
14:35
今日は10月29日。そろそろハロウィンということで、弊息子タケにジャック・オ・ランタンの帽子を被せる。
こういう格好を親の一存で子どもにできるのは、あと何年だろう。3年?4年?
子育てというのは、いつも「終わりに向かって走る」ことだな、と僕は思っている。人によって捉え方はいろいろあるだろうが、僕はそういう考え方だ。手塩にかけて育てた成果が、親からの独り立ちなんだから、一体何をやっているんだろう?と子どものオムツを交換しながら考えることがしばしばだ。
いずれにせよ、今目の前にいる「カボチャを被った赤ちゃん」というのは眼福だ。
弊息子タケは無表情だ。帽子を被せられたことに対して、特に喜びも悲しみもないらしい。この無我の境地が、赤ちゃんの可愛らしさの源泉だと思う。
単なる眼福目的でカボチャを被せているわけではない。10月末ともなれば、松本は寒い。これから向かう上高地は、標高が1,500メートルなのでもっと寒い。そんな場所で風邪をひかれたら困るので、防寒はしっかりとやらなくちゃいけない。

僕ら家族が大好きな「松本からあげセンター」。
松本駅の駅ビルに居酒屋を兼ねたお店があり、そのお店は利用したことがある。でも、駅から出てすぐのともろにも「からセン」という名前で別のお店があることを知った。
中の湯温泉旅館の送迎バスが出発する時間になるまで、様子を見に行く。
行ってみると、確かにお店があった。駅からすぐだ。立ち食い蕎麦屋の小木曽製粉所よりも駅寄り。
駅ビルのからあげセンターは混んでいることが多いので、第二案としてここで買うのもありだと思った。覚えておこう。

値段をチェック。
テイクアウトやお弁当中心だが、イートインもやっているらしい。
ちなみに山賊焼き1枚680円、タレからあげ10個1,400円など。

松本駅に戻る。
改めて大糸線の時刻表を確認する。
ダイヤが薄い。朝と夕方は1時間に2本あるものの、昼間は1時間に1本。
新宿から南小谷に向かう直行便の特急あずさは1本のみ。昔は「スーパーあずさ」と名がつく再速達便の多くが南小谷まで行ってたのに、随分と便が減った。
公共交通機関で旅行がしづらくなったなあ、というのはこの10年くらいの短いスパンで見ても如実に感じる。特に山に行く場合は、なおさらだ。登山口に向かうバスが減便になったり休止になったり。「山は逃げない」という格言があるけれど、実際は違う。早く登らないと、山に登るチャンスを失ってしまう。それが少子高齢化・経済縮小時代の日本の現状だ。

おっと。
これは減便とか休止とは違うのだけど、アルピコ交通上高地線の代行バスのお知らせがでていた。
大雨によって途中の橋が壊れてしまったため、現在復旧工事中というのはニュースで聞いていた。その代替策として、松本から2駅先の渚駅までの間は代行バスが運行し、渚から新島々までは通常運行、というダイヤになっていた。
松本駅から出る渚行きのバスは、松本駅東口(アルプス口)を出たところのロータリーから発着するとのこと。
僕らも、帰りは上高地線を利用する。渚駅から松本駅まではバスに乗ることになりそうだ。

14:45
アルプス口ロータリーで待機していた、中の湯温泉の送迎バスに乗車する。二度目なので慣れた。
前方には、アルピコ交通上高地線の代行バスが停車している。10月末でもはやシーズンオフに入りつつあるので、バスは1台のみ。

バスに乗ること1時間強。
途中ノンストップでバスは中の湯温泉に向かう。
釜トンネルが見えてきて大興奮する僕。やっぱり何度見ても気持ちが高ぶるトンネルだ。あのトンネルを超えたら、別世界の上高地が待っているんだ!と思うと、尻が若干浮き気味になる。

そしてその釜トンネルのすぐ脇にある、卜伝の湯。
昨年、土砂崩れがあって、使えなくなってしまった。(2025年時点でも、復旧の目処なし)
情報によると、「階段部分が崩れた」とのことだ。この狭い湯屋は川沿いギリギリの崖に建てられており、入口入ってすぐが脱衣所、そこからUの字を描くように階段を下り、降りたところに湯船がある。狭い。「階段部分が壊れた」ということは、建物のあらかたが壊れたということであり、復旧は難しい。
僕らは2019年秋に入浴する機会があった。

この時に入ることができて、本当に良かった。その数ヶ月後には、土砂災害に見舞われてしまったのだから。
何事も、後回しにしないで「今できることなら今やっておいたほうがいい」ということをつくづく感じさせる。

中の湯温泉に向かうバスは、国道をそれて旧道の峠道に向かう。
正面には有料道路となる安房トンネルが見える。一般国道なのに有料道路がある、というのは一見不思議だが、ここは高速道路として使われる計画がある場所なので、そういうことになっている。
また、トンネル掘削中に水蒸気爆発があって死傷者が出る事故も発生しており、かなりの難工事だったと聞く。間近にある焼岳は今でも煙を吹き上げている活火山であり、地下に火山のパワーを蓄えている。その御蔭で温泉に入ることもできている。

焼岳登頂記は↑こちら。

16:11
中の湯温泉に到着。
宿の玄関から、穂高連峰が見える。性格に言うと前穂高岳、明神岳か。
雲が若干かかっているものの、今のうちに写真を撮っておく。明日も同じように晴れるかどうかわからない。山の天気は移ろいやすいので、ベストとはいえない状態でも「とりあえず撮っておく」ことは大事。
(つづく)
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