11:58
刀掛の松は、ちょうど登山道の分岐になっている。
ここから3方向に、道が延びている。
正面が山頂方面、左が行場、右が大剣神社に通じる道。
大剣神社は、下山ルートとして立ち寄ってみるつもりだ。ここは、真っ正面を進むことにする。
刀掛の松から大剣神社に通じる道は、あまり歩かれていないようだ。下草と笹は刈り取られているけど、道がほんの僅かに不明瞭になっている。
しかし、狛犬が両側に鎮座していて、しっかりとこの先に神社があることを示していた。
一方、行場に向かう道はしっかりとしている。
ただし、入口のところに大きく注意書きの看板が出ていた。
一部一方通行の場所がある、ということと、ここから先の事故については救助を期待するな、という内容だった。
リフト乗り場の職員はあてにするな、仲間で助け合え、そもそも剣山には山岳救助隊はいないぞ、という警告。
いちいちごもっともだ。山頂に向かう道ならともかく、行者さんが修行する場に面白半分で出かけて行って、怪我なんてしちゃいけない。
しかし、確かに魅力的なルートではあるんだよな、行場界隈って。いちいち地名がそそられる。
「千筋の手水鉢」「蟻の塔わたり」「胎内くぐり」・・・。そして、神社が2つに、お社が一つ。
地図に書かれた距離を見ると、数十メートルおきにそういう場所が点在しているようだ。いいねえ、気になる。でも、今日の僕はやめておく。人(兄貴)が麓で待っているし、天気が良くないし、ヘルメットなどの装備がない。
12:10
尾根道をそのまま進む。
よく整備された、心地よい登山道。
信仰の山、というのはよく整備されているものだな。以前石鎚山に登ったときもそう思ったが、ここもそう。
12:11
感心しているうちに、あっという間に鳥居が見えてきた。木で作られた鳥居。
「剱山本宮」と書かれている。
あれ?もう山頂が近いの?
12:12
そんなバカな、登り初めてまだ25分程度だ。ちょっと早すぎる、と思ったのだが、こっちの都合お構いなしでなにやら山小屋が見えてきた。
山頂下にある「剣山頂上ヒュッテ」らしい。
いや、その剣山頂上ヒュッテの手前に、別棟として神社があった。
剱山本宮、と書かれたお宮があった。
お宮よりも、お札売り場の方が大きいという建物。
なんでこんなところに?なんで山小屋と並んで?と不思議だ。普通、神社というのは山頂に作るものだからだ。
しかし、どうやらお宮の裏手にごつい岩が見えるので、この岩を祀っているらしいことがわかる。道理で狭いわけだ。
12:14
神社と山小屋の間に、狭い階段があった。山頂を目指す人は、ここを通り抜けていけ、ということらしい。
この狭さ、まるで離島の漁港の近くにある民家同士の隙間みたいな感じだ。
(つづく)
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