天城ィィィごォォォォ(以下自粛)【天城山縦走】

バスが来た

07:54
07:55発、天城高原ゴルフ場行きのバスがやってきた。天城山への登山口は、ゴルフ場から一つ手前のバス停で下車することになる。一つ手前、といっても、わざわざバス停を作るまでもないような距離しか開いておらず、「ほぼ、始発から終点まで乗り通す」ことになる。

乗客の多くは、登山の格好をしている。ゴルフ場行きなんだけど、ゴルフの格好をしている人は、ゼロ。そりゃそうだ、「バスに乗ってゴルフをしにいく」という人を僕はこれまで見たことも聞いたこともない。

もっとも、僕が新入社員のとき、「通勤電車に乗ってゴルフコンペに参加した」ことはある。ゴルフ宅急便の存在すら知らなかったので、ゴルフバックを背負い、常磐線に乗り、取手駅からてくてく歩き、利根川の河川敷にあるゴルフ場に行ったっけ。確か、それが僕の人生で最後のゴルフだったと思う。ウンザリしたからだ。

バス出発

それはともかく、バスは定刻7時55分に出発。伊東の温泉街を通り抜け、天城高原へと向かっていく。

「天城高原」という場所、というか名称は、東急が開発したリゾート地だ。なのでこのバスも、東急が運行するシャトルバスという位置づけになっている。

大室山

08:21
途中、大室山の脇を通過。

この山は「小富士」と呼べるくらい、きれいな富士山型をした山だ。しかも、山焼きをしているので、木が生えておらず、山のシルエットがより際立つ。

段ボールでソリを作って、山頂から滑り降りたいという気になる。でも、そこまでなめらかな山肌ではないんだろうな、きっと。

もちろん噴火の跡なのだろう。昔はここから溶岩がドクドクと吹き出していた、というわけだ。今となっては全くそんな気配はない。こういう自然があるからこそ、この界隈には温泉が豊富なのだろう。

そういえば今回の山歩きだけど、下山時に温泉を楽しむ余裕はない。天城峠に下山しても、そこには温泉がないからだ。バスに乗って修善寺駅に向かうけど、修善寺駅と修善寺温泉は別の場所にあり、立ち寄る時間的余裕はなさそうだ。

温泉様は、山登りをやる人の都合までは考えてくれていない。残念。

伊豆高原

08:40
天城高原の看板が見えてきた。

場所としては、伊東から随分南西にある。これだったら、伊豆高原駅からバスを運行したほうが早いのに・・・と思うが、運行する側にも都合があるのだから文句を言ってはいけない。なにしろ、伊東駅の近くにも、東急のリゾートホテルがある。このバスは、伊東のホテルと天城高原のホテルをつなぐ、という位置づけでもある。

東急ハーヴェストクラブ天城高原、というらしい。

1,000万㎡の敷地を誇り、360度の展望が開けるのだという。360度?ということは山のてっぺんにでもあるというのだろうか。いやいや、それだと登山にならない。甘い期待を持ってはいけない。

ホテル

08:42
ホテルが見えてきた。広々した高原の中に、こつ然とそびえる建物で唐突だ。

なるほど、たしかにここの上層階なら眺めは良さそうだ。

ホテルの車寄せのところで、バスはいったん停車した。

ドアが開く。

誰も乗り降りしない。

しばらく無言が続いたのち、ドアはしまり、また出発した。この時間から「さあ、ゴルフやるぞー」という人はいないのだろう。それから、登山やるぞー、という人も。

ゴルフ場バス停

08:50
定刻通り、目指すバス停にやってきた。天城高原ゴルフ場の一停留所手前、「天城縦走登山口」バス停。

位置関係としてはこんな感じ。

行き止まり

バスから降りて、戸惑う。

登山口の看板が見つけられなかったからだ。

さっそうと、登山客の先陣を切って下車した僕だったが、さっそく戸惑っているので後続の人たちも若干あたふたしはじめた。

ええと。どこにあるかな。

目の前には、ロータリー。

このロータリーを回ったところに、ゴルフ場のセンターハウスがある。なので、ガイド本によっては、「バスで終点のゴルフ場まで行って、そこから登山開始せよ」と書いてるものもある。実際は、一つ手前にバス停があるのでそこで降りるのが正解。数十秒分のおトク情報。

登山口

若干ギクシャクして、右手と右足を同時に前に踏み出すような真似をしてしまったが、ほどなく登山口を発見した。

「天城縦走路入り口」と書いてある看板があった。

車道から一段下がったところに看板があったので、見つけるのに時間がかかってしまった。

登山口の看板

08:51
写真左あたりにバス停がある。なので、そんなにトリッキーな場所に登山口があるわけじゃないので、心配無用。

さて、ここからが登山道だ。おまたせしました、俺。

まず目指すは、天城山の中核をなす山の一つ、「万二郎(ばんじろう)岳」を目指す。ここから2.3キロメートルなので、さほど遠くはない。1時間もかからないから、ウォーミングアップがてら、一気に登ってしまおう。

現在地は標高1,050メートル。万二郎岳は1,299メートル。150メートル程度の標高差だ。

ちなみに天城山系で最も標高が高いのは万三郎岳で、こちらは1,405メートル。今回の山歩きは、アップダウンはさほどきつくないことが予想されている。

地図

天城山縦走路、と書かれた地図。

これは南北が逆になっているので、南が上に描かれている。そして、現在地は、地図左下だ。ここからずずずーっと右上の方まで、赤い線で記された尾根を伝って歩いていくことになる。ゴールは、はるか先だ。

ただ、幸い天城山界隈は里山として結構林道や山道がある。エスケープする道は多いので、何かやばいことがあったら離脱は可能だ。ただし、縦走路からエスケープしたって、エスケープした先がとんでもない山奥で、結局民家なんて何一つないのだけど。

多くの登山客は、このゴルフ場を起点・終点にして、万二郎岳から万三郎岳へ、そして縦走路とは違う道を通ってまたゴルフ場へ戻る、というルート設定にしていると思う。縦走路は、難易度こそ低いものの「んっ?」と一瞬怯むほど距離があって時間がかかるので、好き者だけの世界だ。

バッジも売ってます

ゴルフ場の受付にいくと、「天城山登山記念バッジ」が購入できるのだそうだ。

登頂したかどうかは、問われないらしい。

こういうバッジをほしいと思ったことが一度もないのだけど、良い記念になると思って買い集めている人もいあるのだろうな。スタンプラリー的趣味である「日本百名山登頂」に、さらに「バッジやらなんやら、証拠となる品を集める」というスタンプラリー的趣味を重ねる。面白いとは思うけど、お金がかなりかかりそうだ。

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