テンション上がるゥ!激安温泉宿に溺れてみる【塩原温泉ホテルおおるり】

部屋に向かう

11:42
浴衣と鍵を手に、部屋に向かう。この時間に部屋に荷物を置けるというのは、ほんとうにありがたい。

バスから降りてきた客が、次から次へと部屋へと向かって行く。

効率重視を考えるならば、情け容赦なく「チェックインは15時からです。それまではどっかで過ごしててください」とした方がラクだ。昼前からフロントを開けて来場客の対応をしていたら、常に誰かがフロントに張り付いていないといけなくなる。

出入り自由のカードキーというわけではないので、外出するときは部屋の鍵をフロントに預けることになる。また、戻ってきたら鍵を渡さないといけない。

ここもコストカットしてはどうか?という議論は当然あったはずだけど、結果的に残すことにしたのだろう。

なお、後で知ったことだけど、おおるりグループの宿で働いている従業員のほとんどは社員ではなく、パートなのだそうだ。まるでフランチャイズの飲食店のようだ。

廊下

部屋に通じる廊下。

温泉旅館にありがちな、赤くて薄いじゅうたんが敷いてあるようなことはない。若干殺風景に感じるが、それは僕が「この宿は格安宿なんだ」という先入観でモノを見ているからだろう。

「じゅうたんは掃除が手間だから、省略しました」などというコスト削減ストーリーを勝手に妄想している。本当かどうかは知らん。

ただ、いずれにせよ「格安宿として最初から誕生した建物」ではない、というのは明らかだ。立派な造りをした建物で、これが一泊二食で6,000円もしないとは、到底思えない。

窓からの光景

窓から正面玄関方面の外を眺めたところ。

なんか唐突に宿と駐車場が建っている、という風情。

視界の左隅に、大きな宿が見える。ここが、先ほどバスが立ち寄った「ニュー八汐」。おおるりグループの宿の一つだ。かなり近い。

「大きな宿同士、こんなに近いとお互いの宿で客を食い合うのではないか」

という発想になりそうだけど、むしろスケールメリットを追求しているっぽい。同じ「湯けむり号」で都心から送客ができているわけだし。

下駄箱

部屋の中に入る。いやあ、ワクワクするよな。

特にこういうジョブチェンジに近いことをやった(と思われる)宿の場合、どういう工夫がされていたり、昔の余韻が残っているのかを見るのが楽しい。

だからといって、部屋に入ってすぐ、玄関部分の写真を撮るというのは我ながらどうかと思う。これを撮るか?と。ワクワクしすぎだろう、お前。

玄関脇には洗面台があった。後で紹介するが、ユニットバスにも洗面台があるので、この部屋にはなんと2カ所も!洗面台があることになる。なんて豪華なんだ。朝、夫婦や親子でバタバタしているときに、洗面台渋滞を起こさないで済むじゃないか!

発想が庶民的すぎる。

室内

部屋にずずずいと足を踏み入れてみる。この瞬間が、旅行でもっとも興奮するときだと思う。次点で、夕食会場に入った時かな?

ほう!

思わず感嘆の声を上げる。ちょっと変わった造りの部屋だからだ。

畳の部屋に、ベッド。そうきたか。

畳の部屋にベッド

ベッドの方が、従業員さんの布団の上げ下げの手間が省ける。ご覧の通りチェックイン時に既にベッドメイキングは終わっているし、押し入れに布団を出したり入れたりする手間が省ける。非常に合理的だと思う。これぞまさにコスト削減だ。

それにしてもこの部屋、「何畳」と呼ぶのが正しいのだろう?ちょっと変わったサイズの畳が敷いてある。一人暮らしのワンルームマンションよりは広いけど、やや縦長の部屋の造りだ。

ベッド下

ベッドに関しては、思いっきり「コスト重視です」感が出ている。

ビジネスホテルのベッドと違い、すごくシンプルなベッドフレームになっている。それもこれも、マットレスを敷くのではなく、あくまでも「布団」をベッドの上に載せているからだ。

ベッドの脚は細い。下がスカスカだけど、これはお客様の手荷物をここに収納できます、という意味だろうか。

若いカップルがベッドの上でハッスルしたら、脚がボッキリ折れてくの字に折れるかもしれない。あんまり派手なことはしちゃいかん。

ちなみに冗談みたいな話だけど、僕は自宅のスチールパイプのベッドをくの字にへし折ってしまったことがある。そんなにハッスルしたつもりはないのだけども。

押し入れ

もともと和室だったので、押し入れは健在。

ただし、ベッドがぴったりと寄せられているので、普段使い用ではない。

開けてみたら、予備の布団が入っていた。

シーツに血

シーツを見てみたら、鼻血なのか、血痕が。しかも、別の布団とあわせて何カ所か。あまり気持ちの良いものではないが、こういうのも笑って済ませないといけないのだろう。

しかし、どうやったらこんな血が布団のシーツに付くのかね。

床の間

床の間には、絵をかけるためのフックがついているけど、絵なんて贅沢品は不要なのです。省略。テレビもとても小さい。

でも、僕なんて旅先では敢えてテレビを一切見ないようにしているので(せいぜい天気予報を見る程度)、こういうところのコストカットは大歓迎だ。なんなら、「テレビ無しの部屋でよろしければ、宿泊料金を100円引きにします」っていうプランがあってもいい。

空調

この手の空調は相変わらずあるのだな。

とても大きいけど、これくらいのサイズじゃないと役に立たないのだろうか?いつ見ても不思議だ。全館空調なんだろうから、風力調整をするだけの機能の筈なんだけど。

ポット

湯沸かしポット。

これは・・・わざわざ写真を撮るまでもなかったな。

隣の部屋とは筒抜け

ちょっとびっくりしたのが、ベランダの光景。

おおう、隣との行き来が自由じゃないか。まるで開放廊下のようだ。

一応、横向きの棒がお互いのテリトリーを主張しているけれど、なんとも緩やかで性善説の賜物だ。

これ、素っ裸でふすまを開けて、「いやあ眺めがいいな」なんてくつろいでいたら外から見られるかもしれん。大の大人が隣の部屋をのぞき見なんてしないかもしれないけど、ちびっ子が喜んじゃって、ここを端から端まで全力疾走するかもしれないし。

用がない限りはふすまを閉めておこう。

(つづく)

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