
13:52
笹原に伸びる登山道。この道を進むと、神坂峠。
背後には、巨大な恵那山が見える。
ああそうか、結構距離があるな・・・ということに改めて気づく。
なにしろ、ヘブンス展望台からバスで萬岳荘までやってくるルートは、ひたすら恵那山山頂から遠ざかっていく方角だ。そりゃあ遠くなるわけだ。
恵那山は雄大な山なので、傾斜もさほどキツくなくチョロそうに見える。でも、あの山頂まで結構な直線距離だし、それなりの山登りが待っていそうだ。

富士見台高原の最高地点に向かうルートからほんの少し逸れ、「神坂小屋」に行ってみた。
避難小屋として作られているらしい。
訪れてみると、サイズは小さいものの、新しくて立派な建物だった。二棟建っているので、人気で増築したのだろうか。片方の小屋はトイレあり、片方の小屋はトイレなし。

入口の扉から中を覗き込んだところ。コの字型のベンチなのか、カウンターテーブルなのか、棚なのかわからないものが壁に取り付けられていた。
内部はこれだけ。
周囲に水場はないので、水と食料、寝具などすべて持参することが条件でここに泊まることができる。

あらためて登山道に戻り、富士見台高原を目指す。あ、すでにここがもう富士見台高原か。
この時点でかなり展望が開けているので、ご機嫌なハイキング。

な?最高だろ?
こんな道をてくてく歩くんだぜ?
正面が富士見台高原のピークになる、標高1,739メートルポイント。
そして左奥には御嶽山、そしてその奥には乗鞍岳が見えている。

ほら、標識が見えてきた。もう山頂だ。

富士見台高原、標高1,739メートル。
広々とした山頂。山頂・・・というか丘の上。
よく、「360度パノラマ」などという言い方をするが、ここはまさにその言葉がふさわしい。なんだこれは!?と目を疑うレベルで、様々なものがぐるっと一周よく見える。

恵那、中津川方面。

そして北側を見ると、左から順に御嶽山、乗鞍岳が見え、乗鞍岳の右奥に何やらごちゃごちゃっと高い山がぼんやり見えるなーと思ったら、穂高連峰がそびえている。
写真の右端、写っていないところには中央アルプスがある。

そして振り返ると、恵那山。大きいなぁ。雄大だ。
標高差がさほどなく、楽そうに見えるんだけどそうじゃないんだろうなあ。だって標準コースタイム、相当長いんだから。そうは見えないんだけどなあ、なんでだろうなあとここまで来てもまだ不思議だ。

萬岳荘がある方向。笹の原っぱが広がる素敵なエリア。

14:28
さて、下山しよう。もと来た道を戻る。

南アルプスの山脈を眺めながらの歩きは最高。

中央アルプスの山が見える。山が折り重なっていて、どれが空木岳でどれが木曽駒ヶ岳か、よくわからない。

登山道分岐。
まっすぐ行くと往路と同じ道で、萬岳荘に戻る。
左に曲がると、萬岳荘の裏手の歩くルートで、神坂山に立ち寄ることができる。そしてそこから萬岳荘に下山も可能。
この風景がとても気に入ったので、もっと笹原を歩きたい。神坂山に向かうルートに向かった。
分岐点には、「落雷遭難の碑」という石碑が建てられていた。確かに、こんな遮るものがない場所で雷が鳴り始めると、逃げ場がない。ましてやストックなど尖ったものを持ち歩いていたら、なおさらだ。

恵那山を右手に見ながら、神坂山を目指す。

あまりの絶景なので、嬉しくなってあっちこっちにビデオ通話をしてみた。自撮り棒を使って。
しかしこの界隈はドコモの電波が限りなく入らず、殆どビデオ通話はできなかった。
あと、感心したのは、PLフィルターをレンズに装着した状態でスマホを撮影すると、画面が真っ暗に写った。へえ、こういう見え方になるのか。

14:51
深い笹に覆われた道を歩いていくうちに、分岐が見えてきた。右に曲がれば萬岳荘に一気に下る道、まっすぐ進めば神坂山への道。
神坂山は眼の前のピークなので、分岐から目と鼻の先だ。当然、登ることにする。

分岐表示。何が書いてあるのかよく読めない。

神坂山への道は、びっくりするくらい笹に覆われていた。
とにかく、足元が見えない。
なんとなくここが登山道だろうな、というところを歩いていくのだが、この道にはまいった。自分の身体の大半が隠れるほどの笹が迫ってくるというのは、恐怖だ。
11月ということもあり、クマと遭遇したら困る。大声を出してクマ避けをしつつ、転ばないように進む。
(つづく)
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