12:27
お昼ごはんを食べに、宇都宮市街のドン・キホーテにやってきた。
ここの地下一階に、宇都宮に星の数ほどある餃子店のあれこれが一同に会したお店、「来らっせ」があるからだ。
大谷資料館から宇都宮市街に移動するのは、目的地である三依とは逆方向になる。それでも立ち寄ったのは、1年前に日光湯元でテントを張った際、帰り際にここに寄ろうとしたけど断念した経緯があるからだ。
その時は街の中がお祭りで交通規制されていて、お店に近寄ることすらできなかったしコインパーキングも見つけられなかった。今日は1年ごしのリベンジだ。
ここもコロナの影響があるようだ。ホワイトボードに「時短営業中」と書かれている。
街のど真ん中にある餃子店だけど、観光客は激減だろうし地元ビジネスマンも敬遠しているだろう。コロナまん延防止のため営業自粛をすることで国や自治体から休業補償を貰っている飲食店が結構あるご時世。営業しているだけでもありがたい。
ちなみに来らっせは同じフロアに2店舗存在する。「日替店」と「常設店」だ。初めて来た人は混乱するかもしれない。
こちらが「日替店」。
屋台みたいなものをイメージしそうだが、お店は固定。ただ、メニューが日替わりだ。月曜日はA餃子店とB餃子店の取り扱いがあって、火曜日はC餃子店とD餃子店・・・という意味での日替わりになる。客席も厨房も1つだけれど、扱う餃子そのものは日によって異なる。
一方、「常設店」は新横浜ラーメン博物館のように敷地内に餃子の有名店が立ち並んでいる。
僕はこちらのお店を使ったことがない。いつも日替店であれこれ餃子を頼むからだ。
12:57
行列が多いのでどうなることかと思ったが、30分ほどで入店できた。
過去、ここで1時間以上待ったことがあるので、できれば食事時には訪れないほうがよいお店。
テーブルにはアクリルパネルのついたてが立てられ、隣の席との間仕切りとしてロールカーテンが天井からぶら下げられていた。
2020年ならではの光景。このお店に限ったことではないが、だんだん「過度な客席の遮蔽はやめよう」という雰囲気になっていき、大げさな間仕切りは減っていった。むしろ、遮蔽されていると空気の循環が悪くなり、前の客が排出したウイルスがその空間に残留するなど、悪影響が大きくなるとさえ言われている。
このあたりの知見は日進月歩なので、以前は良いとされていたことが後になってひっくり返ることもザラだ。
来らっせの土曜日メニュー。
特徴的なのがメニュー下半分に記載されている餃子で、この日はA盛り~E盛りまで盛り合わせが用意されていた。
1皿に餃子が6個乗っているのだけれど、それぞれ1個ずつが別々のお店の餃子だ。
つまり、6皿を頼むと一度に60店舗分の餃子を食べることができる!というわけだ。実際、昔に仲間たちとそれをやったことがある。もちろん一人で60個の餃子を食べたのではなく、メンバー全員でシェアしながら6皿60個60店舗分の餃子を食べた。あれは楽しかった。
今回はいしと僕の2名なので、2皿12店舗イケればいいかな。
漬物。
「ほう、そう来たか」
いしが頼んだ注文。僕ならば漬物という発想はないので、新鮮だ。
結婚して良かったと思えるのは、こういう「自分なら選ばない」体験を得ることができることだ。なので、最近の僕はだんだんとお店や料理選びについて自己主張が減ってきている。いしにお任せするか、または「A定食とB定食があるなら、いしが頼んでいない方が僕の」というような頼み方をする。
それはそれで良いことだとは思うが、だんだん自分自身の生命力というか、生きる喜びや欲望が減ってきている気がする。これで果たして良いのだろうか?もっと「俺はこれを選ぶんだ、邪魔するな」といしとメニュー選びで喧嘩するくらいの荒ぶりがあったほうが若々しいのだろうか?
なにせ歳が12歳も離れているので、自分がいかに老いているかを感じることが多い。そこに安住しないで反発するのが良いのか、それとも老いを受け入れるのが良いのか、本当に悩ましい。
ひたすら焼餃子を追求して、店舗数を稼ぐというのが僕の好みだ。それでもこれだけは頼まざるをえない、と僕が白旗を上げて毎回注文しているのが、青源の水餃子だ。
これがうまい。
餃子の味はさることながら、スープが特にうまい。酸味が効いた味噌スープで、食べるとしゃきっとする。こんな水餃子はなかなかないので食べていて嬉しい。焼餃子の箸休めにもなる。餃子の箸休めに餃子、というのは変な話だけれど。
結局、焼餃子の盛りを4皿頼んじゃった。6店舗✕4皿=24店舗。
見ろ!ここに宇都宮の餃子が24店舗も集結しているぞ!
もちろん、2人でこの分量だ。一人12個ずつなので、自分が食べられるのは12店舗までなのだが。
夫婦とはいえ、さすがに2人で1個の餃子を半分ずつシェアする、ということまではしない。
13:34
餃子をしこたま食べたあと、本日の幕営地である三依を目指す。
その前に、いしがGoogleマップで見つけたパン屋に向かう。「パンデパルク」というお店。
今回、キャンプだからといって大規模な自炊をやる予定はない。夕食はキャンプ場のセンターハウスにある食堂兼居酒屋的なお店に頼るつもりだし、朝ごはんはパンを買っておこう、ということにしている。
昔、アワレみ隊で天幕合宿をやってきた僕としては、キャンプで自炊というのはガッチリやりたい派だ。一方でいしは面倒なことを嫌う性分で、キャンプくらい飯はシンプルでいいじゃないか、と考えている。昨年の上高地や日光湯元のキャンプでもそうだったが、今回もシンプル飯で妥協した。
キャンプで自炊となると、食器類からはじまってまな板や包丁はどうするのとか、洗剤やスポンジは持参するの?とか、現地情報の調査と自分の身支度が大変になる。そういう検討があると一気にキャンプに対して腰が重たくなるので、シンプル飯でもしょうがないかぁ、と僕は思っている。
昔、アワレみ隊でオートキャンプをやっていた頃は、僕にはマイカーがあった。車の荷台にはキャンプ用品が置きっぱなしになっていて、ガスカートリッジの残量とかさえ確認がとれれば、いつでもキャンプに出撃できたものだ。やっぱりキャンプというのは車があると圧倒的に便利だ。
13:30
あしたの朝ごはん用のパンを購入。
これをパクパク食べて、あとはコーヒーを沸かせばいいんだからとにかく話が早い。楽だ。
これが朝ごはんはコンビニおにぎりとかだったら効率重視すぎて残念感が強いけれど、行った先のベーカリーでパンを買って食べる、というのはちょっとわくわく感がある。これだったら残念ではない。
(つづく)
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