近場の無縁だからこそ【甲府滞在記】

14:56
そろそろ15時だ。

温泉旅館に一泊するとなると、「15時」というのはとても大事な時間になる。14時よりも16時よりも、圧倒的に大事な時間、それが15時。というのも、15時からチェックインできる宿が大半だからだ。

もちろん今回僕が宿泊するようなビジネスホテルも、15時からチェックイン可能だ。でも、一泊二食付き、大浴場付きの温泉宿となると、「夕メシ前にどれだけ温泉に入ってくつろげるか!?」というのはものすごく重要だ。ビジホの比じゃない。

ビジホだって大浴場があるじゃないか、といっても、夕ご飯が定時にスタートするわけではなく、外に食べに出ることになる。「18時にッ・・・!1階大広間で食事開始ッッッ!!・・・それまでに風呂に最低30分・・・浴衣で部屋の畳にゴロンと横になって30分・・・」と考え出すと、いかに15時から18時までの時間が大事かというのがわかる。

あと、温泉宿の畳の部屋でくつろぐのは「安らぎ」と考じるけれど、ビジホのベッドの上でくつろぐのは「時間を無駄にしているっぽい」という感覚になる。寝るための場所に閉じ込められている、という気分で損している気がするからだ。

いずれにせよ、今晩は大浴場付きビジホ。15時という時間に恐れる必要はない。・・・が、自転車の返却期限が迫ってくるのでうかうかしていられない。

本日最長距離となる、武田神社へはこれからだ。

その前に。

甲州夢小路からほど近いところにある、「さどやワイナリー」に行ってみた。

甲府駅からカウントしても徒歩5分。「せっかく山梨県に来たんだから、ワイナリーに行けると良いのだけど・・・」と思っている人は、ここならとても便利だ。なにせ、甲府駅から歩いていけるんだから。

勝沼ぶどう郷にも、歩いていけるワイナリーはあるので、便利なものだ。だいたい、ワイナリーというのは公共交通機関との相性があまりよくないところにあるイメージだけれど、ここは違う。

駅からほど近い立地、とは思えないくらい広い敷地で、優雅な庭と西洋風の建物が建っている。

「さすがワイナリー、トンガリ屋根の建物だぞ」

と感心したが、建物の前に噴水がある。やけに大袈裟だな、と思ったら、ここはチャペルだった。

ここは、ワイナリーだけでなく、レストラン、結婚式場がある複合施設だった。

敷地内をうろうろしていたら、黒服のきりっとした職員さんが「何かご用でしょうか?」といった感じでこっちの様子を伺っているのに気がついた。あ、すいませんすいません、単なる冷やかしです。結婚式場の下見とかそういうんじゃないです。いまんとこ結婚の予定も、相手もいないんです。

最後、無駄に自虐的になって足早に立ち去る。

なお、チャペルの傍らにあるレストラン、値段をみてみるとランチで2,000円から、ディナーで5,000円からという価格帯のお店だった。

大正6年創業 山梨甲府のワイナリー・サドヤ
JR甲府駅より5分のワイナリー・サドヤは1917年創業。ワイナリーでは市内の自家農園産葡萄によるワインの製造販売や、約700坪の地下セラー見学(有料)をご利用いただけます。オンラインショップもございます。

もちろんドリンクはついていない。せっかくだからワインを、となるとそれなりのお値段になる。

ワインショップに入ってみる。入り口が狭いので、密造酒のガサ入れに入る気分・・・なわけはないか。

入り口は狭いけれど、大きく「ワインショップ見学ツアー受付」という看板が出ている。

そうか、ワインの品質保持のためにも、ワインショップって日が差し込む窓ガラスってないほうがいいのか。

ワイン蔵見学は予約制で時間が決まっているので、僕は参加できない。話によると、地下のワインカーブに潜って貯蔵されているワインを見たりできるらしい。有料。

追加料金を払えば、見学の際のテイスティング種類が増えるそうだ。へー。

ワインショップは、重厚感のある面持ちで、「ワインブティック」を名乗るのに納得。ワインが飲めるといいのだけど、お酒を嗜まない僕にとっては、ただただひたすら「へええ」と感心するだけだった。

一滴たりともお酒が飲めないので、「テイスティングしてみて、よさげなものをお土産に買って帰って人にあげる」ということさえできない。

15:04
敷地内の庭には、面積は狭いもののブドウ畑があった。さすがに今は2月だから芽吹いていないけれど、夏に向けてどんどん成長していくのだろう。枝だけだと、まるで盆栽のようだ。

甲府駅の北口出てすぐのところは「よっちゃばれ広場」という広場になっていて、駅前一等地が空き地とはなんと贅沢な!と驚かされるが、その片隅に明治期っぽい建築物が見える。

なんだろう、これ。

国指定重要文化財の、藤沢記念館という建物だった。

明治8年にできた学校の校舎で、当時の県令(今でいう県知事)の藤村紫朗が積極的に推奨した「擬洋風建築」の様式を残しているという。

確かに言われてみれば、洋風建築のくせに瓦屋根だし、壁は漆喰だ。面白い。

藤村記念館の隣に、銅像が建っていた。これが藤村紫朗県令か・・・

あれ?でもこの人ハゲてる。いや、ハゲは人それぞれの個性なのでどうでもいいのだけど、お坊さんのような袈裟をお召しになっている。じゃあ坊さんかというと、なんでか軍配を持っている。

よく見ると、武田信虎の像だった。ああ、武田信玄の父親だ。信玄に追放され、甲府の地を去った人。まさかこんなところで出てくるとは。

じゃあ、武田信玄の子で、長篠の戦いで織田信長に負けた武田勝頼の像は?・・・と思って調べてみたら、甲府からはるか南、笹子峠近くのJR中央線甲斐大和駅の駅前にあるそうだ。

なんでこんなところに?と思ったら、織田信長に追い詰められた武田勝頼の終焉の地がここだからだった。なんてこった、甲府盆地を通り越して、こんな山まで逃げたのか。

15:38
甲府駅の南側は平坦な土地だけど、北側はずーっと緩やかな登りになっている。扇状地だろうか。

電動アシスト付き自転車なので、すいすいと登っていけるのがありがたい。もしふつうの自転車だったら、ひたすらゆるやかに登り続ける坂道に悲鳴をあげていたかもしれない。

途中、山梨大学のキャンパスを見ながら坂を登っていく。

この界隈は閑静な住宅地だ。大学生もたくさん住んでいるのだろう。その割には学生向け飲食店は少ないように見える。

武田神社に向かう前に、武田信玄の墓所をお参りすることにする。

道中、大きな鳥居がある。武田信玄神社の鳥居にしては変な場所にある・・・と思ったら、この鳥居はすぐ近くにある護国神社のものだった。

信玄公の墓所を探して、細い路地に入っていく。

こういう町探索は大好きだ。

信玄火葬塚、という看板が見えた。ここだ。

ハイキングマップがあったので、写真を撮っておく。

(つづく)

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