鎖と階段でできた山【石鎚山】

山頂方面の山門

11:12
石鎚神社成就社で旅の無事を祈りつつ、どさくさにまぎれて「お金がいっぱい手に入りますように」などとゲスいお願いもしておいた。

さて、ここからがようやく本格的な登山開始だ。朝早くからここまでの一連の流れは、準備運動にすらなっちゃいない。気を引き締めていかないと、ピクニック気分だと思わぬ怪我をするぞ。

石鎚山山頂に向かう道には、山門が構えてあった。ロープウェイの山頂成就駅からの道には山門がなかったことを思えば、山に向かう方面が「正面」ということになるのだろう。あくまでもここは山頂にあるお宮の「出張所」扱いということなのだろうか。

注意書き

11:13
山門には、「ご参拝・ご登拝の皆様へ」という張り紙が張ってあった。ああそうか、「登山」ではないのだな。あくまでも神聖なる山なので、「参拝」であり「登拝」なんだな。

この張り紙には、こんな今風なことが書いてあった。2016年ならでは、だ。

お山での「ポケモンGO」の使用はご遠慮下さい。

神社は神様のお住まいであり、境内は階段や段差も多く、危険な箇所が多々あります。

ご理解の上、マナーを守ってお参りして下さい。

石鎚神社

ポケモンGOが世界的に人気となった2016年夏、あちこちの公園や神社仏閣では「ポケモンGO禁止」「いや、うちはOK」と対応がわかれ、宗教界を巻き込んだ議論になった。この文章を書いている2017年1月時点で既にブームは落ち着き、「今思うとしょうもないことだな」と思えるが、それくらいこの当時はブームが加熱していたし、それによる無用のトラブルを多くの施設などが恐れたものだ。

所詮ゲームの中の話じゃねぇか、と思う。いちいち神様がそんな細かいことを気にすることはないだろう。人間のほうが「よかれと思って配慮しすぎ」なんじゃないかと思う。とはいえ、この山に関して言えば、やっぱりポケモンGOはやめたほうがよさそうだ。なにしろ、修験道の地として栄えた場所だ、生やさしい場所なわけがない。険しい道がこの先待っているに決まっているわけで、そんなところをスマホ画面に首ったけで歩くというのは命知らずにもほどがある。

とはいえ、それもまた新たな山岳修行として成立するかもしれない。「気を研ぎ澄まし、あらゆる方面に注意を張り巡らす鍛錬」とかいって、スマホを見ながらがけの上を走り抜けるとか。

階段を下る

11:13
山門をくぐると、そこからはがっかりするような下り坂。

成就社の場所が、そもそも石鎚山山頂を遥拝できるように小高い場所に位置している。なので、石鎚山本峰に取り付く前に、せっかくロープウェイで稼いだ「あぶく標高」をある程度犠牲にしないといけないのだった。悔しいッ!

案内地図

11:13
登山道脇にあった看板。石鎚山案内地図、と書かれている。

これを見ると、成就社界隈には3軒の旅館があるということがわかった。建物がいくつも分かれているようだが、増改築を繰り返したからだろう。3つもある、ということはそれだけ参拝客が大勢訪れるということだ。たとえば今晩など、泊まっている人はどれくらいいるのだろうか?山奥の神社境内で、静かに一晩過ごすというのは心が落ち着いてよさそうだ。

下る

11:21
がっかりするくらい標高を落とす。

そろそろもういいんじゃないか、と思うが、まだ下がる。

鳥居

11:24
鳥居が見えてきた。

これが成就社の入り口を意味するものなのか、それとも山頂の頂上社の入り口を意味するのか、よくわからなかった。でもたぶん成就社の鳥居だと思う。歩き始めてわずか10分ちょっとだ、もう山頂が近いなんて妄想はよせ。まだまだ先だぞ。

眺め

11:25
雲が多く天気があまりよくない。

賽銭箱

11:25
登山道をふさぐように、お賽銭箱が設置されていた。唐突だ。特に何かほこらがあるわけではない。おそらく、石鎚山山頂を目指すのは体力的に難しい・・・という人が、ここまでやってきてお祈りして帰っていくのだろう。

ステンレスの賽銭箱の中を見てみると、小銭のほかにパック酒も入っていた。こんな奉納もありなのかとびっくり。

登山道

11:28
お賽銭箱があるということは、だらだら続く下り坂も一区切りなのだろう、と思っていたがまだまだ下る。いや、そろそろ登ってくれないと、この後ツケを払わないといけないんですけど。やだなあ。

馬鹿もん、「やだなあ」なんて口が裂けても言うな。ここは修行の地ということを忘れてはいけない。むしろ山頂までの標高差が広がったことに感謝し、「よりいっそう厳しくしてくださり、ありがとうございます」とお礼を言わなければいかん。

センサーがある

11:28
通行人の数をカウントする赤外線センサーが登山道脇に設置されていた。

毎度毎度、このセンサーを発見するたびに「下を潜り抜けてみようか?」「センサーの前を行ったりきたりしようか?」とムラムラするのだけど、さすがに大人気ないのでぐっとこらえている。そうやってセンサーをごまかしても、自分にとって何ら良いことなんてない。

登山道

11:29
まだ下り坂は続く。実は道を間違えていて、気が付いたら麓に下りていた・・・なんてことになったら大変だ。冗談のつもりだけど、さすがに15分近く下り坂が続くとだんだん不安になってくる。

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