12:11
いつまでもボウリングセンターにいつづけるわけにはいかない。なにしろ、まだ正午を過ぎたばっかりだ。ゆっくりしていたら、昼下がりに向けてますます気温があがってしまう。生き残るためには、早く要件を済ませて基地を脱出しなくちゃ。
大きく息を吸い、まるで素もぐりでもするときのように意を決して外へ出る。
ガツン、と頭をぶん殴られたような衝撃とともに暑さが押し寄せる。折角、冷気のベールを身にまといはじめていたのに、いっぺんにそれが吹き飛んだ。やべえええええ。
「早く食べ物を見つけて、とっととメシを食おう」
お互い、身の安全が最優先だ。
ボウリングセンター前には毎年屋台が出ていて、ここではピザが売られている。今年もまたそうだった。屋台村に並ぶ屋台が、おそらく兵隊さんや職員による「勝手連」なのに対し、ちゃんとした基地内のお店による出店にはオフィシャルロゴが入ったメニュー看板が用意されている。
ええと、このお店は「MEAN GENE’S」というお店だ。ボウリングセンター内にあるハンバーガー屋だったっけ。こちらにも出店を作っているのだな。
ピザ6インチ 500円
ピザ14インチ 1,600円
ピクルスフライ 500円
チーズカーズ(チーズフライ) 650円
ハラペニョポッパー 350円
プリッツェル フライ(チーズディップ付き) 500円
クッキー(3個) 350円
ポテトチップ 350円
サルサもしくはナチョチーズディップ 650円
ゲータレード 350円
米海軍横須賀基地シャーキーズ生ビール 650円
缶ビール 350円
ミネラルウォーター 100円
ピクルスをフライにしてみたり、プリッツェルをフライにしてみたり。カロリーを高くしたくてうずうずしている感がステキ。だからアメリカ人はデブが多い、というのに納得のラインナップだ。この中に「ヘルシー」と呼べるものが何一つない!というのがすごい。
あ、そうか、アメリカでは「ピザはトマトソースがかかっているし、『野菜』としてカウントしていい!」という法律が可決されたんだっけ。おい喜べ、ピザはヘルシーだぞ!嘘だけど。
ピクルスフライなんてどんなものだろうとは思うが、こうも暑いと食欲がない。折角横須賀に来たのだから、それっぽい何か、をとりあえず胃袋に押し込めばもういいや。それ以上の欲求ってないです。
米軍のラジオ局、AFNが野外スタジオを作っていた。昔はFEN(Far East Network)と呼ばれていたやつだ。僕が子どもの頃、広島だと海兵隊岩国基地向けのFENが聞けたので、英語ベラベラの放送を聴いて「うおおお!?」と思ったものだ。
AFN TOKYO、と書いてあるテント。あれっ、横須賀なのにTOKYO?まさか、アメリカに置いても「東京ディズニーランド(ただし所在地は千葉県浦安市)]的なことがあるのか!・・・と思ったら、AFN TOKYOって本拠地は横田基地(東京都福生市)なんだな。だったらTOKYOで間違いない。
放送局においては、陸海空海兵隊問わず共通なんだな。
12:12
お昼ごはんを求めに屋台街に入る。一つ一つ見ていく集中力が既に途切れてしまっていて、なんとなくだらーっと見ていくだけだ。オフ会として集まってくれたほかの方には申し訳ない。もっと快活にご案内したかったのだけど。まあ、他の人も同じくぐったりしていて、僕がベラベラ喋っていたらうるさかったと思う。
ある一つの屋台。テントの上に隊旗が張り出されていて、「SHIP REPAIR FACILITY」という字が見える。修理部隊が運営する屋台なのだろう。
売り物は、
すいか 50円
飲み物2本 100円
牛ステーキ 500円
ブラッツソーセージ 300円
チリドッグ 300円
ホットドッグ 200円
だった。すいかはどうやら100円を想定してメニューを作ったようだけど、格安で入手できたからか、それともこの時点で在庫過多なのか、半値の50円に修正されていた。
とにかく1日限りのイベント。売れ残っても困る。早いところはこの時間くらいから値下がりが始まっていた。
それにしてもアメリカ人のホットドッグ好きよ。我々日本人は「アメリカ人=ハンバーガー好き」という印象を強く持っているが、どうも横須賀基地を3年間見続けている限り、それよりもホットドッグの方が大好きらしい。たぶん、作るのが楽だからだ。
とりあえず水分を買おう。ジュース2本で100円なら買って損はない。クーラーボックスを覗いてみると、350ml缶だった。
できるだけ日本には売られていないものを買おう、ということでチョイスしたのは、マウンテンデューとドクターペッパー。
マウンテンデューってすっかり見かけなくなったよな。けばい色の飲み物なので、いかにも不健康そうな飲み物だからだろうか?(ちなみに、コストコのフードコートに行けばマウンテンデューが飲み放題だ)
ドクターペッパー自体は珍しくないけど、10BOLD CALORIES、と書いてある。どうやらローカロリーバージョンのドクペらしい。あと、映画「アベンジャーズ」とのタイアップ缶だった。
それにしても、気がついたらどっちもくどい味の飲み物を選んでしまったもんだ。
NAVSUP(海軍の輸送部隊?)の屋台。
チーズバーガー 500円
ナチョチーズ 500円
ホットドッグ 250円
コールドドリンクス 100円
といった品揃え。
こっちの屋台は、プリントアウトしたメニュー表記に手直しが入っていた。3ドル=300円、という表記が、375円に書き直されている。さすがに1ドル=100円のレートでは安すぎると思って、修正したのだろう。
ナチョス屋台。ホットドッグに次いで、屋台でよく取り扱われいるメニューかもしれない。トルティーヤチップスをバラバラと皿に盛り、その上に溶かしたチーズをかければOKなので楽な料理だ。
しかし、さすがにこれだけ暑いと、ナチョスを食べようという気にはならなかった。これだけ屋台でメジャーなメニューなのだから、アメリカンを満喫する必須アイテムでは?という気がするのだけど、見ろこの料理を。炎天下で食べようという気になるか?
この屋台は、モンスターエナジーだけを売る潔さ。500mlで300円。
こちらは、「NAVY COMPUTER AND TELECOMMUNICATION STATION」による屋台。
なにやらビュッフェカウンターのように料理がふた付きの器に入っていて、正体がよくわからない。
メニューは・・・
リブス
バケドビンズ
コルスラ
¥1,300 $10.00
なんだこれ。謎の料理だ。どうやら3つで1セットの料理らしい。かなり強気の値段設定で、商売になるのか心配になってしまう。
名前からは想像がつかないメニューだったが、店頭に置いてあったサンプル皿を見てようやく理解した。
リブステーキ、ベイクドビーンズ、コールスロー
をワンプレートに盛ったものだった。そういうことか!
一つ賢くなった。アメリカのレストランでコールスローを注文する際は、「コルスラ!」と叫べばいいのだな。それがネイティブ風発音、というわけだ。
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