上高地、COVID-19の間隙を突いて【徳沢キャンプ2020】

15:32
徳沢キャンプ場の説明書き。

徳沢園の営業時間は以下のとおり。

売店:06:30-19:30、喫茶:07:00-19:30、食堂:07:30-15:00

喫茶営業は19:30までやっているが、食堂は15:00で終わりとなる。同じ場所なんだから夜もやればいいのに、と思うが、COVID-19流行中ということで夜の食事提供はやっていない。おそらく、夜になるとお酒を飲んで大きな声を出す客が現れて、そのため周囲の客が飛沫感染する可能性がある、ということを施設側は恐れているのだろう。

徳沢ロッヂは、本来15:000-20:00の間、外来入浴を受け付けていた。テント泊の人にとっては、体をさっぱりさせることができるありがたいサービスだ。しかし、今シーズンは外来入浴が中止だった。これも感染症予防のためだ。

とにかく、他人と近づくことが悪いことだと考えられていたのが2020年の日本だ。他人に対する警戒感は、人口が多い都会だけでなく、ここのような山の中でも同じだ。むしろ、都会よりも警戒感が強いかもしれない。なにしろ、感染症は都会の人が持ち込んでくるわけで、清浄な山の中にいる人からすると被害者のような立場だからだ。

徳沢園で借りた毛布は真っ赤だった。目立つ。これにシーツが付属する。

この後設営するテントには、徳沢キャンプ場の「届出済み」と書かれた札をぶら下げておく必要がある。お金をちゃんと払いました、という証明になるからだ。

ただ、最近のキャンプブームはマナーが悪い客も大勢現れて、お金を払いたくないから日没になってテントを張る、という人もいるようだ。施設側の目の行き届かないところで無断宿泊をするわけだ。

徳沢園の建物に隣接して、入口が柵で囲われたトイレがある。ここは有料トイレだ。

こことは別に、キャンプ場の傍らに無料の公衆トイレがある。お互いの距離は200メートル~300メートル程度だろうか。

無料のトイレが汚いというわけではないが、より快適なトイレを利用したければ、お金を払って有料トイレを使うという選択肢がある。

せっかくなので、お金を払って有料トイレに入ってみる。トイレにはこのような看板が掲げてあった。

このトイレの建設・維持に莫大な費用を当園で負担しています。
テント、食事、宿泊を御利用のお客様にも利用料金負担をお願いしています。
お支払い頂けない方、ルールを守れない方は使用しないでください。

徳沢園の宿泊者はせめて無料かと思ったが、宿泊者でさえ等しくお金を払うよう、徳沢園は求めている。結構厳しい。

じゃあお金を払うと何が良いことがあるのか、というと、温水洗浄便座が備え付けられているということだ。あと、公衆トイレならではの寒々しさや匂いといったものがない。

そういったものに価値を感じられるなら、100円以上をポストに入れて利用するといい。

一方こちらは、無料の公衆トイレ。

先程の有料トイレが徳沢園の管轄なのに対し、こちらはおそらく環境省管轄だと思う。国立公園内の施設だから。

明神、小梨平などにあるトイレと似たデザインになっている。

トイレには、熊目撃情報の注意書きが貼ってあった。しかし、日時の記載がない。幸い、ここ最近では徳沢周辺に熊が現れていないのだろう。

一方でサルは堂々とそこら中にいる。日光を始めとする観光地で、サルが観光客の食べ物を奪ったり、土産物店の商品を盗んだりするといった被害が発生しているが、まだ上高地界隈のサルはそこまで凶暴化していないようだ。

公衆トイレの男性用トイレ。

清潔さにおいては全く問題なく、無料トイレだから何かを我慢しなければならないということはない。

炊事場近くにあるベンチ。

3人程度が座ることができる長さだが、ベンチの真ん中に張り紙が張ってある。この張り紙が張ってあるところには座らないでくれ、という注意書きだ。

このため、このベンチは最大2名掛けということになる。

隣り合って座るだけでも危険、感染するかもしれない、という当時の警戒感がよくわかる光景。

炊事場入口には、手指消毒用のアルコールジェルが置いてあった。

どうせ水で手が濡れるのだから、手についた菌は洗い流されるだろう、と思う。しかし、「一番最初に蛇口をひねる際、菌に汚染された手だったら菌が蛇口に付着するじゃないか!」というのが当時のわれわれの認識だった。今となっては笑い話レベルの大げさな対応だけど。

このアルコールジェルは、「菌が気になる方はご自由にお使い下さい」という任意で設置してあるわけでない。「水場を御利用の方は必ず手を消毒してからご利用ください」と書いてある。任意ではなく、義務という位置づけだ。

その炊事場は、シンクごとに「飲料水・炊事用」と「手洗い・食器洗い用」とがわかれていた。

これはCOVID-19に関連した対応なのか、そうでないのかは不明。

(つづく)

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