ハタケ仕事と山登り【羊蹄山】

さすが小樽だ、建物がいちいちかっこいい。

武家屋敷とか宿場町とか蔵屋敷とか、江戸時代を思わせる建物群というのは国内あちこちにあるけれど、こういう洋風建築がしれっと立ち並ぶ光景はちょっと他に類を見ない。

きっと僕が女性なら、もっとはしゃぐんだと思う。「すごいすごいすごい!」って。でも、悲しいかな僕おっさんなのよね。「ほーう、なかなかやるねぇ」とどこか上から目線というスタンスを崩さずにいるのが、むしろダサいという自覚を持つ。

このあたりの建物でも象徴的なのが、火の見櫓みたいな塔がついている洋風建築。LeTAO(ルタオ)だ。

こっちは「小樽オルゴール堂」。

手前だけでなく、奥までずっと長い建物。

オルゴールだけで商売が成り立つ、ということにびっくりする。なんてぇ広さだ、このお店。そんなに日本人は、観光客は、オルゴールって好きなんだっけ?我が家なんてオルゴールはまったく置いていないけれど。

思い返してみる。

20代前半の頃、まだ20世紀の頃。僕はPCゲームにドハマりしていたのだが、その時からオルゴールというのは好きではなくなった。というのも、「はいここ、感傷的なシーンですよ。泣きポイントですよ」というシーンになると、ゲームのメインテーマをオルゴールアレンジした曲がポロリンポロリンとスローテンポで流れる、というのがお決まりだったからだ。

そのせいで、「オルゴール=安易な手法」というイメージを僕は意識してしまい、今に至る。ああ、あと、YouTubeとかで名曲を探していたら、著作権の関係で原曲は見つからないんだけれどオルゴールバージョンなら見つかる、なんてことも多かったな。そのせいで、「ちっ、オルゴールかよ」というイメージも持った。

しかし世間はどうだ、そんなおかでんの浅ましい心を慈愛の心で満たすがごとく、ここにはオルゴールが満ち溢れている。そして、観光客も大勢訪れている。これが現実だ。お前、心が汚れてるぞ。オルゴールの音で浄化されたほうがいいのかもしれない。

でも、オルゴールを家に置いて日々癒やされるくらいなら、まだそのお金で刹那的にマッサージ屋に行って首肩背中を揉んでもらったほうがいいや、と身も蓋もないことを考えてしまった。駄目だな、貧すれば鈍する。ストレスに満ちた日常に慣れすぎて、オルゴールの音がぜんぜん耳に入ってこない。

14:14
駐車場に戻り、車を出発させる。

小樽といえば運河を見て楽しむのが定番なのだろうけど、運河は素通り。

観光してもよかったのだけど、雨が降っているし駐車場がぱっと見て見当たらなかったし、スルーした。晴れてれば、「せっかくなんで」と立ち寄っていたかもしれない。

きっと、さっきの洋風建物群と、極めつけのオルゴール館ですっかり「観光地」の空気にあてられてしまい、もうお腹いっぱいになっちゃったんだと思う。最初っからそのつもりならまだ耐性があったと思うけれど、なにしろ本来なら羊蹄山に登っているつもりだったから・・・このギャップは、大きい。

14:33
小樽の運河を素通りして先を急いだのは、まだまだニセコの今晩の宿まで先が長いからだ。温泉が待っているだけじゃない、僕が愛してやまない「宿のビュッフェ」がある。そろそろ、ニセコに向けて移動開始しないと。

でもその前に、あともう一か所、立ち寄りたいところがある。せっかく小樽まで来たなら、もう少し足を伸ばして、余市に行きたかった。ニッカウヰスキーの蒸留所がある場所だ。もちろん、ウイスキー工場の見学を目論んでいる。

酒が飲めない人なのにウイスキー蒸留所に行ってどうするんだ?と思うけれど、いやまあ、内容がなんであれ工場見学というのは楽しいものだ。

14:38
国道5号線を走る。

国道5号線は、函館から札幌に通じる基幹国道で、ちょうどニセコや余市、小樽を経由していくルートになっている。

車は余市町の中心部に入ってきた。

北海道の町並みは、のどかで雄大。

ニッカウヰスキー余市蒸留所に到着。

敷地手前にゲートがあり、「NIKKA WHISKY」と書かれたアーチが来場者をお出迎えしてくれる。この光景を撮影しようと車を路駐させカメラを構えたが、アーチの下に白い服を来た警備員さんがいて、僕の方をじっと待ち構えている。いや、お出迎えしてくれている。いかん、写真なんて早々に切り上げて早く警備員さんのところに行かなくては。

慌てて撮影したので、写真の水平が取れず大きく傾いてしまった。

(つづく)



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