吊尾根の下の、一つ屋根の下で【上高地デュオキャンプ2019】

18:51
小梨平キャンプ場でレンタルしたもの一式。

ウレタンマットと、毛布。

こういうものをスッと借りられるのが小梨平キャンプ場の素晴らしいところだ。そして僕自身がここを何度も訪れているので、どういうものが借りられるか、自分の目で見ていたので安心して借りられる。

webで調べると、キャンプ場のレンタル用品なんてのはすぐに調べがつく。でも、実際に現地を訪れてみたり、場合によっては電話をかけてみないと、「程度」がわからないものだ。程度とは、「在庫切れで借りられないときもありそうだぞ」という雰囲気とか、「くたびれたものしか在庫になさそうだ」とかだ。

今回借りているのは全部「寝る」ことにかかわる、生命維持のアイテムだ。こういうところで「もし借りられなかったらどうしよう」と心配するのは嫌だ。その点、この小梨平キャンプ場なら在庫・品質ともに安心。

なにしろ、これまで僕が使ってきた寝袋とマットレスは今回いしが使う。この毛布とウレタンマットは、僕にとっての命綱だ。

上高地のキャンプといえば、GW期間中の「氷点下を耐え忍ぶ深夜」のイメージしかない。さすがに今は7月なので、そこまで寒くはないはずだけど、底冷えで寝付きが悪い、というのは地味に疲弊する。

レンタルした装備品を見る限り、その心配はない。うん、まずは安心だ。

見てよこのウレタンマット。これだけの大きさのものって、登山用ザックにくくりつけて持ち歩くのは無理だ。レンタルならではのメリットだ。

18:53
どこにテントを張るか、検討のためまずは梓川沿いを歩いてみる。

梓川沿いのエリアは眺めが良いということで人気の幕営地になっているのだが、今年はテントの数が少ないように見える。どうしたんだろう?と思って歩いていくと、途中から立ち入り禁止のロープが張られていた。

・・・ああ!梓川が岸をゴッソリと削り落としてる!

なんてこった、梅雨時にでも大雨が降って、増水した川が石を積み上げた護岸を破壊してしまったのだろう。

ええー、ゴッソリ削られた場所、特に風光明媚な場所で僕も愛用していたのに。

↑ 2ヶ月前、2019年5月の写真。崩落してなくなってしまった場所に座り込むおかでん。

いやー、びっくりだ。そうか、大自然ステキ!とか自分に都合の良いことを言ってるけど、大自然ってのは当然こういうことだよな。川の流れは変わるし、あれこれ破壊と創造が繰り返される。

僕の「日没まで過ごす場所」の定番だったのに、残念。

19:23
テント設営はとりあえず後回しにし、場所だけ確保してお風呂に向かう。

19時半までお風呂が營業していてよかった。20分ほど、しっかりと入浴できた。小梨の湯は深い浴槽と、しっかりと熱量のある湯音でいつだって良い汗がかける。

19:24
念のため、今回も上高地界隈の日替わり入浴施設の営業時間を確認しておく。

ただ、今回は二人で行動している。ソロキャンプで飄々と「今日、何をして過ごそう?」とボンヤリ過ごすのとはわけが違う。「今日はあっちの湯、明日はこっちの湯」というわけにはいかないだろう。「お風呂大好き!風呂のハシゴ賛成!」とは多分言ってもらえないだろうし。僕だって、入浴施設巡りのためにいしを上高地につれてきたわけじゃない。

それにしても、上高地ルミエスタホテルが「入浴+ランチ」のセットで3,400円というのがすごいな。際立っているぜ。

キャンプをやる以上、上高地の天気予報は気になるところだ。

山の天気なのでコロコロ変わる。週間天気予報はあくまでも参考程度に捉えてはいるが、「晴れの予報なのに雨になった」ということはあっても、その逆の「雨の予報だったのに晴れた」ということは少ないはずだ。雨の予報ならば、濡れる覚悟で挑まなくちゃ。

・・・で、天気予報を見ると、今晩、明日は雨。明後日は曇りだった。そうか、このあと雨なのか。テントのタープはしっかり張っておかなくちゃ。

バスの時刻表も見ておく。

GW前の山開きから7/12まではずっと同じ時刻表なんだけど、7/13から8/25の間は1便だけ追加がある。「18時45分上高地発、19:50新島々着」という最終便だ。釜トンネルが閉まるギリギリ限界を攻めました、という時間帯だ。

徳沢から大正池まで、上高地エリア全般の「ランチ喫茶案内図」。

2ヶ月前も同じものを見ているけれど、ハイシーズンの今回は少し営業時間が異なっているかもしれない。実際に小梨平キャンプ場は変更になっっているわけだし。

備忘録として写真を撮っておく。

河童橋と小梨平キャンプ場の間にある上高地ビジターセンター。

ここが「夏の早朝バードウォッチング」という企画をやるぞ!というポスターが貼ってあった。ほう、これはいい。ぜひ参加したい。

いしは「鳥、好きなんですか?」と聞いてきた。さほど乗り気ではない、とまで言う。いや違う、鳥が好きかどうかなんてこの際どうでもいいんだ、すぐ近くでイベントがあるんだから、このビッグウェーブに乗らない手はない、という感覚で挑むのがいい。

そもそも、これまでさんざんキャンプとか登山をやってきて、山の中で「チチチチ・・・」とか「ヒョヒョヒョ」と鳴いている鳥の声は聞いてきた。でも、それが何の声なのかさっぱりわからず残念な思いをしてきた。で、ウグイスが鳴いたら、「おっ、ウグイスだねえ」などと「さも鳥が好きでござい」という態度を取る自分がとても卑しいと思った。

今回、うってつけの勉強になるだろう。上高地の鳥をぜひ学びたい。

しかも時間がいい。朝6時半集合、8時解散という超絶早朝集合だからだ。現地泊している人でないと、ほぼ参加ができない。選ばれし人たちによるバードウォッチング。最高だ。

20:03
テントを慌ただしく組み立てる。慌ただしく、といっても二人がかりだとあっという間で拍子抜けだった。そうか、こんなに楽なのか。

いしはテント設営の素人。でも、今のテントは直感的に作り方がわかるようにできている。簡単に指示を出せば、いしも十分すぎる戦力としてテキパキとテントが設営できた。

とはいっても時刻は20時過ぎ。ようやくテントの中で夕食の準備だ。

ひとまず、家から持ってきた食材をずらっと取り出してみる。無印良品のカレーや冷や汁といったレトルト食品と、アルファ米、そして非常用缶詰パンなど。これらいずれも、賞味期限が切れかかっているか切れているやつだ。

いしと同棲するようになって、さっそく目につけられたのが賞味期限切れの食材だった。無印良品のレトルトがまさにそれで、「無印良品週間」のときに買いだめしたものがそろそろ時期的にやばいものだった。「捨てないで」と懇願するおかでんに対し、「じゃあキャンプで消費しよう」といういし。そんなわけで、今回は無印のレトルトがいくつも登場したのだった。

無印良品のレトルトはいかんよな、種類豊富で、ワクワクしてしまう。全種類コンプリートしたくなるんだよな。そして、オンラインで購入するとなると、「5,000円以上のお買い上げで送料無料」になっているので、つい。「レトルトだから、どうせ日持ちするし」という気持ちで、つい。

「つい。」の産物なんだ、これって。

ひとまず食事の準備をしている間、軽く酒盛りをする。

ノンアルコールビールのおかでんと、白ワインのカップ酒のいし。

いしは「誘われたら飲む」程度の飲みっぷりの人だけど、飲ませると一晩で清酒(しかも度数が高い生原酒)を4合飲みきってしまうくらいの肝臓力を持っている。「元・酒飲み」である僕としてはその飲みっぷりに大変惚れたので、今回もぜひ・・・と思ったが、カップワインを1杯止まりだった。まあ、慣れないキャンプで泥酔するのはよくないのでこれで良いのだと思う。

一方の僕はというと、いくら飲んでも酔わないしキリがないノンアルコールビールを飲んでいるため、むしろトイレが近くなるのだった。テント泊で深夜にトイレを行き来するのは面倒なので、本当なら夜は水断ちをしたほうが良いのだけれど。

20:15
いしとおかでん、仲良く記念撮影。なにせ結婚前どころか、親にも報告する前なのでイチャイチャ・・・とも言えるけれど、実際は狭いテントで二人が過ごすというのはこういう状態になる。

一応このテントは「2型」と銘打たれていて二人が寝泊まりできるスペックにはなっている。しかし、ここでいう「二人」というのは人権がかなり抑圧された状態でなんとか可能、というレベル感だ。その証拠に、僕らは寝るだけでテントを使い切っているため、荷物類は全部テントの外に置いた。夜露に濡れるのを避けるため、本来ならテントの下に敷くグラウンドシートで荷物をぐるぐるにくるんだ。

写真を撮るのも一苦労だ。狭いテントの中なので、普通にカメラで撮影しても、二人が画角からはみ出てしまう。人間が一生懸命後ろに下がり、カメラも限界まで後ろに下げ、それで撮影してようやくこんな感じ。

結果的にラブリーかつハッピーそうな写真に仕上がったから良かった。でも撮影がうまくいくまでは、結構ゴソゴソやっていた。なにせ足元にはガスストーブだとか飲み物、食べ物がところ狭しと置いてあるので危険。

(つづく)

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