13:31
14時過ぎに貸し切り風呂の予約を入れてあるので、それまでの間は軽く温泉街を散歩してみることにした。
塩原は「温泉郷」と名前がついているように、端から端まではかなり広い範囲がある。いくつもの温泉が連なっているからだ。しかし、「温泉街」としてお散歩に向いているのは、さほど広くはない。かといってぎゅっと狭いわけでもなく、散歩をするにはちょっとした距離感で楽しい。冬には歩きたくない距離だけど。
お寿司屋さんが通り沿いにある。
さすがに、寿司専業としてやっていくのは大変なのだろう。「うどん・そば」だけでなくラーメン、そして一品料理も取り扱いがある。店頭には、「冷やし中華」の看板も出ていた。もう、それだったら「食堂」という名前で良いのではないか、と思うが、それを言っちゃあダメだ。
なお、店頭看板といえば、「ランチ寿司」という文言もちらっと見えた。
「ランチ」というのはすっかり日本語として定着しているんだな。SUSHIというジャパニーズトラディショナルっぽいフードでも、「ランチ」という表現を使う。
ピンク色の壁面がちょっとだけ目立つ宿がある、と思ったら、ややや!これも復興御宿だ!!
こっちは「塩原秘極の宿 紅」と記されている。なるほど、先ほどの宿とは「葵」と「紅」の違いなのだな。1号館、2号館みたいなものか。
謎の宿名「富双江葉大馬」については、公式サイトを探していたらようやく名前の由来がわかった。
福島県東部沿岸地域の地名「富岡町」「双葉町」「浪江町」「楢葉町」「大熊町」「南相馬市」より1文字ずつ引用
なのだそうだ。へー。で、結局読み方はわからないままだ。公式サイトのURLは、「fuso-travel.com」。最初の漢字二文字は「ふそう」と読むところまではわかったぞ。後はなんだ?えばおおうま?こうようだいば?
箒川をまたぐ川沿いから、塩原イチの巨大温泉旅館・ホテルニュー塩原を見上げる。
でかいなあ、もう。いったい客室、どれだけあるんだ?
崖の上に見える本丸御殿だけでなく、右手前の川沿いにも別館みたいな建物があるし、川に橋がかけられていて、左側の対岸にも建物がある。アカン、これはアカン。「探検しがいがある宿」というヤツや!
メンタルの調子が優れないから、温泉療養・・・というちょっと前の僕がやってた温泉療養シリーズで、こんなところを訪れていたらきっとますます調子を崩していたはずだ。隅々まで探検しないと気が済まず、ますます疲れるパターン。なにしろ、増改築アンド立体的な作りなんだから。
大江戸温泉物語グループになったということで、比較的安く泊まれるはずだし、老朽化した施設は一部リノベーションされているはずだ。
手前のB&H館というのは、ずいぶん年季が入っているっぽいけど一応「新館」という扱いらしい。何の略だ?と思ったら、「Beauty & Healty」の略らしいぞ。
中央の本館部分のたもとからは滝が箒川に流れており、なかなかの迫力だ。
連絡橋で本館と繋がっている、ホテルニュー塩原もう一つの建物。「湯仙峡」。
えーと、これは廃墟かな。
いや、うかつなことを言ってはいかん。ホント気をつけないと、営業妨害になるから。
見た目、ここの入口は使われていないように見える。ガラス張りの玄関が見えるのだけど、人の出入りができそうには見えない。建物自体も、それなりに歴史を感じさせるものだ。
しかし、後でこの旅館の館内図をネットで見つけて調べてみたら、ここにはちゃんと客室があって稼働しているし、なんなら大浴場はこの建物内にあるらしい。あぶねー、バリバリの現役じゃん。
ただ、フロントは本館側に機能を移してるようで、この建物からの直接出入りはできないっぽく見える。たぶん。おそらく。
13:35
めろん亭、という天然酵母のぱん屋さん。
かんろの郷・水車というお店。
掲載しておいて言うのもなんだが、どうして写真を撮ったのか全く憶えていない。
ここでもスープ入り焼きそばが食べられますよ、ということの備忘録だろうか?
13:36
温泉街には立派なお寺がある、ということがよくある。ここもそう。妙雲寺だって。立派な山門がそびえる。
13:39
このまま歩き続けていたらきりがないので、Uターンして宿に戻る。
途中、温泉街を走る「トテ馬車」とすれ違った。この御者さんが警笛として持っていたのが「トテ」で、その形を模したクレープ状の食べ物が「トテ焼き」だ。
女体像があったので、似たようなポーズを撮ってみる。うん、いまいち。特に表情が。
13:43
温泉まんじゅうを売っているお店があった。でも、さっき宿のお茶請けで温泉まんじゅうを食べちゃったので、もういいや・・・という気分に。惜しい。
古い和菓子屋がある。
よく言えば古い、悪く言えばぼろいというかちょっと汚い印象を受ける。あっ、余計なことを言ってしまった。
「くりくり坊主」というのが売りらしい、そう看板に書いてある。
なんだか色あせているショーウィンドーで、食べ物を売っているお店には見えない。そんな中、何か巨大な塊が見える。ダルマが間に挟まっているというシュールさがかすむくらい、その「塊」の存在が気になる。何だろう?
近づいて見たら、超巨大な栗・・・を模したお菓子?お菓子のサンプル?だった。
どうやら、これが「くりくり坊主」らしい。いや、くりくり坊主の巨大なサンプル?よくわからない。
どちらにせよ、飼いたいと思わなかったので、パス。もう少し清潔感があればまだしも・・・。
箒川がある谷底から、谷の上に向けて坂を上っていく。
途中、これはさすがに廃墟だろう、という建物を見かけた。さすがにどの温泉地でも、廃墟旅館はある。
さりげなく存在する、地元民向けの共同浴場を発見。もちろん看板も何も出ていない。
カットサロン「女髪(めがみ)」だって。すごいあて字だ。
これも廃墟・・・かな?
13:51
坂を登り切ったところに、おおるりグループの一つ「ニュー八汐」。ここもデカいなあ、もう。
でかいからこそ、おおるりグループ傘下に入ったのだろう。
ニュー八汐の向かいにあるお土産物屋さんは繁盛しているようだった。
湯けむり号でやってきたはいいけど、暇を持て余している客を相手に売上げが立つのだろう。
僕らみたいに、てくてく温泉街を散歩できるならいい。でも、ご高齢の方など、歩き回るのが得意ではない方にとってはそれはしんどいことだ。だから、近場でお土産が買えたり食事ができるなら、それに超したことはない。
大きな病院の目の前にある、いわゆる「門前薬局」みたいなものだな。
そんなお客さんを相手にしているからか、このお店の閉店時間は16:40だった。こんなに早く閉店する、観光地の土産物屋というのは初めて見た。
(つづく)
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