10:54
石碑がある。
ああ、こんなところで遭難した人がいるのか・・・と気の毒に思って碑文を読んでみたら、遭難碑ではなく顕彰碑だった。紛らわしい。
昭和5年の冬、スキーによって苗場山を初登頂した二人の功績を記念するんだそうで。なるほど。
土木工事をやった場所に自治体の首長のサイン入り石碑が建てられていることがあるけど、それと比べるとはるかに素晴らしい石碑だ。首長の記念碑って、下手な字が掘られていたり、「そもそも税金で工事をやっておいて、なんで自分の手柄みたいにしてるんだ?」という傲慢さを感じる。
10:56
キッツい登りを続けたところで、小松原分岐という標識が見えた。
やれ、これでようやく稜線だ。
ここで標高は2,000メートルを突破。
10:58
分岐からすぐのところに、「股スリ岩」という場所がある。大きな岩が積み上がった場所を乗り越えていくことになり、そのときに股をするからこのネーミングなのだろう。
10:59
実際は股をスるほどではなかったけれど、こういう無駄な位置エネルギーの増減が疲弊をより強めていく。
それにしても驚きなのが、相方さんがデニムで登山をしていることだ。
「えっ、デニムで登山?ふつうやらないですよ」
と驚いて聞いてみたけれど、本人曰くこれまでもこのスタイルでやってきたし、へーきだという。すげえ。デニムって、水を吸うと重たくなるし、乾きが遅い。登山ではNGとされている生地だ。
でも、ユニクロで登山をしたっていいように、結局本人に問題がなければどんな格好をしていてもいい。気がついたら上から下までモンベルの山用ウェアで身を固めている自分からすると、ちょっと恥ずかしくなった。昔はもっと雑な格好をしていたのにな。気がついたら、金をかけてラクする方向に考えが向かっている。
11:01
紅葉が美しい。
11:06
このあたりは木道が伸びている。
ガスが深く、まったく周囲の景色が見えない。地図を見る限り、晴れていれば左手側にスキー場が広がっているはずなんだけど。
11:07
小さな標識がある。「→田代原(ドラゴンドラ)」と書いてある。
ドラゴンドラとは、苗場スキー場と田代スキー場とを繋いでいる、距離が長いゴンドラのことだ。どうやらここから田代スキー場に下山できるらしい。
道はあまり歩かれていないようで、下草が生えている。
11:09
それにしてもガスまみれ。
当然湿度100%なので、うっとおしい。
11:11
神楽ヶ峰、という標識があった。路傍に、ひょっこりと。あれ?山のてっぺん、じゃないのか。
11:13
見ると、メインの登山道から逸れる形で、脇道がある。この先が神楽ヶ峰の山頂らしい。
うーん、どうしようかな、山頂まですぐっぽいけど、もうヘトヘトなのよね。少しでもあるきたくはないんだよね。
11:11
でも勿体ないから、登ってみた。ピークハントしそびれた、というのは悔しいので。
すぐに山頂・・・らしき場所にたどり着いた。山頂、というか登山道が途切れている。
案の定、何もなかったし見えなかった。しまった、疲労が無駄に溜まった。
(つづく)
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