近場の無縁だからこそ【甲府滞在記】

14:14
この時間にして既に飲食店を3店舗ハシゴしている。これは半分想定済みで、半分想定外だった。まさか3店目でマフィンを食べることになるとは。これは腹に溜まる。

僕をあちこちにうろちょろさせる動機づけとして、飲食店をスタンプラリーのチェックポイントに見立てて一筆書きのように巡るのが一番だ。「あてもなくぶらり旅」というのは、あてもないが故に選択肢が膨大で、むしろ僕を疲れさせる。それよりも、「ハイ、まずはここに行って、次はあそこに行って」と目的地が決まっているほうが気が楽だ。

その時、僕だって馬鹿じゃないので「◯丁目のコンビニに行ったら、次は◯町のコンビニに移動」みたいな、楽しくもなんともないチェックポイントはイヤだ。じゃあ、次に行きたくなるポイントはなんだろう、と考えたら、飲食店になるのだった。

そこまではいいんだけど、飲食店をチェックポイントにすると、当然そこで飲み食いすることになるわけで、その結果本日の食べまくりという展開になっている。やっぱり馬鹿だ。

今回は食べ歩きが目的じゃない。ただ無心になりたいだけだ。ということで、そろそろ次のポイントに向かう。レンタサイクルは今日の夕方までに返却しなくちゃいけないので、あんまりゆっくりしていられない。・・・療養に来たのに、慌ただしいなあ。

道中、「麺は組」という蕎麦店があるのでそれを下見しておく。明日食べる予定のお店はもう計画に組み込まれているのだけれど、そのお店が臨時休業だったときのための「予備」だ。あと、「万が一まだ気分的にイケる、と思ったときのための押さえ」でもある。

このお店は、ガツンとワイルドな、太麺の田舎蕎麦を出すのだという。いいじゃないか。

行ってみると、

「昔ながらの日本蕎麦はもう飽きた。」

という刺激的なキャッチコピーが書いてあった。あれ・・・この言葉には馴染みがないけれど、でもこの雰囲気はどこかで知ってるぞ。

そしてよく見ると、「なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。」という文字も発見。ああ、あのお店か。

東京で、いわゆる「港屋インスパイア系」として肉蕎麦を出しているお店「なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。」の甲府支店に相当するのだろう。

このお店の蕎麦なら、味は知っている。敢えて甲府で食べる必然性はなさそうだ。でも、ガツンと腹に溜まるのは間違いないので、明日「どうも物足りないなあ」とか、「自分を罰したいなあ」と感じることがあったら、立ち寄ることにしよう。

14:16
目指したのは、舞鶴城公園。

甲府駅のすぐ脇にある、城跡だ。

天守閣などは現存していないらしく、石垣に覆われた小高い丘、という印象だ。これまで甲府を訪れた際、わざわざここに立ち寄る気にはならなかった。でも今回は違う。なにせ時間があるから。今回だからこそ、この丘を制圧しよう。

なお、「舞鶴城公園」という名前はすごく紛らわしい。「舞鶴」といえば京都府にある、軍港として知られた町だ。そして、この舞鶴城公園にあるのは「甲府城址」だ。さらに言うと、ここが武田信玄の本拠地であったかのように勘違いするけれど、武田信玄の居城である躑躅が崎は現在の武田神社があるあたりで、ここではない。

「舞鶴・・・いや、舞鶴といえば京都だよな・・・鶴舞城?」とひとひねりを加えてみたら、今度は千葉県市原市にそういう名前の城が見つかる。ますます紛らわしい。

14:17
空堀になっているところを、橋で渡る。「車両乗入れ禁止」と書いてあるので、ここで自転車を下りる。なにか将軍様からのトンチではないかと思い、この「乗り入れ禁止」を解除するトンチを考えてみたけれど、妙案が出てこなかった。

「自転車は車両じゃないよ、友達だよ案」とか「体の一部として一体化していると主張する案」とか考えたが、屁理屈にさえなっていない。

14:21
石段をあがると、門がお出迎え。

天守閣を復活させようにも、予算の面で折り合いがつかなかったり、詳細な図面が残っておらず作るのが難しかったり、そもそも天守閣があったのかどうかもよくわからない(作っていなかった可能性あり)ということがよくある。そういうときは門だけでも作ると、それっぽくなる。

門をくぐって中へ。

この舞鶴城公園は石垣の塊として目立つのだけれど、そこに大きなオベリスクがそびえ立っているのがひときわ印象的だ。

なんでこんなところにオベリスクが?と思っていたら、「謝恩碑」なんだそうだ。え、そうなの?お城とは関係ないの?

明治44年、明治天皇から山梨県にあった御料林が下賜され、そのありがたさを忘れまい、ということで建てられた碑だった。甲府盆地の中で一等高い場所であるこの地にオベリスクを建てることで、圧倒的インパクトを県民に見せつけたのだろう。

なにせこれだ。

ロケット発射台のようだし、もうちょっと平らなところに建てていれば、日時計になったに違いない。

ちなみにこの写真を撮っているのは、天守台と呼ばれるこの城址の中で一番高い場所。

天守台からの眺めは、甲府盆地をぐるり一周見渡せる。

南方面の景色。

東横イン・・・お前、本当にあちこちの景観を邪魔するよなぁ。あのデカい看板は止めてほしい。景観条例が敷かれている観光地の近くにもこの手の大看板を設置しているので、条例違反にはならないものの観光客として残念に思うことがある。

東の方向に目をやったところ。甲州市、勝沼方面。

あの山を分け入ったところが笹子峠。

北側を眺めたところ。

目の前にタワマン・・・と呼ぶべきか、高層マンションと呼ぶべきか、視界を遮るようにビルが建っている。「セインツ.25」というビルだそうだ。「セインツドットにじゅうご」と呼ぶんだぞ。ドットを忘れては駄目だぞ。

山梨県で一番高い建物。確かに、25階建てとはいえあたりを見下ろすその存在感は圧倒的だ。他の建物が全部小さく見える。

甲府駅からほど近いし、さぞや便利でしょう・・・と思うが、この建物を紹介するWikipediaの記事によると

店舗フロア:1階(セブン-イレブンが入居していたが2012年撤退)
オフィスフロア:2階~3階(フィットネスクラブが入居していたが2016年に撤退)
分譲マンションフロア:4階~25階

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%84.25

なんだそうだ。なかなか商売としては厳しいらしい。マンション住人を相手にするだけでも、コンビニは成り立ちそうに思うのだけど、そう簡単にはいかないようだ。

西側を眺めたところ。

おっと、こっちにも東横インが。目立つなぁ、もう。

東横インの看板の奥には、南アルプスの山並みが見える。

ズームにすると、東横インの看板も拡大されるのは悔しいが、見なかったことにして奥の山々を観察。

写真右端のピラミッド的な美しい山が甲斐駒ヶ岳。正面の雪が少々積もった山が鳳凰三山。

そこから視界を左に向けていくと、白峰三山。間ノ岳、農鳥岳が正面に見えているんだと思うけど、ちょっと自信がない。

まあいずれにせよ、ここは眺めは良い場所だということだ。甲府盆地を360度見渡す事ができる。 「セインツ.25」 を除けば。

(つづく)

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