10:48
こんなパンフレットを入手した。
レンタサイクル甲府
漕ぐ・見る・知る レンタサイクルで甲府の街を巡ってみよう!!
甲府のあちこちで自転車を借りることができて(乗り捨てはできない)、それで甲府を自由に観光できますよ、というものだ。
もちろんこの存在は事前に知っていて、このレンタサイクル目当てで甲府訪問を決定したといっても過言ではない。
甲府は以前一泊したことがあるが、適度に見どころがない町だ。「ろくに見どころがない」のではなく、「適度に」という表現を使っているのは、それなりに楽しめるっちゃあ楽しめる場所がポツポツと存在するからだ。そして、それらは派手な観光地ではないので、遠方からわざわざ車や電車で訪れるほどではない。でも、一泊して、「何か近くで観光地はないかな?」と思ったときならば行ってみたいという場所はいくつもある。
こういう「ほんのり観光地感」が甲府の魅力。僕はそう期待している。
観光地らしい観光地を点と点で結ぶというだけだと、そうはいっても甲府は面白みが少ないかもしれない。でも、地方都市の県庁所在地ならではの賑わいや商店の構成、町の作られ方などを見て楽しいと思える人なら、「なるほどねえー」と感心できる、はずだ。
あと、甲府には「鳥もつ煮」や「ほうとう」に代表されるグルメがいくつもある。そういうのを食べるのもいい。
いずれにせよ、今日は一旦自転車を借り、夕方まで甲府を走り回るつもりだ。
10:54
駅前の武田信玄さんにご挨拶。
軍配を手に睨みつけられた。すいません、「適度に」とかえらそうな表現でこの町を評しちゃって。
10:55
駅ビル「CELEO」と、目の前のバス停1番のりば。1番のりばといえば、南アルプス北部の玄関口である広河原行きのバスが発車する場所だ。
・・・さすがに2月なので、広河原行きのバスなどあるはずもなく、がらんとしていた。
駅ビル・セレオのレストラン街は、観光客に向けて「こういうのが食べたいだろ?」というメニューがどどどーんと押し寄せてきている。うん、食べたいです。なんなら、全食ここでも良いのではないかという気がするくらいだ。
吉田うどんもあるし桔梗信玄ソフトもあるし。
でも、駅ビルでご飯を食べる、というのは僕の美学が許さない。甲府駅が旅行の通過点として、単なる通りすがりに食べるならばまだいい。でも僕ぁここで一泊するんだ。甲府と一蓮托生なんだ。だから、駅ビルじゃなくてもっと町中に溶け込んだ店に行きたい。
だから、安易にほうとうとか食べないぞ?ほうとうはうまい。それは認める。でも、「地元で愛されている料理」を探して食べる。ラーメンでもとんかつでも、それが地元民御用達ならばそれを食べる所存だ。
駅前には、小淵沢の駅弁店「丸政」が営む立ち食いそば店がある。僕もあそこで食べたことはある。山賊揚げという大きな鶏唐揚げが乗った蕎麦でご満悦になれる。
その隣には、甲府のB級グルメとして名を馳せた「鳥もつ煮」の元祖、奥藤本店が支店を出している。
鳥もつ煮は、家で自作したものと全然別物だ。家だと、単に「甘辛く煮たもつ」になるんだけれど、甲府の鳥もつ煮はプリっとしてテリがあって迫力がある。
そして、もう少し視線を市役所側に向けると、ほうとうで有名なお店、「小作」がある。
もう、何かメシに困ったらこのあたりで全部解決できる。
むしろ、せっかく「あれこれ悩まないようにしよう、気楽に過ごそう」としているのに、甲府のグルメで目移りしてしまうくらいだ。
路地に目をやると、ビルとビルの谷間で薄暗くなっている中に飲食店が立ち並ぶ。
この怪しさがある雰囲気、好きです。
なにげに、東京ではこういう光景というのは最近少ないと思う。もちろん存在はするけれど、あったらあったで「風情ある路地裏店」みたいなブランディングがされてしまい、入居するお店に色気が出てしまう。銀座の狭い路地裏なんかがそうだ。
レンタサイクルを受け付けている施設のうち、もっとも駅に近かったのがここ。東横イン。
もし自転車が借りられなかったら、今日の予定はガラガラと崩れるので困る。どれくらい甲府のレンタサイクルが人気なのか、情報がないので若干不安だ。一か所ごとで扱っている自転車の台数は少ないので、駄目だったら次の場所、と移動していかないといけない。
東横インの店頭に「レンタサイクルあります」というのぼりが立っていたり、自転車がずらずらと置いてあるかと思ったらまったくなかった。フロントに問合せか。
「え?知らないですよ、そんなの」みたいな対応されたらやだなあ。
と思ったけど、あっけなく借りられた。
そうか、ホテルの従業員さんはぽっと出のバイトさんではないし、ホスピタリティについて研修を受けているので対応はバッチリだ。疑ってごめん。
最近、コンビニの店頭でちょっと複雑な対応をお願いする際、「このバイトさん、僕の言ってること理解してくれるだろうか・・・」と祈る気持ちがある。それと同じ感覚になっていた。
借りられた自転車は、電動アシスト付き。これで町を疾走できる。
なお、免許証の写しのコピーをとられるので、借りパクはできない。当たり前だ。
(つづく)
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