丁寧に諸元が記載されたボードがあった。これくらいは軍事機密のうちには入らない！ということなのだろう。
全長が155メートルなのに対し、全幅は20メートルしかない。かなり細長い。
広島出身の僕は、船といえば瀬戸内の島を結ぶカーフェリーだった。なので、横幅が広い船ばっかり馴染みがあるので、こんな細長い船を見ると不安になる。「横転するんじゃないか？」と。
将校32名、下士官300名がこの船に乗るのだという。多いのか少ないのか、よくわからない。観光船じゃないんだから、合計332名全員がこの船を航行させる上で必要不可欠な人数ということなのだろう。それを思えば、かなり多いのかもしれない。322名がかりで動く船。さすが軍艦。
11:00
今回は船の横っ腹からの乗船ではなく、後部甲板からの乗船となるらしい。ヘリコプター用のハッチが大きく開いている。
11:09
船にもうそろそろ乗船、となってからがまだ長い。タラップはもう見えているのだけれども。
「早く船を見たい！」なんて気持ちは全員消えうせ、「船にたどり着けば少しでも日陰があるぞ」という一心だ。
さらに奥のバース7には、別の船が停泊していた。艦上には人の姿が見える。ああそうだ、今日は特別に海上自衛隊から日米友好の証として船がやってくる、っていう話だったな。
「うわあ、面倒くせえ」
思わず出てきた言葉がこれ。もう、これ以上並んでまで船を見たいとは思わない。そもそも、ここからさらに歩くことになるし。
「あれはいいよね？日本の船だし」
誰も異を唱えることなく、自衛隊の艦船見学は「なかったこと」にされた。
ちなみに、「なかったこと」にされた船は、左が4305番と書かれているので「多用途支援艦ひうち型・えんしゅう」で、右が「掃海艇えのしま型・はつしま」だった。以上この話題おしまい。
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