終バスまでに下れ【両神山】

登山口

09:59
いよいよ登山開始。両神山荘の脇から続く細い道が、登山道。

登山口には、登山届を提出するポストが設けられていることが多いが、ここは工具箱が置いてあった。

登山、というのは時代に取り残された趣味のような印象かもしれないが、実際は違う。登山届けはスマホで提出できるようになった。だから僕はこういうところで紙の書類を提出しなくなった。

「何を今更」と思うかも知れないが、そういうネット対応ができるようになったのは、つい最近のことだ。そもそも、都道府県によって登山届の書式というのは異なっていて(そりゃそうだ、提出先は警察だからだ)、事前に所定様式を確認するだけでも面倒だった。もっとも、必要事項さえ書いていれば、書式は気にしなくても良いのだけど。

看板

10:00
両神山頂まで5.6km、途中にある「清滝小屋」までが3.8km。

清滝小屋というのは、素泊まりだけできる避難小屋だ。外観写真を見るととても立派で、管理人が常駐して食事付きの山小屋営業をしていてもおかしくない。しかし、そのような形態はとっていない。日向大谷口から7時間で往復できる山なので、メシ付き宿泊までは望まない人が多いのだろうか?ここが営業していれば、僕は敢えて山小屋泊を楽しむため、ここを利用したと思う。そうすれば、無理してド早朝から東京の家を出発しなくて済むし。

沢

10:01
登山道脇にある小川。

鳥居

10:02
石の鳥居をくぐっていく。そうだった、両神山というのは神聖なる山なのだった。名前がまさにそれを物語っている。

「両神」というのは、イザナギとイザナミだったっけ。まさか「天空神ゼウス」と「愛の神アフロディーテ」ではあるまい。

この山は神聖ではあるけど、修験道の地ではないようだ。修行の場となるような荒々しい岩場とかはないのだろうか?

登山道

10:07
ゆっくりと坂を上り始める。まだこの段階では狙いが定まっていない感じで、水平移動中心。いつまでもこの調子でいってくれれば楽なんだけど、そんなことはないんだよな。あるタイミングで、「よし、そろそろお前本気出せ」とばかりに坂がキツくなるに決まってる。そしてそれは清滝小屋から先だ、というのも地形をみればよく分かる。

登山道

10:15
さっそく鎖場発見。

鎖場、というのは山の上の方に行った際のクライマックス的要素なんだけど、あっけなく登山開始15分で出てくるのか。

普通、登山道をこしらえる際、面倒臭い岩場とか崖があったら登山道は迂回させるものだ。なぜなら、山がまだどっしりしているので、いくらでも逃げ道を作りようがあるからだ。山の上の方になれば、逃げ道を作りようがないのでエーイ鎖とかハシゴで一気に登れ、となる。

何故ここに鎖場が。いや、いいんスけどね。でもまだ心の準備ってものが。

頭によぎるのは、先月登った石鎚山。あの「試しの鎖」は今思うと「よく無事だったな」。

あわせて読みたい
鎖と階段でできた山【石鎚山】 2016年の登山シーズンは、6月に筑波山を登頂することで幕を開けた。 https://awaremi-tai.com/hebereke0095.html この後しばらくは梅雨のシーズンとなり、様子見だ。天...

それに比べればこんな鎖場、へーきへーき。

登山道

10:16
ちょっとした尾根を歩く。

登山道

10:27
おっと、分岐が現れた。「会所」と呼ばれている場所だ。ここで両神山山頂を目指すルートは二手に分かれることになる。

分岐

そのまままっすぐ行けば、薄川沿いに遡上していき、清滝小屋経由の両神山頂。

右手に曲がれば、七滝沢コースと呼ばれる沢沿いのルートになる。

登山道

七滝沢コースへ続く道の入口には、「無理な登山はやめよう」という看板が立っていた。

このルートは、清滝小屋経由よりも時間がかかるうえ、かなり危険で遭難が多い場所だ。道幅が狭かったり、完全に草に覆われていてルートがわからないところがあったり、鎖場が多かったり。しまいには落とし穴みたいな段差にうっかり足を踏み込んでしまうこともあるという。濡れた落ち葉が地面を覆い尽くし、滑りやすいとも聞いた。もうとにかく、安易に行かない方がいいよ、というわけだ。

僕はどうも下山時に足を滑らせて尻もちをつくことが多いので、こういう危険なルートは御遠慮させてもらう。怪我はしたくないのでね。

先ほどの行き先案内板に黄色いビニールテープが巻き付けてあったが、それは「この黄色いテープでルートを示しているので、行く先々でテープを頼りに前に進んでくれ」という意味だ。つまり、黄色いテープがなけりゃ、道がどこにあるかわからないレベルっていうわけだ。それはちょっと怖い。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください