11:39
「ぽん酒館」でちょっとした買い物を済ませたあと、すぐに越後湯沢駅を脱出する。
今回、お昼ご飯はレンタカーを借りてから食べに行く予定だからだ。
駅の外に出ると、そこは雪山。
とはいっても、木々の上にまで雪が積もっているほどではない。山が黒々として見える。
「昨年と比べて雪はどうなんだろう?」
「昨年よりは多いかな?」
毎年同じ時期に同じ場所にやってきているので、経年比較ができるようになってきた。とはいえ、雪の量なんて殆ど覚えていないのだけど。
レンタカー屋に向かう途中にあった駐車場。
緑色のホースが伸びている。どうやら、ここから水かお湯を出して融雪しているらしい。
こういうのは雪国では当たり前の知恵なのかもしれないけど、珍しがってつい写真を撮ってしまう。
田舎者が上京して、都会の景色に大興奮する「おのぼりさん」と全く同じ事が、雪国でもできている。僕のような太平洋側にしか住んだことがない人にとっては、雪国に行くということが「雪のおのぼりさん」だ。
11:46
5人が乗れるサイズのレンタカーを借りる。
「5人乗り」と額面通り受け止めれば、1300ccクラスのフィットやヴィッツでも5人が乗れる。しかし、その通りにやると、狭いやら荷物が載らないやら、ということになってしまう。実際に5人が乗ろうとすると、7人乗りくらいの車をレンタルしないといけない。
で、「自称5人乗り」の車を「自称7人乗り」の車にバージョンアップした場合、レンタル価格は人数見合いで1.4倍程度・・・かと思いきや、ざっと2倍に跳ね上がる。これはもう、しかたがない。しかも、雪道の走行が見込まれるので、4WD仕様の車を借りることになり、それで費用がかさむ。
案外、冬の雪国で、みんなでレンタカー旅行!というとお金がかかるものだ。
11:59
我々がいそいそと越後湯沢駅を出発したのは、目指すお昼ご飯会場が繁盛店だからだ。
到着したのは、越後湯沢駅からほど近い、岩原スキー場。スキー場がある山の中腹まで登り、そこの駐車場に車を停める。
今回、我々が行くことにしたのは、ゲレンデ内にあるイタリアンレストラン、「ピッツェリア ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ」だ。
ここは、「ゲレンデの中にある飲食店、と侮っていたら美味くて仰天する」お店だ。僕ははるか昔、このお店でピザとワインをしこたま飲み食いしたものだ。あまりに大満喫したので、午後のスキーがグダグダになってしまったくらいだ。
今振り返ってみると、ここを訪れたのは2001年のこと。かれこれ17年も前の話だ。道理で、「うまかった。まる。」という記憶しか残っていないわけだ。
今でも果たしてうまいのか?初訪問となる仲間たちと同じ全く新鮮な気持ちで、お店を訪れてみよう。
相変わらずの繁盛店であるのは、口コミ情報で知っている。できるだけ早く、このお店に着いておきたい。
12:02
ゲレンデすぐ脇に駐車場があるわけではない。なので、車を降りてからしばらく歩くことになる。
ゲレンデ内のレストラン、といっても、麓にあるわけではない。山の中腹にあるお店だ。
そんなところのお店が、うまい!というのが驚きだ。
うまいイタリアンのお店は、いっぱいあると思う。しかし、意外感というスパイスも加味すると、ここの「ピットーレ」は特上級・・・だと思う。なにせ記憶があまりないので、話半分に聞いてもらいたいのだけど。
驚いた。ゲレンデの下をくぐり抜けていく、連絡通路があるのだな。トンネルになっている。
ここを経由すれば、スキー板を履いていなくてもピットーレがある界隈の宿やら飲食店エリアにアプローチできる、というわけだ。
12:08
いやー、ゲレンデだよ、ゲレンデ。
たぶん15年以上、スキーから遠ざかっている僕は、このゲレンデの光景を見ただけでテンションがあがる。
しかし、喜んじゃって「わー」なんて走り回ると、高速で滑り降りてくるスキーヤーと衝突してしまう。くれぐれも油断しないで、右見て左見てまた右見て、安全を確認してゲレンデを移動しよう。
・・・あ、左右両方見る必要はないか。なにしろ、スキーヤーは重力に従って、上から下への一方通行だ。
僕の昔の記憶(2001年当時)だと、岩原スキー場のゲレンデ内レストランは、あちこちで「食べ放題」を謳っていた。今でもそうなのかな?と思って周囲を見渡したら・・・あった!
「カレー&つけ麺 食べ放題」の横断幕。
うわあ、これはすごい。炭水化物であっという間に腹が一杯になるぜ。この食べ放題を心底喜べるかどうかで、「若い」か「若くない」かを判断できると思う。僕?いやあ・・・この食べ放題はいらない。もう若くない証拠だ。
12:08
ピットーレ到着。
昔見た光景と、たぶん変わりない店構え。
店内滞在時間、わずか30秒。すぐにお店から出てきた。
ああこれはダメだ、とすぐにわかったからだ。
順番待ちリストを見ると、先客が16組、待っていた。16組!これは1時間待っても、順番になるかどうか怪しい。2時間待ちコースだろうか。(比較的回転が早い)ラーメン屋で16人待ち、と言われても「やめよう」と思うけど、ましてやゆっくりと優雅なランチとなるこのお店で16組待ちじゃあ・・・。
あまりの待ち状態なので、むしろすがすがしく諦めることができた。飯は別のところにしよう。
「明日の『のっとれ!』本番に向けて、雪山の状況を確認できたので良かった」
と負け惜しみを言い、岩原を後にした。
(つづく)
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