18:23
宿で夕食。
リーズナブルな宿なので、豪華料理がずらりと並ぶわけではない。
この日のメインディッシュは、塩鮭と海老フライ。
人間の胃袋キャパとしては、本来「塩鮭をメインに、小鉢2皿とご飯、お味噌汁、デザート」くらいで十分なはずだ。それを思うと、宿メシというのはいかに量と種類が多い食事なのか、と改めて気付かされる。
「なんだ、鮭と海老フライか。地味だな」
と思ってしまった自分だが、それは若干感覚が麻痺してしまっている証拠だ。よく考えろ、鮭と海老フライ。通常の食事じゃあり得ない、ダブルメインイベントだぞ。これほど豪華かつ派手な食事は、そうざらにないぞ?
宿メシの定番、固形燃料を使った料理は、湯豆腐だった。
草津温泉という山深い場所にある宿だけど、名誉あるメインディッシュ2品はともに海の幸だった。この界隈の名物である舞茸、花豆は登場せず。そして、イワナや鯉のような川魚の出番もなし。
なかなか、宿メシで「山のもの」を出すのは難しいのだろう。コスト的にも、見栄え的にも、調理の手間としても。
「海老フライ!どうだ!」というメニュー構成は、安直な気もするけれど、老若男女大好きだ。特にお子様が大好きだ。一方、山の幸は「誰しもがニッコニコ」というのがなかなかない。舞茸の天ぷらなら、子供も喜ぶかもしれないけど、「油っぽいものはちょっと・・・」という人が一定数いるからなぁ。舞茸の天ぷらは、海老フライ以上に油っぽい。
そんな「宿メシ事情」に思いを馳せつつ、食事をいただく。
19:49
食後しばらくして、また温泉街散策に出かける。
部屋食というのは気軽で良いのだけど、食べ終わってからの気分転換がしづらい。食事処から部屋に戻る、という一手間が、「ああご飯を食べ終わった。この後はくつろごう」という気持ちになるのだけど、部屋食だとそれがない。
そして、部屋に軽く残った、食事の香り。
ちょっと気分転換のために、外に出よう。それができるのが、草津温泉の楽しさだ。
あー、素泊まりの宿がある。
一泊食事なしで、4,500円。さすがに安い。
飲食持ち込み可、出前可と書いてある。湯畑にもほど近いし、こういう宿で泊まるのも良さそうだ。貸し切り風呂もあるという。
この夜の散歩でぜひ行ってみたかったのが、地蔵の湯だった。
草津にいくつもある源泉のうち、僕はここの地蔵の湯源泉が一番好きだからだ。
20:05
地蔵の湯(男湯)。
平日ということもあって、この時間帯は誰もいなかった。
入浴時間は朝8時~夜10時まで。
地蔵の湯の前に、足湯ができていた。昔はこれ、なかったと思う。足湯は24時間入れるかもしれない。
足湯に並んで、地蔵の湯源泉。
さすがに夜だと、水面はカメラに写らなかった。
地蔵の湯源泉を使っている旅館の数は少なく、この周囲の宿に限られている。いつかここから半径50メートル以内くらいの、地蔵の湯源泉の宿に泊まってみたい。
2000年にアワレみ隊が泊まった宿が、まだ営業をしていた。
懐かしい。
一気に坂を下ると、そこにある三角屋根は「煮川の湯」。
ここはものすごくお湯が熱いので、熱いお風呂が苦手だという連れには不向き。入浴せずにスルー。
(つづく)
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