
11:36
食べ物系の屋台の観察は切り上げて、カーショウをやっているエリアをちょろっと見ていく。
後部トランクを全部アンプとスピーカーにしてしまい、重低音で周囲を圧倒している車が目立つ。すぐにバッテリーが干上がってしまいそうだけど、どれだけ魔改造しているのだろう?災害時には、ちょっとした充電池として数日間過ごせるだけの電源供給ができそうだ。
一方こちらは、真っ赤なボディが目立つすごい形のオープンカー。ヒーロー物の主人公が乗っているっぽい作りだ。
元々がこういう車だったのか、徹底的に改造してこういう車ができあがったのか、まったくわからない。でも、わざわざここで展示しているくらいだから、改造自慢なのだろう。何をどう改造すればこういうロボット的な車に仕上がるのだろうか。
絶対これ、変身するぞ。ハンドル脇に「トランスフォーム」とかかれたボタンがあって、それを押すとロボットになるぞ。そうでなけりゃ、空を飛ぶに違いない。

「えー、ピザ買わないんすかー」
僕にピザを買わせたいよこさんが、今日何度目かになる挑発をしてくる。人が何を買おうが知ったこっちゃない筈なのだけど、「でかいピザの箱を、バランスを取りながら遠路はるばる帰宅していく」という苦行を、端から見て面白がっている。
ピザを買うのは大変だ。近所ならともかく、遠方ならなおさらだ。たこ糸で縛って持ち帰るのだけど、どうも座りが悪く、何度も何度も紐を修正しないといけない。面倒だから立てかける、とか折り曲げる、といったことができないのも苦痛だ。なにしろピザなので、常に箱を水平に保たないといけない。そして、時間とともにだんだん段ボールの底が湿気でふんにゃりしてきて、いつ破れるかとヒヤヒヤすることになる。
今年はもうピザは買わなくて良いかな、と思ったけど、「ボウリングセンター前で小ぶりなピザが売られている」というので行ってみた。昔っから、ここではピザが売られている。値段を見ると、10ドル。小ぶりな分、安い。
小ぶりのピザだと、持ち帰りが楽だ。そして過去5年、一度も手にしたことがないピザだ。
とはいえ、やっぱり買わなかった。小ぶりだと、買う意味がなかったからだ。小ぶりとはいえ、やっぱりバランスを気にしつつ苦労して東京に持って帰る手間は一緒だ。デカくないと、ワクワク感がない。単なる苦行だ。そして、味については。。。ピザだもんねぇ、大して味が違うとは思えなかった。なので却下。

「だったら、ボウリングセンターの中にあるハンバーガー屋がありますよ」
よこさんは諦めない。ああそうだ、言われてみると、ハンバーガー屋があったっけ。これまで、買ったことがないお店だ。
店名は「ミーンジェーン」。日本国内では存在しない、ハンバーガーチェーン店だ。ここでハンバーガーを買う、というのは確かに意味がありそうだ。
ピザ、やめ。ハンバーガーを買って帰ろう。

豪快に模造紙でメニューを隠している店内。
それでもメニューは比較的豊富で、
オールスターバーガー $7
ベーコンチーズバーガー $7
ケージャンバーガー $7
チーズバーガー $7
ホットドッグ $5
フレンチフライ $5
オニオンリング $5
チーズフライ $6
という品揃えだった。案外、高い。

どれにしようかと考えたが、日本じゃちょっとなさそうな「ケージャンバーガー」にした。ケイジャン料理といえば、ジャンバラヤが有名だけど、ルイジアナ州で食べられる料理のことだ。
7ドルもするのだから、さぞやデカいだろう?と思っていたが、あんまり大きくはなかった。もちろん、大きいといえば大きいのだけど、「さすが!うひょう!」と口笛を吹きたくなるようなサイズではなかった。
本来なら、早速この場で食べるべきなのだろう。なんなら、仲間でシェアしたり。
しかし、今回に関しては全くそういう事がなかった。買っても、全部背中のザックにしまいこんでお土産。暑さ&ルートビアフロートのせいもあって、全然食欲がなかったからだ。

大量のランチボックスを売っていたお店に、もう一度立ち寄ってみた。
あれっ?
2,000円、と記されていたはずのランチボックスが、1,000円になっていた。あまりに売れないものだから早々に値下げをしたのか、それとも為替レートを間違えていたのか。
2,000円でランチボックスを買ってしまった人はご愁傷様です。
そうかー、1,000円かー。
サンプルを見る限り、失礼ながら全然うまそうには見えなかった。でも物は試し、ランチボックスを買って帰ることにした。よこさんとおーまさんは、ここでハンバーガーをお買い上げ。1個1,000円。うーん、高い。「滅多に入ることができない横須賀基地」というプレミアム感がなけりゃ、買いたくない値段だ。

11:59
よこさんが、「シナボンで買いものをしたい」というので、改めてフードコートにやってきた。
この時間になると、フードコートは入場規制がかけられている。エアコンがきいている屋内、ということもあって、制限をかけないとどんどん客が中に入ってしまう。将棋倒しになってしまうとまずいので、入口には屈強な男が立ち、出て行く人の様子を見ながら中に入る人の数をコントロールしている。
毎年の定番ではあるけれど、知らない人からするとギョッとするだろう。フードコートに入ろうとしたら急に立ち塞がり、手で行く手を遮られるからだ。しかも、愛想笑いもしてくれない。何か自分が悪いことをしてしまったのか、と身構えてしまう。

僕はシナボンを食べたことがないのだが、改めて実物を見るとでけぇなあもう。クリスマスケーキが入っているかのようなサイズの箱に、シナモンロールがどかんどかんと入っている。これは日本人の趣味嗜好には合わない。一時、日本からシナボンのお店が絶滅しかかったわけだ。
よく見ると、箱ごとに中に入っているシナモンロールのサイズが違うようで、よこさんは中身を慎重に吟味し、1箱購入していた。どれも1,000円台半ばのお値段で、安いものではない。

12:04
灼熱過ぎて来場者が減ったのではないか、肉料理が売れなくなったのではないか、と推測している我々だけど、12時を過ぎるとメインストリートはごらんの人混み。相変わらず人は大勢やってくる。

ゲート入ってすぐの屋台も、びっしりとお客さんの行列。
列がなければ、横須賀基地最後の思い出としてチキンでも買おうかと思ったけど、この列を見て萎えた。
緑色のテントにみっちり、行列が詰まっているのだから。
(つづく)
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