ハタケ仕事と山登り【羊蹄山】

暇に任せて部屋に置いてあったマッサージのメニュー表を見ていたら、俄然ヘッドマッサージを受けてみたくなった。

「60分の全身マッサージを受けるのは罪悪感があるけれど、20分のヘッドマッサージなら・・・ね?」

なんて意味不明な正当化が自分の中で行われる。

マッサージを受けたことがある人ならよく知っていると思うが、マッサージというのは「施術者の拘束時間に応じて値段が決まる」というわけではない。たとえば、「10分=1,000円」という単純明快なタリフではない。

理由はわからないけれど、全身マッサージよりもヘッドマッサージの方が、高い。なんでやねん首と頭だけ、狭い領域のマッサージなんだから楽だろう?と思うけれど、世の中一律そういう値付けになっている。くそう、完全にこっちの手の内を知り尽くしてやがるぜ。僕自身、一番首と頭をマッサージしてほしいんだよな。つい財布に手が伸びるぜ。

なので、「60分のマッサージを我慢するけれど、かわりに20分のヘッドマッサージならOK」というのはお財布的にまったく意味のない論理なのだけど、つい。

・・・つい、って、頼んじゃったんか。

はい。ちょっと気が緩んじゃった。今日一日、予想外のガチ観光を朝から晩まで楽しみ、北の大地の美食に明け暮れたので。でもね、身体はゆるんだけど頭がまだ弛緩していない気がしたんですよ。これはバランスが悪いなあ、と。

悪いなあと、じゃねぇよ。

マッサージサロンに電話をして、「ただいま混み合っておりまして、○時○分からでしたらお取りできるんですが」などと言われたら「あ、じゃあいいです」と断るつもりだた。でも、あっけなく予約が取れちゃったので、つい。

21:44
マッサージを終え、すっきりしてノンアルコールビールを部屋で飲むおかでん。

ヘッドマッサージ、完全に油断していたッ!たかが20分。施術者がゴソゴソやっているうちに時間はどんどん浪費され、あっという間に終わると思っていた。そして、「じゃあ始めますね」と言われて頭蓋骨をぐっと押された時、「違うんだよなあ」と思った。

違う、それは単に骨を押しているだけだ。全然気持ちよくなんかない。やっぱり肩や背中のように「ぐいっとツボを押し込むと、筋肉の奥の方から悦びが泉のごとく湧き上がってくる」とはいかないんだな、と思った。

そのまま施術者はぐいぐいと頭をさする。違うんだよなあ、やるなら、頭皮と頭蓋骨が剥がれるくらい、ゴシゴシとずらしてほしいんだよなあ、刺激が・・・刺激が・・・

気がついたら、寝ていた。

しまった!わずか20分という短い時間なのに!悔しいッ!

なんでやねん、頭だぞ。人間の急所だぞ。そこをわさわさと触れていて、どうして寝てしまうんだ。しかも、「ああそこそこ!そこはいいなぁ」なんていう勘所に触れた感じもないのに、気がついたらトロリとしてきて、寝てしまった。恐るべし、ヘッドマッサージ。

くっそう、僕に巨万の富があるならば、毎日ヘッドマッサージを受けたい。家にマッサージルームを一部屋作って、そこで日替わりであらゆるマッサージの人に来てもらって、あれこれ受けたい。

マッサージが終わってもまだ21時40分。夜は長い。僕が一人旅を愛するのは、この夜の長さだ。宿メシは18時とか19時からなので、その後寝るまでにたっぷりと時間が残されている。都会の日常生活ではこうはいかない。また、仮に早く晩御飯を済ませたとしても、やれ家事が残ってるとか、撮り溜めされているテレビ番組をみなくちゃ、とか慌ただしい。それが旅先だと、物理的に不可能なのでおとなしくするしかない。

優雅に、明日の計画を立てる。タブレットを見ながら。

今回の旅は、スマホ、タブレット、モバイルバッテリーを持参している上に登山装備まである。「優雅」どころか、ノマドワーカー状態だ。せめてもの抵抗ということで、PCは持参しなかった。

さて・・・今日の羊蹄山に続いて、明日の樽前山登山も駄目になりそうな気配。「ひょっとしたら登れるかもしれない」という可能性も残しつつ、駄目だったときの対策を考える。そんなことをしながら、24時過ぎに就寝。

2017年9月19日(火) 4日目

07:30
北海道4日目。のんびりと起床。樽前山登山だろうがやけくそ観光旅行になろうが、どっちにせよゆっくりめの出発で大丈夫だ。

窓の外を見ると、羊蹄山が見えた。美しい山容だ。富士山よりも、さらに美しい。ただ、山の上には雲がかかっていて、怪しい雲行きだ。今日も、不安定な天気になりそうな予感。

朝食を食べに行く。朝風呂をガッチリと楽しみ、身支度も済ませた上での朝食なので、時間がずいぶん遅くなった。昨晩と比べて、空いている感じがする。

しかし、昨晩ほど「わーーー、ビュッフェだーーー」という高揚はなかったようだ。その証拠に、料理写真はこの1枚だけ。もう写真を撮るのに疲れたんだろうな、昨晩で。人の肩越しに料理の写真なんて撮ってたら駄目だ、いずれ怒られる。

で、なんでこの写真だけは撮影したのかというと、ホットサンドメーカーが置いてあったからだ。ホットサンド!その発想はなかった。

そういえば昨日菊地珈琲でホットサンドを食べたけど、カリッとしたホットサンドなら毎日でも食べたい。というわけで、嬉々としてホットサンドをこしらえた。

本日の朝食。

手前が洋食で、それに飽きたらなかった少年おかでんは和食エリアに再突入、和食も一式取ってきたのだった。

ホットサンドがあるんだから、ご飯は取らなくてもいいのに・・・と我ながら思う。これが白米だったら取らなかったのだけど、だって炊き込みご飯だから!

あれ?同じ言い訳を昨晩もしたような気がする。で、ご飯を取ったからにはお味噌汁も取る。

ローアングルで料理を撮影すると、和食エリアの料理がすっかりピンぼけしてしまう。なんだこの遠近感。別にわざとらしい撮影の仕方をした結果ではなく、こうなっちゃうボリューム感なのだった。

朝ごはんはもちろん満喫したのだけど、相変わらず気になるのが今日の天気だ。

あれ、防災速報がスマホに届いたぞ。「豪雨予報」だって。倶知安町っていったら、今自分がいるところだ。あー、今日も雨かー。

09:41
チェックアウトして外に出てみたら、雲行きは怪しいけど晴れ間が見える。

出発前に、宿の前で記念撮影。

へっぴり腰になっているのは、三脚にカメラをセットし、セルフタイマーにしてからダッシュしたからだ。安物の三脚を使っていると、首の部分がグラグラするものだ。なので、セルフタイマーをセットしてカウントダウンが始まってからも画角の微調整を行っている。結局、残り5秒くらいになってダッシュする羽目になり、こういう結果に終わる。

「シャッターがおりる瞬間めがけて『北海道サイコー!』と叫びながらご機嫌にジャンプしたけれど、タイミングがずれた」

というなら楽しいけれど、実際はそんなことはなくハアハアしながらへっぴり腰になっている。見ろ!これが「盛っていない」リアルな男の生きざまだ!むしろこういう写真をきっちり残していることを誇らしく思う。自己満足だけど。

09:47
それはともかく、まだ一縷の希望を残している樽前山はどうだ?

・・・うーん、カーナビのVICS情報でも、相変わらず通行止めは解消されていなかった。昨日よりも不通の道路は減っているけれど、肝心の樽前山登山口に通じる道がふさがっている。これはもういかんともしがたい。

VICS情報はひょっとしたら古いのかもしれない。

まだ未練がある僕は、ネットで道路情報を探してみた。すると、国土交通省が作っているサイトで「北海道地区道路情報」というのを発見した。これなら、最新の情報が嘘偽りなくのっているだろう。

で、見てみると、あー、やっぱり駄目だった。樽前山の東側を通る道路は、VICS情報通りに不通。やっぱり、無理だった。

結局今日も、一日観光を楽しむ日ということに決まった。いやー、優雅なご身分になっちゃったなあ。

山に登る気満々で、登山の格好をして車に乗り込んでるのに(先程のセルフタイマー写真参照)。アテが外れちゃった。

支笏湖の湖畔で、恨めしく樽前山を見上げて半日過ごす、ということも考えたけど、別プランで行くことにした。目指すは、洞爺湖。

空港からは遠くなるので、ちょっと心配なルートではある。でも大丈夫、無駄に飛行機は遅い時間の便になってるから。

このあと、羊蹄山の東山麓にある湧水所、「ふきだし公園」に行き(カーナビ写真の1番)、札幌市との境、中山峠に立ち寄って(2番)、道中にある「きのこ王国」できのこの天ぷらを食べて(3番)、洞爺湖に寄って(4番)、そこから高速道路に乗って新千歳空港を目指す。

そんな一日になる予定。すごく欲張りなルートを選択したけれど、カーナビ上の所要時間は3時間49分。「北海道は広いので、移動に時間がかかるものだ」と最初っから腹をくくっているので、「なんだその程度か」という納得感はある。途中で事故渋滞とかなければ大丈夫。安全運転で無事に東京に戻ろう。

(つづく)



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