今回手元にあった優待券は、確か「ユネッサン」と「森の湯」のパスポートだったと思う。なので両方利用できたのだけど、ユネッサンでわあわあ楽しんでいたらすっかり森の湯に行く気力が失せてしまった。
水着着用とはいえ、皮膚がふやけるまで水に浸かっていたわけで、改めてお風呂はいいや・・・という気分。
というわけで本日のお楽しみはここまで。
ユネッサンのパスポートを買って、しかもそれを使いこなすというのは相当な気力と体力の持ち主だと思う。もちろん、財力だって必要だ。いくら朝からユネッサンに入場したといったって、引き続いて森の湯に行くだけの気力をどれだけもっていられるか。
ディズニーで一日遊ぶのとはわけが違う。水と戯れる、というのはかなり体力がいる作業だ。
そんな巨大施設ユネッサン。
プール施設はどこでもそうなんだろうけど、若いうちに行くべきだな、と思った。老いてくると自分の体型が気になって尻ごみするようになるし、なによりも体力がついてこなくなる。
夕食は館内レストランにて。イタリアンだぞ、イタリアン。箱根の夜はイタリアンが似合う。ワインなんぞ傾けてだな、お互い見つめ合ってだな、そりゃあもう。
実は、ユネッサンには5店舗の飲食店があるのだけど、お昼しかやっていないのが2店舗、事前予約制のお店が2店舗だった。つまり、予約なしでふらっと夜に入ることができるお店は、このイタリアンだけだ。
なにが「お互い見つめ合って」だ馬鹿野郎。
ご丁寧に食品サンプルが店頭に飾ってある。サンプル、いるか?と思うが、外国人観光客がやってくることもあるだろうし、必要なのかもしれない。
パスタのセットが1,650円。問答無用で今晩はこれで。
前菜3種類。
そうか、ガーリックトーストも前菜になるのだな。
選べるパスタ、ということなので、二人で二種類別々のものを選んだ。
デザート。
レストランは21時まで営業しているけど、閉店時間までディナーを楽しんでいるわけにはいかない。B&Bパンシオンに我々を運んでくれるシャトルバスは19:40でおしまいだ。
かぼちゃの馬車が24時を過ぎたら魔法が解けるように、この終バスを逃すと真っ暗な道をとぼとぼ歩く羽目になる。
シャトルバスがやってきた。これに乗って、宿へ。
B&Bパンシオン。
まさか半年も間を空けずにまた宿泊するとは思っていなかった。
シンプルな宿だけど、これで十分。
早めにチェックインして、宿の部屋でダラダラとくつろぐのが極上でねェ・・・という、温泉宿的リラックスが適用できる場所ではない。なので、この宿に泊まるときは外遊びを充実させるといい。宿は、今回の我々のように日没してからの到着でも何ら惜しくない。
とはいえ、侮りがたしはこの宿よ。ちゃんと大浴場と温泉があるのだから。
これが、部屋のシャワーや湯船だったら、いくら安くても僕はあんまりこの宿に魅力を感じない。やっぱり、泊まるからには大浴場があってほしいものだな。
大浴場入口の壁には、外国語による入浴案内が張り出してあった。
アイコンの絵は苦労した跡がうかがえるけど、絵だけを見ても何がダメなのかちょっとわかりにくい。文字とセットで見て下さい。
なお、入れ墨はダメなんだそうだ。入れ墨を入れた人がこの宿に泊まった場合、風呂に一切入れないことになる。部屋に風呂は備え付けられていないのだから。一晩がまんしなさい、というわけだ。
中国語バージョン。
韓国語バージョン。
(つづく)
2015年09月26日(土) 2日目
2日目は、特に予定を立てていなかった。ひとまず今回の旅はユネッサンに行こう、ということだったから。
とりあえず、気になっていた茶店に行くのと、その後はまあ、御殿場のプレミアムアウトレットにでも行くかねえ、という感じ。
折角朝から動けるわけだし、今日はまだ土曜日だし、2日目にユネッサン満喫、というプランもあり得ただろう。そういう話がなかったわけじゃないけど、遊び疲れてぐったりした状態で帰宅するのは気が重たいね、という話になって、一日目にセットされたという経緯がある。
そんなわけで2日目は特にこれといったトピックがないので、駆け足で一気に話を進めてこの連載を終わりにしたい。
07:02
朝もやに包まれた箱根小涌園。
・・・いや、朝もや、というと聞こえはいいけど、これは雨だな。霧雨だ。どうやら今日は天気が悪いらしい。
旅行に行くと、朝が早くなってしまう。「ゆっくり疲れを取ろう」なんて、できたためしがない。
なにせ朝ご飯が早い。そして夜寝るのも、少し遅くなる。
しかし、僕も、旅に同行するいろいろな仲間も、みな一様に歳を取ってきているのだろう。案外あっけなく夜はお開きになり、24時前には消灯ということが増えた気がする。なので、朝が早いのは相変わらずだけど、睡眠時間は案外取れるようになったかもしれない。
07:04
今回、特に用事のない2日目だというのに早起きしているのは、B&Bパンシオン名物の「焼きたてパンを腹一杯食べるぞぉぉぉぉぉ!」が待っているからだ。
遅い時間に行って、欠品があるような状況は悲しい。さらには、焼きたてでないというのも悲しすぎる。なので、7時の解禁とともに食堂にいかないと・・・って、うわあ!
まだ7時4分だというのに、なんだなんだこの人の多さは。みんな同じ事を考えていて、人、人、人。みんなこの後どうするんだよ、二度寝するのか、それとも早々にチェックアウトするのか。
金曜夜宿泊なので、お客さんは少ないと思って侮っていた。とんでもない、たくさんいらっしゃるぞ。
たくさんなのは人だけじゃなくて、パンだってそう。
これだけのパンをどうやって焼いているんだ、と驚かされる。生地そのものは冷凍で、あとはオーブンで焼くだけなのは当然知っているが、だとしても膨大な量だ。
その膨大な量に釣られてしまい、ついつい沢山トレイにとってしまったのは前回同様だ。
「制覇」という言葉に弱いのは相変わらずで、今回は9種類のパンがあったので9種類、馬鹿正直に取った。仮にこれが20種類のパンが置いてあったら、「さすがに無理だ」と諦めがつくものだ。でも、9種類となると、絶妙なんだよな。僕の心の琴線に触れるというか。
半年前は、噴火直後ということでかなりピリピリしたムードになっていた大涌谷。
2015年9月時点ではずいぶん沈静化したようで、立ち入り禁止エリアは狭められていた。でも、まだ大涌谷そのものには一般人は入れない。名物の真っ黒なゆで卵を食べることもかなわない。
09:56
食後のんびりとしたあと、雨の中出発。
目指したのは、旧東海道にある「甘酒茶屋」。
一度訪れてみたかった場所。
10:06
旧東海道沿いに、わらぶき屋根の大きなお店。
りっぱな建物。
すぐ近くに、自動車道路が出来る前の東海道もある。最近は古道歩きが流行っているそうで、この道も良く歩かれているようだ。でもさすがに今日はまだ人の気配がない。
甘酒茶屋の中へ。
甘酒茶屋という名前のとおり、甘酒がお品書きのトップにある。あと、力餅など。
箱根の山は天下の険、という歌詞が書かれている額
古民家らしく囲炉裏が切ってあって、鍋からは湯気が立っていた。
店内の様子。
こりゃあ冬は相当に寒そうだ。
甘酒。
そして力餅(うぐいす)。
食べ応えのあるサイズ感と、遠慮のないきなこのかけっぷりがいい。
甘酒茶屋から外を眺めたところ。くつろぐのにとても良い場所だ。
しかし、気候の良いときはおそらく混むだろうから、くつろげるのかどうかは不明。少なくとも今日は人が少なく、快適だった。
(つづく)
11:21
甘酒茶屋でのんびり過ごしたあとは、退却しがてら御殿場に立ち寄る予定だ。
最短距離で御殿場に向かうのはなんだか惜しいので、ぐるっと芦ノ湖の西側、芦ノ湖スカイラインを通っていくことにする。
雨は殆ど降っていないものの、視界はあまりよくない。本当なら、ここはすがすがしくドライブできる道の筈なんだけど、違ったっけ?
しびれを切らして、道中にあるドライブインに立ち寄る。
車窓からの景色ではなく、車を降りてちゃんとした場所で風景を見れば、少しは「おおお!」という眺望が開けているのではないか?という期待からだ。
ドライブインの看板には、「おいしい!高原牛乳」と書いてある。
こういう山の観光地に行くと、牛乳が売られているということがよくある。なので珍しいことではないのだけど、この「おいしい!高原牛乳」はどこ産のものだろうか?富士山麓の朝霧高原?
「パノラマ絶景」という看板が出ていた。
ここから徒歩3分歩くと、富士山から駿河湾から、果ては伊豆大島のあたりまで一望できるらしい。それはすごい。
徒歩3分。
・・・いや、やめておこう。
目の前の空は、重たい雲で灰色。たとえここから3分歩いて高台に行ったとしても、急に景色が開けるとは思えない。
やや?ヤギがいるぞ。
ひょっとして、「おいしい!高原牛乳」の出所はアナタ・・・なわけはないな。
あいにくの天気でも、ヤギは我関せずでひょうひょうと店番をしていた。
11:44
芦ノ湖のカルデラを越える、長尾峠。ここから御殿場市になる。
なぜか看板が「ローリング族区間」になっていた。
ローリング族とは、バイクや車で峠を攻める人たちのことだ。漫画「頭文字D」の世界、みたいなものだ。
そうか、ここはローリング族を許容しているのか。珍しい場所があったものだ。
・・・いや、そんなわけはない。本来「ローリング族禁止区間」になっていたのだろうが、「禁止」の文字だけ消されてしまったらしい。
そんな看板のすぐ近くに、
「この先当分(30~40分)食事処無し!」と書かれた木の看板が出ていた。
ガードレールが勝手にイタリアの三色旗っぽい色で塗られているので、ひょっとするとここにはイタリア料理店があったのかもしれない。でも、イタリア国旗は縦縞なので、全く関係ないのかもしれない。
いずれにせよ、「食事処無し!」と通行人に伝えて、暗に「ウチでメシ食ってけ!」と言いたかったのだろうが、肝心のお店がシャッターを閉めてしまっていた。「30~40分食事処無し」でも全然平気、という人ばっかりだったのだろうか。
実際、そこまで逼迫して腹を空かせている人なんて滅多にいないわけで、あんまり説得力がないセリフだと思う。そもそも、御殿場まで行けば飲食店の選択肢はたくさんあるわけだし(この看板は、箱根から御殿場に向かう車に向けて掲げられていた)。
しかも、ここから御殿場に向けて山を下っていったら、30分もかからずに飲食店があった。嘘じゃん。
12:06
遅まきながら、人生初の「御殿場プレミアムアウトレット」。
物欲、特にファッション系の欲があまりない僕にとって、アウトレットで欲しいものが全くない。連れも殆ど欲しいものはないとのことだけど、こうやって複数名で観光旅行をしていると、「でも、折角だから」という気持ちになる。今回がまさにそう。
買う物は特になくても、観光地としてアウトレットには行ってみたい、と思っていたので渡りに船だった。
それにしても駐車場の数の多いことよ。
この駐車場地図には、肝心のアウトレットモールが描かれていない。つまり、お店の場所からかなり離れたところにまで駐車場が広がっている、というわけだ。
もちろん駐車場から歩いて行け、というのは無理なので、無料シャトルバスが運行されている。
バスがやってきた。
アウトレット。土曜日お昼、ということだけど、天気があまりよくないこともあって客足はそこまで多くなかった。
ドはまりしている人は、毎週のようにアウトレットに通い、今日は入間、来週は佐野、その次は軽井沢・・・と転戦していくと聞いたことがある。今でもそうなのだろうか?
僕は倉敷のアウトレットしか知らないので、このデカさに今更ながらびびった。
ちなみに三井アウトレットパーク倉敷は、倉敷駅から歩いて行くことができる珍しいスタイルだ。(駅から歩ける、という点では軽井沢もそうだけど、軽井沢よりもっと近い)
ただし、倉敷はコンパクトにまとまっているアウトレットなので、行くとしても「気力と体力に相当なる覚悟」を持たなくても大丈夫。
アウトレットの話は、「何を今更」感があるだろうからばっさり割愛。
お昼ご飯の話だけしておく。
チキンライスを食べた。
というわけで、結局アウトレットモールで何も買わずに退却。
今回、MOA美術館⇒ユネッサン⇒アウトレット、とものすごく観光観光した旅行をしたわけだけど、これまでの僕があまりにその手の「ベタな観光」に疎かったのでむしろ新鮮だった。敢えて定番な観光地に行ってみる、というのも良い物だな。
(この項おわり)
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