猿倉山ビール醸造所の建物内に移転した、さとやベーカリー。
これもロゴがかっこいいなあ。
まてよ、なんかさっきから絶賛ばかりしている。ひょっとしたら僕らは「雰囲気に飲まれてしまい、なんでもいいように見えている」だけなのかもしれない。そうじゃなきゃ、おかしい。
・・・と思えるくらい、どれもこれも素敵だ。
この「さとやベーカリー」のロゴには、「NAGAMORI」と書いてある。長森山のことだ。
どうもこの施設内には、「八海山」「猿倉山」「長森山」と山の名前がたくさん出てくる。大相撲みたいだ。
陳列されたパンまでおしゃれに見えてくるのは、雰囲気に飲まれているからだろうか?ちょっと奥さん、どのパンも美味しそうじゃないですか。
こうやって広い空間を使って、「さほど多くない量のパンを、横にずらーっと並べる」というのはとても美しい。東京のベーカリーだとこうはいかない。狭いところにぎゅうぎゅうだ。そうじゃないと、商売にならないし、少量ずつ在庫を補充するなんて手間がかかりすぎる。
さすがに、「いやうちは純粋なベーカリーですよ?お酒とか、一切関係ないですよ?」というわけではない。
「あまざけベーコンフランクサンド」だって!
八海山の甘酒に漬け込んだベーコンが入っている、と聞くと食べたくなってしまう。とはいってもなあ、今ここ、新潟なのよね。自宅近所のベーカリーなら即決で買うけどさぁ。
・・・と思って横を見たら、熱心によこさんがトレイにパンを並べてらっしゃる。
「あれっ、買うの?」
「だってうまそうじゃないですかー」
「いや、そうだけど、今晩用?」
「家にも持って帰りますよ」
よこさんは、多分食べるのは明後日になるであろうパンを、はるか新潟の地でご購入となった。
でもその気持わかるわー。なんか理由をつけて、結局パンを買っていない自分が卑屈に思えてくるわー。
RYDEEN BEERやハスキージェラートのグッズが売られているコーナー。
単にビールが売られています、じゃないんだぞ。パーカーとかマグカップとか、いろいろ売ってるんだぞ。すげえな。
コースターとかグラスならまだわかるけど、シールまであるのか。シール買う人は、よっぽどこのブランドが好きな人だろうな。車の後部ガラスにでも貼るか。「水曜どうでしょう」ステッカーみたいに。
よこさんはさとやベーカリーから引き続き、ここでも入念に東京に持ち帰る土産を吟味中。彼女はここ半年でクラフトビールにドハマリしてしまい、なんか遠い世界に行ってしまわれたのね、という状況になっている。夜な夜な、行きつけのビアパブで談笑をしているようだ。
そういうのを見るにつけ(僕の帰り道、自転車でビアパブの前を通り過ぎると常連客同士で盛り上がっているよこさんを見かけることがある)、ビール好きだった僕が今こうしてお酒をやめているのは正解だったかもなあ、と思う。もちろん、適度にビールと付き合えればよいのだけど、そうでなかった場合いくら財力があっても足りないからだ。クラフトビールはかなりお高い飲み物なので(ストロングゼロみたいに安く酔える酒と比べての場合)、つい飲みすぎて財布をカラにしてしまいそうだ。
このあと、敷地内にある「みんなの社員食堂」でお昼ごはんを食べようと行ってみたんだけど、売り切れということでやむなく断念。完全に油断していた、売り切れることがあるのか。早めに食べないといかんのだな。
諦めて、別のお店で食べることにする。その前に、今年も「八海山雪室」に行ってみる。お酒を調達するためと、今年のお酒を試飲させてもらうためだ。
今気がついたのだけど、標識が面白いな。
エレベーターにはサルがぶら下がってるし、トイレにはシカと鶴?サギ?がいらっしゃる。
おっと、よく見ると車椅子の後ろにはリスがいて、甲斐甲斐しく車椅子を押しているぞ。二足歩行で。
いちいちこういうロゴまで考える手間暇とコスト。改めて八海山すげえ、と唸らされる。
で、試飲ですよ。
単に「ただ酒を飲ませてもらおう」というわけじゃない。
毎年お酒の味というのは変わってくるものだし、飲む側の体調や加齢によって味覚が変わるものだ。今晩をお供するお酒を、まずは確認できるというのは大変にありがたいことだ。
特に昨年、ここで買った「2年熟成もの」の新潟限定酒「越後で候」は、試飲せずに買ってみたらちょっと期待していたものと違ったということがあった。まずい、というわけではなく、予想と違う味だった、ということだ。
なので、お酒の確認は大事。特に、この人ら一晩で一升瓶くらい飲んじゃうので。
酒飲みどもが神妙な顔をして今年のお酒を確認している間、僕はあまざけをいただく。
八海山の甘酒は、最近都内スーパーでも珍しくはなくなった。美味しい甘酒なのでこれは大歓迎だ。でもだからこそ、わざわざここでお土産として買う必要はなくなった。重たいですし。昨年はここで買ったなあ、甘酒。
さて、甘酒のアレンジ方法だけど、トマトジュースと1:1の割合で割るのだという。えええ、それは味の想像すらつかないミックスジュースだ。まずかろうはずがないけれど、これはぜひ試飲させていただいたい。
飲んでみると、これが結構うまかった。なんて例えればいいんだろう?手頃な言葉がないので、自分で試してみてくれ。とにかく不思議な味ではあるけれど、うまいので。
(つづく)
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