登山のシメは温泉とラーメン【大山】

11:17
大山のこま参道を登っていく。

それなりの坂だ。広島県の尾道を連想させる。

ドカーっと長い石段が続くのではなく、ちょっと登ってちょっと平坦、また登って平坦、をじわじわと繰り返していく。そして、道はまっすぐではなく、微妙に揺らいでいる。

むしろそれが雰囲気を醸していて、いい眺めだ。

今は殆ど人がいないけれど、週末になるとこの参道は観光客で賑わうのだろうか?

こま参道の道中には、観光客向けのお土産物屋だけでなく旅館も並んでいる。

旅館は夜の宿泊だけでなく、ランチ営業をしているところも多いようだ。この「旅館あさだ」は、「猪なべと豆腐料理の宿」なんだそうだ。最高かよ!

しかし、さすがにお値段は安かろうわけがない。

豆腐料理は2,500円から。「猪なべと豆腐コース」は4,000円。僕の財力では無理だった。

いや、普段の生活での無駄遣いを考えると、これくらいのランチは「せっかくの旅先なんだし」と食べたって大丈夫なはずだ。きっと。希望的観測込みで考えると。でも、バーンと4,000円をランチに払う胆力と勇気が、僕にはない。

「無事下山した暁には豆腐でも」と思っていたけど、こりゃあちょっと難しいかもしれない。「冷や奴単品」とか、せめて「湯豆腐一人前1,000円くらい」で扱っているお店はないものだろうか?

11:21
こちらも旅館だけど、ランチ営業をやっているようだ。

しかなべ定食1,900円
ししなべ定食1,900円
とうふ料理定食1,700円より

と書いてある。これが安く見えてしまう。でも、鹿とか猪を鍋にするなら、これくらいはするか・・・。さて、どうしようかな、今日は。

背負っているリュックの中にはお弁当が入っているのに、「下山後にはノンアルコールビールとともに豆腐」という悪だくみが頭の中をうごめいている。だから、吟味に余念がない。

こま街道、なかなか面白いぞ。

ずっとアーケードになっているのではなく、ところどころ屋根がないところがあり、そして屋根があるところもある。

屋根つき階段のところには、お店の看板が頭上から吊り下がり、電灯がぼんやりと灯っている。

お土産物店の「えびすや」の看板には、コマの絵が描かれていた。やっぱり、大山はコマが名産らしい。って、ああそうか、そもそも今歩いている道が「こま街道」じゃないか。

「大山こま」は古くから伝わる、大山阿夫利神社参拝のお土産ものだった。「金運が回る」ということと掛け合わせているのだそうだ。広島県の宮島(厳島神社)が、しゃもじが名物なのと似たようなものだろうか。

あとでWikipediaを調べてみると、

伊勢原市の観光地である丹沢大山の入口となる参道は「こま参道」と呼ばれ、踊り場ごとに、大山こまをデザインしたタイルが地面に貼られている。上の踊り場へ行くごとに、こまの数が1つずつ増えてゆく

Wikipedia「大山こま」

と書いてあった。しまった、これには全く気が付かなかっった。

何しろ、僕にとっては「登山のスタート地点」だ。ガシガシ登ってやるぞ、と気力体力があるうちに前へ前へと進みたいお年頃。細かく周囲を観察する余裕がなかった。

11:23
こま街道の突き当りが、大山ケーブル駅。

こま街道からさらに階段をグイグイと登らなければならない。「大山阿夫利神社まではケーブルカーで行けるから!」と油断していたご年配はお気の毒だ。これはそれなりに足腰がタフでないと、きつい。

なお、普通の体力がある人にとっては、特に問題のない坂道だ。心配はいらない。

11:25
ケーブルカーのチケットを購入。片道630円。

紙の乗車券だけど、「IC」と書かれている。ひょっとしてこれは新手のSuicaかPASMOなのではなかろうか?

後で知ったが、この乗車券は大山寺駅で途中下車が出来るんだそうだ。しまった、それだったら途中下車すればよかった。

ダイヤは大変にわかりやすく、毎時0分・20分・40分の1時間に3本。

しまった、今はちょうど11時20分過ぎだ。たった今出発したばっかりなので、しばらくここで待つことになる。

登山計画書はここにポストがあるので、投函する。

「道迷い、滑落、転倒が増加しているよ」「鎖場がある道もあるよ」という警告を、航空写真で事故現場を紹介しながら発している。山の途中までケーブルカーで行けてしまうので、つい気軽に山頂を目指してしまう人がいるのだろう。

当たり前だけど、「思いつきで山を登る」なんてことはやっちゃだめだ。ここはそういう山ではない。

ケーブルカーがやってくるまで、しばらく待つ。平日ということで、殆どお客さんがいなくてのんびりとしている。

ケーブルカー乗り場のジュース自販機は既に山価格。「おーいお茶」ペットボトルが1本200円だ。

11:39
ケーブルカーがやってきたので、乗り込む。ホームはかなりの傾斜。

途中駅の大山寺駅を通過し、阿夫利神社駅まで約6分。

ちなみに、この駅から男坂を使って阿夫利神社を目指した場合、徒歩30分だと案内表示に書いてあった。案外近い。ケーブルカーの到着を待つくらいなら、男坂をグイグイと登って自己解決しても良かったかもしれない。

(つづく)

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