おかでん結婚式前後のできごと【倉敷・吉備路】(その19)

07:40
東京駅でサンライズを降りた僕らは、そのままスーツケースをゴロゴロ転がしながら東京駅の地下を歩いていった。東京メトロ千代田線に乗るためだ。

目指すは、六本木の東京ミッドタウンにあるホテル、「リッツ・カールトン」。

いしが、「ここのモーニングを食べてみたい。旅行とかより、ここのモーニングが食べられれば満足」と熱弁を振るうので、行くことにした。

一旦家に帰って荷物を置いてから出直してきても良かったのだけど、家に帰ったら気持ちがダラッとしそうだ。なので荷物の山とともに六本木を目指す。

通勤時間帯ということもあって、千代田線は混んでいた。「あっ、しまった、世の中は平日だった」と改めて実感する。

千代田線の乃木坂駅から、重たい荷物を抱きかかえて階段を登り、そこから歩くこと10分弱。ようやくリッツカールトンが見えてきた。

なお、予め予約をしていれば、ベンツSクラスで東京駅まで送迎してくれる。そのかわり片道1万数千円。さすがにそこまで贅沢をする発想はなかった。

リッツカールトンの入り口は、わざと隠れ家風にしているのか、細くて長い専用廊下をグネグネと歩いた先にある直通エレベーターに乗ってビルの45階へ。

するとそこには、「えっ、45階でこの吹き抜け!?」と仰天するような空間が広がっていた。正面には、巨大なクリスマスツリー。ツリーというか、もはやピラミッドだ。

ロビー入り口には、宝飾品やバッグが飾られている。なんなんだここは。

「ザ・ロビー」と名付けられた、リッツ・カールトン東京のロビー。ここでお茶をすることもできる。

ただ、当然お値段もこのラグジュアリーな空間に見合ったものになっていて、1杯2,000円近かったと思う。500円のコーヒーと味に大差はないはずなので、空間代、サービス代だ。

こういうところで打ち合わせをやったらねずみ講の勧誘がはかどりそうだ。でも、そういうことをやっていたらすぐにスタッフに通報されて追い出されるだろうけど。

最近、自宅近所のルノアール入り口に「マルチ商法の方の利用をお断りします」という張り紙が貼ってあって「そうかー」と感心したものだ。

僕らの朝食ビュッフェってどこだ。

入り口で既に圧倒されてしまい、どこからがレストランでどこからが汎用的なスペースなのか、違いがわからない。なにせ、カーペットの分厚さ一つとっても通常の世界とは段違いだ。

このホテルにはいくつものレストランが併設されている。ええと、看板を見ると「ザ・ロビー」の奥には3つのレストランがあるようだ。慣れないとわかりにくい。

スタッフの方に案内されて、「ビストロノミー・タワーズ」の席に向かう。

原則、ここは宿泊客向けのレストランだ。しかし、事前に予約を入れ、ホテル側に受け入れる余地がある場合は僕らみたいな外来の人でも食事が可能となっている。

なお、このレストランにはドレスコードがある。「スマートカジュアル」となっているので、夏場などうっかりTシャツ姿で中に入ろうとすると制止されるだろう。幸い今は冬だったということもあり、常識的な服装だった僕らは入場を断られることはなかった。

周囲を見ると、もう見るからにお金持ってます感がある、優雅な人たちだらけだ。外国人比率が高く、のんびりと外国語の新聞を読み、コーヒーを飲みつつくつろいでいる。ビュッフェだ!うおおお!みたいな人は皆無で、食事をとっている人はだいたいヘルシーな食事をちょっと、という気配。ちょっと僕ら、場違いかもしれない。

僕らがこれから利用する「TOWERS BUFFET」は4,500円。

えっ、これだけラグジュアリーな空間なのに4,500円なのか、とむしろちょっと意外に思う。ただし、ここにサービス料と消費税が別途かかるので、最終的なお支払いはそれなりになるのだけれど。

とはいえ、たとえば単品でエッグベネディクトを頼み、コーヒーを頼んだら2,200円+1,600円=3,800円+サービス料+税、となる。あれっ、それだったらビュッフェでいいじゃん、ということになる。

なんでこのお店はモーニング時間帯のメニューをビュッフェ1つだけにしないんだ?と不思議に思う。でも、「お得とかどうでもいいんだよ、ビュッフェなんていらないんだよ」という客層が一定数以上いる、ということなのだろう。「サラダにフレッシュフルーツジュースだけで十分」みたいな人とか。

ビュッフェカウンター。

予め言っておくが、僕はこれを見て絶望した。

到底全メニュー食べる、なんて出来ない品数。そして立体感とシズル感、演出がすばらしいディスプレイ。右を見ても左を見ても料理だらけ。しかも、高級そうなオイルやビネガーの瓶が並ぶ。

これまでの僕の常識では理解不能な、頭が混乱するしかない眺望だった。「すごいすごいすごい」とはしゃぐ気にはなれなかった。なんだかわからないけど、「ごめん、負けた」と誰かに謝りたい気分になった。

見てよ、半熟卵は鍋の中で保温されていて、鍋の温度は常に50度にキープされている。こういうの一つとっても「すごいなあ」と驚かされる。

その隣にはかつお節。わざわざかつお節削り器(かんなになっていて、かつお節の塊を削ることができる)の中にかつお節が入っているという演出。

そしてその横には、藁づとに入った納豆がディスプレイされている。とにかく、一つ一つに演出ほどこされていてすごい。

明太子は、刻みネギ程度のさりげない存在感で置いてある。しかしよく見てほしい、ちゃんとお皿の下には氷が敷き詰められている。よくやるなあ。

もうこの辺りで、全部撮影するのは無理だし、こういうレストランで撮影すること自体が下品だし、という諦めの境地に達していた。しかし、そうはいっても写真は撮りたい。萎える気力を覚えながらも、雰囲気だけでも写真を撮る。

ここは和食エリア。

ご飯が、一升炊きの炊飯ジャーに入っているようなことはなく、ストウブに入っているのにもびびった。ああそうか、こういうところで朝食を食べる人は、そんなにライスを必要としていないんだな。

さっきからビビりすぎだ。

(つづく)

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