負傷しながらの下山【苗場山】

11:17
神楽ヶ峰の山頂・・・?から、登山道に戻る。

まゆみさん、相方さんの2名は山頂には行かず登山道で待機していた。

「どうだった?」
「うん、何もなかった」
「だろうねぇ」

こちらも苦笑いをするしかなかった。どうせなにもないことを確認しに行ったようなものだから。

仮に山頂が開けていたとしたって、この真っ白な空だと何も見えるわけがない。

ほんのちょっと、時間にして1分足らずの往復ではあったけど、それすらやりたくないくらいに体が疲れていた。行かないほうがよかった。

11:17
神楽ヶ峰標高2,030メートルから先は尾根筋を歩いていく。

標準コースタイムは登りも下りも神楽ヶ峰~苗場山頂まで70分の道のりだ。水平移動で距離を稼ぐ。

11:19
9月末は紅葉真っ只中。

一応こうやって写真を撮ってはいるけれど、とてもじゃないが満喫できるような状態ではない。

レインウェア、そろそろ新しいのを買わなくちゃ・・・と心底思う。撥水しなくなってるし、服の中が蒸れる。

ナナカマドの実は熟すると黒くなるのだな。山ぶどうみたいだ。

神楽ヶ峰から先、道は下り坂になっている。

長い登山道、たまには登りだけでなく下りだってあるだろう。だとしても、これはやりすぎではないか?というほど道が下る。

道を間違えようがないので、「下山ルートに紛れ込んだか?」という事はまったく心配していない。でも、我々が目指しているのはこの界隈でいちばん高い、山のてっぺんだ。下る、ということはそれ以上に登りなおさないといけないことにほかならない。

あーあーあーあー、体力が浪費していくよ。

登山情報サイトYmakeiOnlineにより作成

11:23
あとになってこの登山ルートの高低差を確認してみたら、見事に「山」という漢字のようなアップダウンを繰り返すレイアウトになっていた。入山口と下山口が同じなので、山頂を中心として左右対象なのは当然としても、この神楽ヶ峰2,030メートルからの急降下は厳しい。100メートル以上標高を下げ、200メートルほど登り直すという構造になっている。

11:25
というわけで、短時間でこれまで稼いだ標高をドスドスと吐き出している状態。ああ勿体ない。

「そんなん、登山前の計画段階で地形を把握してないのか?何を今更?」と思うかもしれない。確かにおっしゃるとおりだ。でも、これが一般的だとは言わないけれど、僕の場合は登山地図に書き込まれた標準コースタイムを見て、「ああ、ここはキツい登りなんだな」「ここは下り坂になっているのか」などと把握する。往路と復路で標準コースタイムの差が大きい道は、アップダウンが激しい証拠だ。

一方で往路復路で時間が同じ場合は、比較的アップダウンがないのかな、と思う。

実際にはそんなことはないのだけれど。

11:27
富士見坂、というポイントを通過中。いやもう、さっきからずっと坂なんですが。

まさかここから富士山が見えることはないだろう。なんの富士が見えるんだ?真っ白で何もわからない。

あとで調べてみたら、ここから苗場山山頂方面がよく見えるようだ。写真でここから山頂方面を眺めた晴天時の写真を見て、びびった。なんだこの極楽浄土は?というくらい、景色が良くてきれいな光景。惜しいな、晴れていればこの登山は全然印象が変わっていただろう。

もうこの登山の結論を言っちゃうと、「やたら疲れて、あるきにくくて、もうこりごり」というものだった。しかし、晴れた日の写真を見て、「ええ!?」と驚かされた。

教訓。このルートでの登山は、晴れていればたのしいけれど、雨が降っていれば楽しくない。天気が悪いときは登山を諦めるのも勇気だろう。ここで「苗場山、登頂!」という実績だけ作って景色はまったく見えなかった、ということになるよりも、後日改めて晴れている時に登った方がきっと幸せだ。

11:32
富士見坂を下りきったところに、雷清水という水場がある。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください