ライトかつエレガントな縦走【金時山】

13:23
身長以上ある高さの草に覆われた中、登山道が蛇行しながら前に進む。

景色は開けていないけれど、青空とのコントラストが美しく、とても気持ち良い。

いくら眼下の景色が絶景だからといって、縦走中ずっと同じ光景を見続けるのは飽きる。でも、こうやって変化に富んでいるルートなので、ほんとうに飽きがこない。うっとりするくらい素晴らしいトレイルだ。

そしてなによりも、この道がぜんぜん険しくない、というのがいい。ハアハア息を切らしながらだと、温かい気持ちになりながら道を楽しむ余裕なんて生まれない。

13:29
しばらく進むと、あまりに笹藪が深くてトンネルのようになっているところを歩く。

笹が、頭上を覆いかぶさるように生えている。自分は今、不思議な旅を楽しんでいる。この先は未知の世界が待っているかのようだ。

でも、なんのことはない、この一歩一歩が、「よく知っている現実の世界」に戻りっつあるわけだけど。

13:42
いやあ、飽きさせないなぁ。今度は開放感が出てきたぞ。道幅も広くなってきた。

別に誰かが笹を刈り込んだわけでもないのに、どうしてこうも成長が違うのだろう。自然は不思議だ。

13:43
正面に明神ヶ岳。おっと、結構遠いな。はるか先に見える。そして、登り返しがそれなりにありそうだ。

13:46
でも、こうやって広大な笹林の中を登山道が一本、ニョロニョロと伸びているのが見えるのが微笑ましい。こういう坂も、全然苦じゃない。むしろ、早くあっちに行きたい。

似たような、笹林の中のロングトレイルというのは西伊豆で見たことがある。

戸田(へた)峠から土肥(とい)峠の間をはしる「西伊豆スカイライン」は、ゆるやかなアップダウンの中移動する、まるで長野県の高原ドライブでもやっているかのような道だ。そこが雄大な笹林になっていて、トレイルルートがあった。「へえ、こんなところを歩く人がいるのか!」と驚いたのが記憶に残っている。

戸田峠からスタートして、猫越(ねっこ)岳に進み、最終的に天城峠まで抜けていくとトータル30キロのトレイルができる。いつか歩いてみたいものだ。ただし、夏は除く。「景色が良いルート」ということは、イコール日陰がない、ということだから。

13:53
このあたりからだと、大涌谷の様子がよく見える。

あれだけ火山性の煙がもくもくと出ているけれど、温泉そのものがない、というのだから自然というのは人間の思い通りにはならないものだ。ここには地下水脈がないからだ。

そのかわり、大涌谷の温泉成分を含んだ湯気に水を吹き付けて、人工的に温泉を作ってしまうということをやっている。トンチがきいている。

13:53
明神ヶ岳に向かって、登っていく。

14:00
さすがにいつまでも笹!いつでも絶景!というわけにはいかない。普通の里山っぽいルートも中にはあるのですよ。人生舐めてはいかん。

14:10
看板が見えた。あれ?分岐?と思ったが、どうやら違うようだ。

正面に、雄大な明神ヶ岳が見える。まだ相当距離があるな、これ。

ここから金時山までは95分、明神ヶ岳までは40分。

「ここまで歩いてきて不安になってきた?じゃあ、途中経過を教えてあげるね!」というお心遣いだろうか。

ここは「火打石山」標高988メートル、という場所だった。そんなに山のピークに到達した感じはないけれど、山頂だといならお得な気分になってきた。じわじわと。

(つづく)

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