広大な絵越後湯沢駅の売店エリア。
何度訪れても、新鮮な驚きがある。ここまで駅構内に広い売店エリアを持っている駅は、日本全国見渡してもさほど多くはない。それくらい、尋常じゃない広さだ。見ろこの写真を。売店エリアの末端が見えないくらい遠いぞ。
ひょっとしたら地平線が見えて、「ああ、地球ってやっぱり丸いんだ」ってことに気づかされるかもしれない。そんな印象すら持つ、巨大施設。
そんな施設の奥に、これまでの「デパ地下的おみやげ物屋の集合体」エリアとは異なる一角がある。それが「ぽん酒館」。越後地酒を100種類以上有料試飲できる施設が有名だけど、そのほかにも売店、「名物爆弾おにぎり」を提供するお店などがある。
入り口のところに、爆弾おにぎりのポスターが掲示されてあった。「かかってこいや」と挑発されまくってるぞ、オイ。まってろ、後でしこたま食ってやらぁ。
本当なら、「まずはすきっ腹に利き酒をだな、ガツンと流し込むとさぞや気持ちよかろう」となるものだ。しかし今年は、まずはお買い物からスタートとなった。というのも、今年通算三回目の参加となるよこさんが「笹団子をまずは確保しておきたい」と希望したからだ。
笹団子は新潟の名物で、その気になれば東京でも購入することはできる。しかし、よこさんがソワソワするのは、このぽん酒館で売られている「生クリーム笹団子」がうまいからだ。孝泉堂という和菓子メーカーが作っているものなのだが、よもぎ餅の中にあんこだけでなく生クリームが入っているという代物だ。昨年の「のっとれ!」ツアーで発見した逸品。
しかし昨年は、帰りがけに「自宅土産」用に買い足そうとしたところ、売り切れていてションボリという苦い経験がある。そんなわけでよこさん、今年は念には念を入れ、初日にもかかわらず買ってしまえ、というわけだ。
さすが新潟名物。笹団子は冷凍保存で山積みになって売られてはいる。しかし、お目当ての生クリーム笹団子はコイツラではないので要注意。
さっそくお目当ての生クリーム入りを発見し、購入するよこさん。これからの旅行で荷物になるだろうによくやるなあ、と感心したが、お会計を済ませたよこさんは手ぶらだ。「おとりおき、してもらえましたー」だって。あ、そんなことをやってくれるのか。
生クリーム笹団子はうまいと思うが、どちらかというと女性好みだと思う。僕は、どっちかというとシンプルかつあっさりした「しんこ餅」(松之山温泉名物)の方が好みで、毎回買い求めているくらいだ。このあたりは人それぞれ。
目指す「生クリーム入り笹団子」を購入できてほっとしたついでに、今晩の自室宴会用につまみになるものを買っていくことにした。昨年、ほくほく線に乗り遅れそうになったのは、このお買い物に時間がかかったからだ。今年はやることやって、時間に余裕を作ってからじっくり爆弾おにぎり&利き酒を楽しもう。
買い物に時間がかかるのは、いろいろ売られていて目移りするから・・・というだけでなく、お会計に長蛇の列ができるからだ。ただでさえレジ数が少ないのに加え、要冷蔵・要冷凍・瓶のような割れ物の商品をみんな買い求めるので包装が大変だ。なので、ぜんぜん列が前に進まず、焦ることになる。
米どころ越後なだけあって、お土産の食べ物は米がらみのものがとても多い。ビスケットかと思ったら、「米粉ビスコッティ」と書いてあったり、「さすがにこれは洋菓子だから米は使っていないだろう?」と思ったら、「酒チョコレートブラウニー」だったり(酒とは日本酒のこと)。
これが同じ新潟県でも、佐渡島に行けばひたすら金、金、さらに金という売り場になる。あれもこれも、と八方美人にならなくて済む「強いネタ」を持っている土地はかっこいい。
清酒の銘柄が染められたちょうちんがずらっと並ぶ。酒好きならいやが上にもテンションがあがる光景だろう。あれ?でも、加茂川という銘柄もある。このお酒は山形県の蔵元なので、新潟に限定したものではないようだ。
「越後の醤油お試しあれ!」ということなので、いろいろ醤油を試してみる。
ぱっと見の色が濃いもの、薄いものいろいろあるし、舐めてみると実際にかなり味が違う。面白いものだ。みんなでどの醤油が好みか、わあわあ議論をする。
が、結局何が口にあったのか、特に記憶に残っていない。結局、「醤油単体で舐めただけでは、よくわからんね」という実もふたもない結論になったからだ。醤油を舐める際、刺身をイメージするのか、それとも煮物をイメージするのか、それだけでもぜんぜん意見がわかれる。
それにしても、醤油も「試飲」という表現を使うのだな。「舐める」じゃなくて「飲む」のか。やっぱり醤油の味を理解するためには、ゴクゴクとやるべきだろうか。いや、それは無理だ。
いろいろ買出し中。
このお店には、さまざまな「缶つま」が置いてあるのが面白い。「ウソだろオイ!」という目ン玉が飛び出るような高級缶詰から、「あれっ、缶つまって案外安い缶詰も出しているのだな」というものまでいろいろある。世の中一般的なスーパーだと、代表的な数品程度しか取り扱いがないので、このお店にくると毎度驚かされる。「こんなマニアックな缶詰、よくぞ出したものだ!」と。
今、あらためて缶つまのオフィシャルサイトをのぞいてみたら、まあラインナップがあるわあるわ、あらためてあきれる。ぽん酒館で扱っている膨大な品揃えでさえ、全種類ではないということを思い知らされる。
缶つまの大まかなジャンルだけでも、
・缶つま
・缶つま★レストラン
・缶つまGLOBAL TOUR
・缶つまVEGETAPAS
・缶つまSmoke
・缶つま極
・缶つま熟成
・缶つま匠
・缶つまホルモン
・缶つまプレミアム
と10種類ある。で、それぞれに数種類の缶詰がラインナップされているので、ざっと100種類以上あるはずだ。
マニアックなものだと、「サバのディシジョンマスタードソース」とか、「ラムタン香草焼風」といったものまである。しかし調子に乗ってそういうのをポイポイと買い物籠に入れていくと、高額商品を引きあててしまいお会計のときにギャー、となるので要注意。ものによっては数千円の缶詰もあるからだ。
大きな、福袋のようなものが売られていると思ったら「新潟チップス」だって。米粉で作ったチップスで、ポテトチップス同様にスタンダードな「うすしお味」をはじめとし、「のりしお」「黒こしょう」といった味もある。お土産にするにはかなりかさばるので、要注意だ。かばんにおしこむと、せっかくのチップスがつぶれてしまいそうだ。
カップラーメンも売られている。ははーん、さてはこれもビーフンとかフォーみたいに米で作った麺だろォ?と思ってよくみたら、本当にラーメンだった。新潟を馬鹿にすんな、米ばっかりじゃないわ!とお叱りを受けた気分。
そういえば、新潟って実はラーメンが愛されている土地でもあったっけ。売られ地エルのは、「妙高とん汁ラーメン」と「三条カレーラーメン」だって。へー、面白いもんだね、新潟県内ご当地ラーメン。
ただしお値段は194円。さすがに日清やエースコックといった巨大企業のコストパフォーマンスには勝てない。「お土産」という付加価値がすべてだ。
つけもの試食コーナー。どの漬物も結構うまい。
こうやってきれいに盛られているのは今のうちだ。日曜日の夕方、再度ここを訪れてみたら、見事に喰い散らかされてほとんど何も残っていなかった。
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