終バスまでに下れ【両神山】

沢

10:29
清滝小屋に辿り着くまでの間、薄川沿いに進んでいくことになる。

「川沿いに歩けるなんて、マイナスイオンたっぷりの景色で素敵!」

なんて言わせないぞ。こういう沢沿いの道というのは、確かに風光明媚だけど若干面倒くさい。思った以上にアップダウンがある道、そして頻繁に起きる右岸から左岸への移動。

大抵の沢沿い登山道というものは、地形的に楽な場所を選びたいがために、まるで縫うように川を右へ左へ徒渉させる。今回もまさにそう。足元をぬらさないように注意。立派な橋なんてないので、因幡の白ウサギのように石の上をぴょんぴょん伝っていかないといけない。

登山道

10:35
登山道。

登山道

10:36
眼下に見える川。

こういう時、実際ナマで見た時は川の水面に意識が集中するのでくっきりとした風景に感じる。しかしカメラだと、無機質に周辺の草木も平等に扱うため、後で写真を見ると何が撮りたかったのかさっぱりわからない、ゴチャゴチャしたものになる。

・・・で、この写真は一体何が撮りたかったんだろう?自分でも覚えていない。

登山道

10:38
川沿いの登山道を歩く。比較的まだなだらかだけど、時折ぐいっと傾斜がきつくなる。「理不尽だ!均等な斜度にしてくれ!」と思うが、山に向かってそういう願望を抱くという時点でお前が理不尽だ。

登山道

10:43
まだ標高が低い、樹林帯の中にいるのに岩がゴロゴロしている。川が近いからだろう。浮き石はないので足を滑らす危険はないものの、若干歩きにくい。

登山道

10:47
「うわー、もののけ姫の舞台みたいー」

うるさいうるさい、こっちはふうふう言いながら登ってるんだ。それどころじゃないんだ。

登り始めってのは、体力を消耗していないけど体がまだ慣れていないのでしんどい。登りはじめて1時間経過くらいからが、僕にとってはちょうどいい。それは、「しんどいのー、面倒じゃのー」という気持ちが諦めの境地に達し、ある意味無我になるからだろう。

登山は絶対にメンタルに良いと思う。鬱の人、不安障害の人、おすすめしたい。登山口から歩き始めの頃は、ムシャクシャしている事を思い出していらっときたり、これから先の仕事の事が気になったり、いろいろな思いが去来する。何しろ、ひたすら山の中を歩いているだけなので刺激が少ない。とても内省的になる。しかしそれもだんだんと落ち着き、気がついたらすっと、澄んだ気持ちで、一歩一歩に気持ちを込めながら歩いていけるようになる。それまでの雑念が消えていく。

もっとも、「疲労困憊して、物をあれこれ考える余裕がなくなっているだけ」なのかもしれないけど。それでも、「考えすぎないこと」っていうのは情報過多の今の時代、とても大事なことだと思う。

登山道

10:58
薄川の左岸に渡り、上っていく。

水分補給

11:07
水分補給中おかでん。

写真だけ見ると穏やかな登山道のようだけど、こうやって写真を見るとかなりしんどそうな顔をしている。疲れさせる道だったらしい。

石鎚山のときはコンタクトレンズにサングラス姿だったけど、今回は眼鏡のまま。コンタクトにもサングラスにも慣れていなかったため、今朝身支度する際にすっかり忘れていたからだ。

糖分補給

今となってはあんまり覚えていないんだけど、糖分補給に勤しむあたり、かなりヘトヘトだったらしい。ザックから取り出したのは、松之山温泉で買った「山ぶどう羊羹」。「のっとれ!松代城」に行った際に買ったものだ。既に半年が経過しているわけだが、賞味期限は見なかったことにしよう。

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