13:00
「ふくしまブルブル」のお店をあらかた見て回り、やはり結論として「ホテル大亀」でブルブルすることに決めた。
他にも魅力的なお店はあったけど、それはまた今度福島を訪れた際のお楽しみにしておきたい。
ホテルの中に入ってみると、いきなりこじんまりとしたロビーとフロントがあって、一瞬たじろぐ。なんだかもう、今晩の宿に到着したかのようだ。
福島駅から徒歩すぐの場所なのに、このアットホームっぷりは素晴らしい。
「大亀」というホテル名のとおり、ロビーの壁には大きな亀が飾られていた。
フロントに背を向け、館内のレストランを目指す。
店名は「レストラン トータス」。トータスとは亀の意味なので、もう亀だらけだ。おっと、レストラン入り口脇にも、亀の剥製がいる。
こうなったらもう、ふくしまブルブルなんて出さないで、海亀の煮物とか出しちゃおうぜ、と思うが、それは問題になりそうなのでアウトだろう。
そもそも、もうこのご時勢、亀の剥製を売買することさえ規制が厳しそうだ。
亀はともかく、レストラン入り口脇には例の黄色い「ふくしまブルブルフラッグ」が掲げられていた。「いよいよ食べる気になったか。かかってこいや、オラ!」というふてぶてしい顔をして僕らを挑発する。
ああ、食ってやるとも!
しかしちょっと待って欲しい。その「ブルブル、あります」を示すブルドッグ印の黄色いフラッグの隣に、「本日の日替りランチメニュー」が展示されている。
なんかとんでもなくボリュームが多いぞ、これ。
一言で言えばミックスフライ定食なのだけど、小鉢・小皿が5品もある。
いいじゃないか、これ。
あえてブルブルしないで、トータスで日替りランチ・・・というあまのじゃくなチョイス、想像しただけでブルブルする。あまりに自分がマゾっぽいというか、ひねくれすぎているからだ。
さっきまで、何軒も「ふくしまブルブル」提供店を見て回ってたのに!さんざん、どこで食べるか悩んだのに!でも、日替りランチを食らうッ・・・この矛盾・・・この軋轢・・・たまらん。
やめろやめろ、変態にもほどがある。
そんなよからぬことばかりを考えていたので、本来突っ込みどころである日替りランチの料理名「恋かなとミックスフライへ想いよせ」が霞んでしまった。
まさかミックスフライ、白身魚のフライかと思って食べたら鯉だった、なんてことはないだろうな?福島市は内陸部だし。近くを阿武隈川が流れているし。
店内は、平日ということもあって一人客のサラリーマンがあわただしく、かつ豪快にボリュームのあるご飯を食べていた。ああそうか、今日は木曜日だ。
今回は夏季休暇を利用しての旅行なので、1泊2日両日とも平日という優雅な旅になっている。
さすがに地元民の方々は、「うわあ!ブルブルだ!」とお客さん全員ブルってるわけではなかった。例の日替りランチを頼んでいるお客さんが多い気配。
「本日の臨時メニュー」が大量にある。
いったいどれだけ緊急事態なんだ、今日は?
日替りランチ、お値段は700円だった。えっ、あの品数で700円?安っすうううう。
本気で心がグラっときてしまった。しかもドリンクバー付きだし。
でも、初志貫徹でふくしまブルブルを注文。
13:10
ふくしまブルブルはワンプレートで提供される。
大きな皿に、ブルブルしちゃう豚肉と、スープと、厚切りトースト。
こちらはトーストのかわりにライスバージョン。
ほかに、ナポリタンバージョンもある。
つまり、「ふくしまブルブル」はご飯のお供によし、パンによし、スパゲティの添え物としてもよし、という何にでも合う料理だよ!というわけだ。
イメージとしては冷しゃぶに近いかもしれない。レタス、玉ねぎという野菜が多く使われている。その野菜と豚肉とを、一緒に食べる。
豚肉は塩胡椒だけでなく、レモン汁がかけられている。そのため、「ドレッシングがかかった豚肉」と思えば、味の印象はあながち間違っていない。
うまいと思う。豚のしょうが焼きのようにガツンと食べたい気分じゃないけど、さらっと肉を食べたいな・・・というときにはとても向いている味だ。
ただし、「あまりのうまさにブルブルしてしまう」という前口上があまりにインパクトありすぎて、「言うほどおいしくはないと思う」というネガティブな表現をしてしまうのは本当に惜しい。おいしいんだけど、「ブルブルするかどうか」という基準でコメントをしてしまうから。どんなにうまくたってブルブルするわけはないんだから、明らかに不利だ。
かなりうまいのでプルプルしちゃう、ということで「ふくしまプルプル」なら良かった。「うん、プルプルしたかも!」って食後に言える。それくらいは美味いと思う。
ただ、さすがに「ふくしまプルプル」だとあんまりだ。そもそも、元祖のお店「ブルドック」の店名がどこかに消えてしまっている。
13:38
食後、福島駅そばの駐車場に戻る際、まだ見ていなかったふくしまブルブル提供店の11店舗目、「イヴのもり」を観察しておく。
これで11店舗、全部見たことになる。店の外観を観察しただけなので、「だからなんなんだ」というレベルだけど、「僕ら、全店舗見たぜ」と言えるのはちょっと誇らしい。
このお店は、お値段1,200円で提供中。
綺麗なお皿にお上品に盛り付けられている。どうも、ふくしまブルブルは
- 庶民的な味と料金を目指すお店
- ちょっとお高級な雰囲気を目指すお店
- 元祖の料理から派生した、別物の料理を創作するお店
の3ジャンルに分かれるようだ。
今後、ふくしまブルブルは拡大していくのだろうか、どうだろうか。
「ブルブル餃子」「ブルブルラーメン」「ブルブル鍋」とかいろいろ可能性はありそうだけど、受けるかどうかはやってみないとわからない。
13:53
車に戻り、移動を開始する。
道中、三万石のお店があったので、思わず写真を撮ってしまった。
三万石といえば、郡山に本店を持ち「ままどおる」という銘菓で有名なお菓子メーカーだ。
大抵、福島とか仙台方面に出張に行った人は「ままどおる」をお土産にしてくれる。
仙台出張でままどおるというのは、場所が違うんじゃないか?と思うが、買ってきてくれる人いわく「萩の月は、職場で配るには値段が高すぎるので」と苦笑しながら教えてくれた。そんな、みんな大好きままどおる。
写真だけ撮って素通りしちゃったけど。
うまいんだけど、自家消費用にまで買いたいとは思わないお菓子ではある。
(つづく)
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