
12:59
お昼ごはんを食べ終えたところで、軽く敷地内を散歩する。
僕ら二人は食事時間がとても短い。せいぜい15分だった。子どもがまだ小さく、おっぱいしか飲まないので時間がかからない。そして抱っこされたまま時間を過ごし、さらには寝ていることも多い。
弊息子タケは、「一度泣き出すと泣き止まない」などと親を困らせることが殆どない子だった。育て方がどうこう、というわけではなく、そういう気質でたまたま産まれたのだろう。
なので、彼が小さいときから僕ら夫婦はあちこち動き回ることができている。
おっと、こっちの畑はわさびが茂っている。
畑のわさびは2年がかりで栽培するそうなので、秋だからといって畑全部が丸刈り状態になるわけではないのだな。
今は畳まれているけれど、わさび畑の上に黒いカーテンがずらっと配置されている。寒冷紗、というもので、夏になると直射日光を避けるために寒冷紗を広げ、わさびはカーテンの下で育てられる。

大王わさび農場名物の、わさびのソフトクリーム。
ご丁寧に1種類だけでなく、何種類かある。
生乳
本わさび
本わさび+生乳(いわゆるミックス)
大王プレミアム
大王プレミアムだけ90円割高の480円。すりおろしたわさびがソフトクリームに添えられている。

「お子さまでも食べられます」という張り紙。
ちなみに弊息子、生後7ヶ月は親のなすがままに抱っこされて大人しくしている。もちろんこのお子様には食べさせられない。

やっぱりこういうところでケチってはだめだと思う。プレミアムのわさびソフトを買う。
わさびソフトそのものが美味しいか?というと、僕は疑問だ。でも、ここに来たからには食べなくちゃ損だ。特にすりおろしわさびと一緒にソフトクリームを食べる、という体験は楽しいから。
修善寺の南、浄蓮の滝でもこの手のわさびソフトクリームは食べられる。あちらもおすすめ。

13:18
川沿いのサイクリングロードをキコキコこいで、穂高駅に向かう。やや遠回りになるけれど、サイクリングをするにはとても気持ちの良い道。すごく楽しい。
安曇野の開放感は素晴らしく、思わず「ひょーう」と声をあげたくなるレベル。
電動アシストつき自転車だったこともあり、必死にペダルを踏まなくても良かった、というのも大きい。
トレーニングじゃないんだから、観光地でのレンタサイクルは今後電動アシスト付き一択だな。少々高くても、観光地を楽しむゆとりができるのはとてつもなく大きい。

ナウシカみたいな格好になってじっとしている弊息子タケ。
この光景を見て、自分の人生の原体験になる・・・なんてことは100%ないだろう。じゃあ、今彼が見ているこの景色は、彼の脳にどう影響するのだろう?

13:48
予定通りレンタサイクルを返却し、穂高駅に戻る。
大糸線がやってきた。これで松本へ。

14:18
松本着。
大糸線のホームは、アルピコ交通上高地線と隣合わせだ。お互い単線の路線なので、ホームが1つずつしかない。
新島々に向かう上高地線は、レトロな電車だった。
いつもならこれに乗るのだけど、今回は違う。松本駅から中の湯温泉旅館の送迎バスに乗り、中の湯へ直行だ。ありがたいサービスだ、つくづく。だって、「駅から旅館までおクルマで10分」とかいう距離じゃないんだぞ?片道1時間以上かかる場所だぞ?しかも翌日、上高地バスターミナルまで送り届けてくれるサービスまである。

14:23
松本駅改札入って正面のところにある、駅弁を売っているコーナー。
いつもは気持ちが急いているのでゆっくり見る機会がなかったが、今回はまだ時間がある。なので、ここぞとばかりにジロジロ見ておく。
今日は駅弁を買う用事はないものの、今後の参考になるだろう。
あと、僕にとっては「ノンアルコールビールが売られているかどうか」は大事な要素。未だに、店によっては取り扱いなしのところも多いのがノンアルの現状だ。
・・・ほら、ここでは売っていなかった。
ちなみに、新宿方面行きホーム上のNEWDAYSではノンアルが売られている。

駅弁ラインナップ。
それはともかく、2021年を語る上でおさえておきたいのが、駅弁ラインナップの上に貼ってあるステッカーの数々だ。
「GoToトラベル」「県民応援前売割」「信州割」
などさまざまなクーポンが発行されていたご時世だった。「不要不急の外出は避けろ」と言いながらも、観光業が壊滅的被害を受けると大変だからと旅行料金の最大半額が補填されるような超絶大盤振る舞いな施策がいくつも立ち上がった。
で、地方民からはパンデミックの温床、リアルバイオハザードの地と目されていた東京都民はこれらのサービスをなかなか享受できず、悔しい思いをすることになった。
現実にこのときの旅で、同じ宿に泊まって同じサービスを受けているのに、フロントで支払っている金額が雲泥の差・・・という光景を目の当たりにした。すごくイヤーな気持ちになったものだ。
そして、うっかり「東京から来ました」なんて口にしたら、いくら観光業に従事して場馴れしている人でも「おっ、この人はヤバいかも?」と一瞬身構える仕草が垣間見えることがある。とにかく東京人は肩身が狭い。そして金銭面で優遇されていない。
(つづく)
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