2019年08月20日(火) 2日目
富士登山2日目。「2日目」といっても、初日はせいぜい2時間弱しか歩いていないので今日が本番だ。
昨日は標高を稼げなかった分、今日稼がなくちゃ。朝3時、起床。
そっと身支度する。
同じ部屋に別の人がいなくてよかった。ゆうゆうと荷造りができる。
03:10
準備ができたところで、朝ごはんを食べる。
出発が早い登山の場合、メシを食べずに歩き始めて、夜が明けたところで登山道脇で食事・・・というパターンがよくある。でも僕らの場合、もう面倒だからここで食べていこうぜ、ということにした。
山小屋の部屋が個室感覚で、他に同室のお客さんがいなかったからだ。
お弁当は前日夕食の際に渡されている。ご丁寧に、包装紙で包まれている。
御来光山荘の朝ごはんはこちら。
おお、予想以上に色とりどりで、嬉しい。夕食のカレーライスよりも見栄えがいいくらいだ。
山菜ご飯、鮭、ミートボール、玉子焼き、柴漬け。
量は少なめ。「これじゃ馬力が出ないよ」という人は、自分で食事を持参するといい。
03:26
ふたりとも無言で朝ごはんを食べ、出発準備。
カイコ棚を降りて廊下に出る。
朝3時半近いけれど、昨晩9時頃と比べてカーテンが開いている部屋が増えた。つまり、我々よりも早く出発していった人がそれなりにいる、ということだ。
御来光を山頂で見ようと思うならば、とうの昔に出発していないと間に合わないので当然だ。
むしろ、今この時間もカーテンが閉まっている部屋が結構あるのに驚く。うっかりすると、御来光を見そびれますよー。あと1時間もすれば、空が明るくなってくるから。
でもよく考えれば、富士山イコール御来光っていうのは必須条件じゃないんだよな。僕なんて普段の登山で御来光はぜんぜんこだわっていないのに、富士山に登るときだけ無意識に御来光を気にする。
広間に出てみると、人が一人ごろ寝していたのでぎょっとした。
寝袋を使わず、毛布を被っただけで寝ている。板の間なので身体の節々が痛くなるだろうに。
どうしたんだろうこの人、と思って身支度しながら様子を見ていたら、僕らの気配を察知してザッと一瞬起き上がった。で、僕らがこれから出発しようとしているのを見て、また横になった。
どうやらこの山小屋の従業員さんだったらしい。
寝ずの番、というわけではなく、寝ながら山小屋の番をしているようだった。
深夜にお買い物やトイレ利用のため山小屋を訪れた人の案内をするための宿直だ。大変お疲れ様です。
山小屋というのは大変な仕事だけど、富士山の場合特にそうだと思う。なにせ24時間営業に近いから。深夜も登山客が行き交うし、宿から出発する人もいる。
03:33
山小屋の外に出る。
まだ若干雲があるけれど、月が見えていた。今日は天気予報通り晴れそうだ。
03:38
御来光山荘の表札前で記念撮影。さてここから標高差1,000メートルを一気に登っていくことになるぞ。
100メートルで気温は0.6度下がる。標高差1,000メートルなら、6度。
夜明けとともに気温は上がるだろうけど、まだしばらくは寒い。
いしはレインウェアを防寒具がわりに着込んでの出発となった。
04:12
ほら、4時をすぎると東の空が明るくなってきはじめた。
04:23
どんどん明るくなってきた。
「やばいぞ、これは微妙な御来光になりそうだ」
と思いながら登っていく。
なにせ富士宮ルートの登山道は南に面している。東から登ってくる太陽をガツンと見るには若干不利な場所だ。
04:30
登り始めから約1時間。
元祖七合目山口山荘に到着。
「新七合目」からようやく「元祖七合目」だ。合目の数が増えないのは、なんだかお得感がない。
でも標高はそれなりに稼いだ。ここは標高3,010メートル。
標高3,000メートル超えだ。
僕は全然余裕なんだけど、いしの息が上がっている。
なんでこんなに余裕なんだろう?と思ったら、僕はこの数ヶ月の間で体重が激ヤセしたんだった。
体重が半年で15キロ以上痩せ、さらに記録更新の最中だ。
それだけ軽くなる、ということは足腰への負担が劇的に変わる。なんてぇスイスイ登れるんだ。数歳若返ったような気になる。
夜明け前の山口山荘。
ここも御来光山荘同様、闇に沈んでいた。積極的にこの時間からこうこうと明かりを灯して営業中、というわけではない。
(つづく)
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