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朝から「永井食堂」のもつ煮定食をしこたま食べ、今日の食事はこれでゲームオーバー、といった感がある。
いくら朝から営業しているお店とはいえ、馬鹿正直に朝食べると、頭の中で「ほたるの光」がBGMで流れてくる。それくらい、胃にズドンと溜まるし、「もう今日はおしまいにしよう」という気にさせられる。
群馬県の11月13日、紅葉はこんな感じ。明るい色ではなく、若干どす黒くなっている。
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もつ煮、というコテコテの料理を食べたあとは、爽やかな西洋の風を吹かせたい。
そんな紳士淑女におすすめしたいのが、ロックハート城。
群馬県をドライブしたことがある人なら、この名前を知らない人はいないと思う。なにしろ、至る所の電柱に、広告看板を出しているからだ。
その広告の量は鬼気迫るものを感じるくらいで、肝心のロックハート城のかなり遠方であっても、容赦がない。
だからむしろ、僕なんかは半笑い状態でこの観光地をスルーしてきた。どうせ観光客目当ての、くだらない施設なんだろ?と。お城の前を素通りしたことだって、
何度もある。それでも、入ろうとは思っていなかった。
しかし今回、ようやく入る気になった。
あまのじゃくな僕だけど、「気にならない」といえば嘘だった。なにせ、あれだけの大量広告だ。いつまでも無視はしていられない。機会があれば、行ってみたいとは思っていた。
それが、今回。
やはり、連れがいる旅行だとこういうことができるから、いい。最近、オーソドックスな観光地に、「いまさらだけど初訪問」ということがとても増えた。良いことだ。
知ってはいたものの、改めて駐車場に車を停め、入口に向かうとその石垣に驚かされる。
元々イギリス(スコットランド)にあったお城をバラして日本に運び、ここで再構築したものだ。
てっきりこの石垣そのものがロックハート城そのものかとおもったけど、これはあくまでも出入り口の建物の外壁。
ロックハート城そのものは敷地の奥にある。
かなり大がかりな施設だ。単に建物ひとつ、ぽつんと建っていておしまい、というレベルではない。敷地内にはチャペルやら売店やらレストランやら、建物がたくさんあり、それぞれが広い庭と通路でゆったりと配置されている。
気候が良い時期だったり、週末ならばここをカップルが闊歩しているのだろう。でも、今日は平日だしずいぶんと寒いので、人気はまばらだ。
パトリシア、というカフェレストラン。テラス席があって、ここでくつろぐと気持ちいいと思う。
しかし、既に11月中旬だと、寒すぎて厳しい。年の半分近くは、テラス席は相当寒いと思う。なにしろ、山の中だから。
それにしても、ウッドデッキにしろ、石を組んだ建物にしろ、お金がとんでもなくかかっている。さすがに建物の石は外壁部分だけの「見栄え用」だとおもうけど、だとしても大変だ。
ロックハート城に向かう「参道」みたいな道沿いに、建物が並ぶ。
先ほどのロックハート城の解説看板に
ヨーロッパの古城移築・復元は我が国で初めてのことで、これは俳優・津川雅彦氏とロックハート城オーナー・平井良明の「夢」のリレーにより完成したものです。
と書いてあったけど、これは本当にそうだと思う。入場料800円で、この施設を建設したり維持するお金がまかなえるわけがない。
たとえ映画撮影スタジオみたいなハリボテでこういう施設を作ったとしても、800円は安すぎると思う。
これまで「食わず嫌い」でここには来たことがなかったけど、案外穴場だぞこりゃあ。
・・・あ、いや、「穴場」じゃないな。何しろ、あれだけ大々的に広告を出しているんだから。何を今更、という感想を今ボクは喋ってます。すいません。
ロックハート・シグネチャー・ギャラリー?
中に入ってみる。
なるほど、芸能人のサインを飾っているのか。
それ専用に建物を建ててしまうんだから、ある意味すごい。
ロックハート城は他に類を見ない建物なので、ドラマや映画のロケ地として使われることがあるのだろう。
サンタクロースが屋根によじ登ろうとしている。
おまわりさん!あいつです!
と通報してしまってはダメだ。子供が枕元に靴下を置いて、プレゼントを待ちわびているんだから。
確かに、サンタさんってどうやって子供の枕元までやってくるんだ?という謎はある。絵として描かれているのは、トナカイに引かれたソリにサンタさんが乗って、空を飛んでいるというものだ。
長距離移動はそれでいい。問題は、家に着いてからだ。
仮に、家に煙突があった場合、ソリはヘリコプターのようにホバリングしながら、サンタさんは煙突に飛びつくのだろうか?もし煙突がなかった場合は?
「ファンタジー」として曖昧にしてきた部分。それを敢えて今風の解釈で、好意的に解きほぐすというのは面白い試みだと思う。
たぶん、今のサンタさんだったら、
「一旦小さくなって、24時間換気の口から侵入する」
「宅配ボックスに子供のおもちゃを置いていく」
といったことをやるに違いない。
色黒のサンタさんがお出迎え。
このサンタさん、立派なあごひげを剃ったらどうなるのだろう?剃ったところは日に焼けていなくて、白かったりするのだろうか。
ここは、売店。いろいろな雑貨が売られている。道路に沿って、細長く伸びている。
売店は、自然のアップダウンにあわせて作られているため、建物内に階段がある。奥に行くにつれて、だんだん高くなっていく。
もうストーブをしっかり焚かないと、屋内でも寒い季節。
11月でもそうなのだから、これから本格的な冬ともなるとかなり冷え込みそうだ。
(つづく)
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