13:54
標高を下げながら尾根を進む。
大山登山のメインルートではないので、一気に道がわかりにくくなるのではないか?と警戒しているのだけれど、こちらもしっかり整備されていたので良かった。
こういう里山の場合、登山道以外にも複雑に道が入り組んでいるし、廃道になった道に迷い込んでしまったり獣道を登山道を勘違いしてしまうこともある。むしろ注意が必要となる。そりゃまあ、関東平野の端にある山なので、方位磁石を見ながら東に向かって進めば下山できるだろう。しかし、そこに都合よくバス停があるとは限らず、どこに下山してもオッケーというわけはいかない。
家に帰り着くまでが登山だ。
13:56
山の一角が、急に木が少なくなっているエリアがあった。なんだろう?
昔の僕なら、UFOとかアメリカ政府は宇宙人と密約が、とかいろいろ陰謀論めいたことに思いを馳せて胸をときめかせたものだ。でも、今じゃそういう「オカルトを楽しむ」という文化が自分の中では失われてしまった。ちょっと残念だ。
いや、たぶん社会全体が、オカルトに対して不寛容になったんだと思う。エビデンス厨がSNSを中心に跋扈したせいもあるけれど、オカルト側もあれこれやりすぎて、胡散臭くなって時代に則さなくなったんだろう。惜しいけど、今のオカルトに新しい、「子供心をくすぐるファンタジー」を創造できる気がしない。
14:03
木々が薄いエリアにやってきた。
倒木が地面に転がっているけど、台風被害というわけではなさそうだ。
おそらく、この高圧電線のミニバージョンな電柱のせいだと思う。
メンテナンスのために、電柱周辺の植物を伐採したんだと思うが、どうなんだろう。
そもそもこの電線、わざわざ山を超えて一体どこに行くんだ?
秘密基地がこの先には・・・いや、なんでもない。
14:05
このあたりは厳重な警戒がされているようだ。緑色のネットが張ってあって、さらに鉄条網もある。しかし、いずれも風雨でなぎ倒されていて、脱獄ができてしまう場所があちこちにある。
なるほど、このあたりは鹿の害があるんだな。鹿が植物を食べてしまうので、入ってこられないように大規模なフェンスを張っているようだ。
14:10
稜線を歩いていく。わかりやすく、歩きやすい尾根。こういう尾根は楽しい。
それにしても、冬山なので木の葉も、下草もなにもない。がらんとしていて、不思議だ。下草がここまで生えていないのは不思議だけれど、夏になるとどうなっているんだろうか。
14:11
関東平野の眺めがとても良い。ご機嫌ちゃんだ。高尾山もそうだけど、関東平野の辺縁にある山に登ると、こういう「標高の割にはやたらと眺めが良い」というご褒美がある。
14:15
「おう、なかなかやるな!」
思わず声を上げてしまった道。左右が切り立っていて、これぞ「ナイフリッジ」「馬の背」。
ただ、一歩足を踏み誤ると滑落、ということはなく、まるでプロレスのリングのように3本鎖でガードされている。ここから落ちようとするなら、メキシコの覆面レスラーのようにトペ・スイシーダ(リング上から走って、リング下の敵にダイビングアタックする技。スペイン語で「スイシーダ」は「自殺」、という意味)をキメないといけない。
14:17
しばらくは細い稜線歩きとなり、ワクワクさせられる。変化に富んでいてええやんけ!このルート。
14:25
東屋にやってきた。
先ほど不動尻分岐で見た地図にも記載があった。
この東屋から少し進んだところで尾根を逸れ、七沢に向けて降下を始めることになる。目印になる場所なので、強く意識していた。うっかり降下点を見落とすことがあったら大変だからだ。
ここからしばらくは、七沢分岐を見落とさないように気をつけて歩くことにする。
(つづく)
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