蓄積されていく疲労と制限時間のプレッシャー。それでも絶景は微笑む【恵那山・富士見台高原】(その8)

萬岳荘2階にある、キッチン。

一通り鍋釜食器類が揃っていて、これで料理を提供していないことが信じられないくらいだ。

電子レンジ完備。あと、受付にガス代を支払えば、ガスコンロを使うこともできる。

電子レンジ、さらにはオーブントースターも完備しているから驚きだ。

その下には、旅館の食事でよくでてくる、いわゆる「民芸コンロ」と呼ばれる固形燃料を入れて調理する器具がたくさん置いてあった。

宿から食材を有償提供してもらうことができた時代、その食材をこのコンロでセルフ調理して食べたのだろう。

大きな炊飯釜、シンク、そして業務用のガスコンロ。

ガスコンロのサイズが大きいので、中華鍋があれば豪快にチャーハンが作れそうだ。

厨房とつながっているスペースには、机をと椅子が並んでいた。ダイニングとして利用する場所らしい。

ストーブが結構な密度で並んでいるのだが、結局この日まったくこのストーブに火が灯ることはなかった。いつ使われているのだろう?

ダイニング奥から厨房方面を見たところ。

日陰なので、昼間でも寒い。なので、誰もいない。

ダイニングの奥は、暖炉がある部屋になっていた。

この日は、あとからやってきた女性が1名宿泊していた。男女別ということで、女性にこの場所が与えられたらしい。一方男性はたぶん僕を入れて3名で、3階の部屋が割り当てられていた。

萬岳荘2階のテラス。

誰もいない。15時半、ということでまだ「昼下がり」の時間だというのに。

先ほど、ヘブンス展望台に行く終バスは出発してしまった。あとは、萬岳荘ないし神坂峠まで車でやってきた人が少々残っているものの、その人たちも帰路を気にして、もはや数が少ない。

なにせ今日は日曜日だ。多くの人は、明日からお仕事がある。早く帰宅しないと。

そんなわけで、すっかり静かになった萬岳荘でのんびりと過ごす。

やることはないのだが、かといってこの時間から夕ご飯を食べるには早すぎる。

2階テラスから3階、そして屋根を見上げたところ。

独特なものがひさし部分に取り付けられている。雨が降ったとき、雨水を集めるための雨といだ。ちょっと変わった作りをしている。

トイレ。

日陰にあるため、昼間でもとても薄暗い。

いったん装備品を整理するために、部屋に戻る。

自分が敷いた布団と、ザック。

後にこの部屋にはソロ男性がやってきて、二人部屋となった。会話は一切しなかった。

寒さ対策グッズ。

左は、イージースパイク。着脱簡単な、靴に装着するスパイクだ。

朝、山道を歩いているときに凍結箇所がもしあったなら、これで対処する予定だ。

そして右は、見たまんまグローブ。グローブを着用したままでもカメラ撮影やスマホ操作ができるように、親指と人差指の先端を外に出すことができる。大きくて重たいグローブなので、大げさな持参物だけど、一応念の為。

そして、ダウンジャケットとハクキンカイロで寒さ対策をしっかりと施し、その他にも1泊山小屋泊、下山後に入浴予定なしにもかかわらず多くの衣類を持参している。ちょっと荷物が多すぎたと萬岳荘にて反省。

15:56
受付でノンアルコールビールを買って、夕暮れ前の一人宴会をやることにした。

ノンアルコールビールを買ったら、おまけで「ばかうけ」的な米菓をおまけで貰った。

ひとまず本日はこれにて終了。あとはメシ食って明日の荷造りして寝るだけ。16時にしてすでに気が楽だ。

ただ、ちょっと寒くなってきた。防寒のため、ウィンドシェルを着込む。このウィンドシェル、薄手で軽量だけど防風が効く。なので、ある程度の防寒着として使える。

・・・とはいっても、寒い!

16時2分時点で、外でにこやかにノンアルコールビールを飲むどころの気温じゃなくなっていた。

慌ててハクキンカイロに着火する。暖を取らないとこれは厳しい。

晩ごはんのノンアルコールビールのつまみ兼、登山中の行動食&非常食たち。

なぜ、かさばるせんべいなんて持参したのかは謎だが、おそらく出発前日にあわてて荷造りをしたため、台所の食料庫から適当にあれこれ持参した結果がこれだろう。

ごまスティック、アーモンドチョコレートなどもかさばるものだ。

極めつけはノンアルコールビール3本を持参していることだ。我ながらよくやる。

結果的に、この萬岳荘でノンアルコールビールが手に入ったので良かったが、もし売っていなかったら暇を持て余してしまう。だから下界から担ぎ上げたわけだ。夕ご飯のお供、そして夕ご飯時までの暇つぶし用としての飲み物だ。

3本もノンアルコールビールを担ぎ上げておきながら、なお萬岳荘の受付でノンアルコールビールを追加購入している理由は、単に「冷たいやつを飲みたい」からだ。

でも、冷たいやつは最初の1口だけ痛快で、それ以降はただ寒かった。

16:15
ということで不肖おかでん、不本意ながらわずか15分でテラス席から脱走。ダイニングに逃げ込む羽目になった。

ダイニングからは外の景色が殆ど見えないので、せっかく山奥に来たのにとても残念だ。でも、寒さに耐えるためには仕方がない。

16:37
それでも寒さは解消されない。

慌ててしまうレベルで、急速に気温が下がってきた。

ウィンドシェルの下にダウンジャケットを着込んで着ぶくれになってみる。さらには、屋内にもかかわらずグローブを装着してみた。僕は冬の屋外でも手袋なんてしない性分だ。それでもこの地ではグローブを使わざるをえないくらい、寒い。

17:01
寒さに耐えかねて、もう夕ご飯を食べることにした。

僕が登山で道中どこかに泊まるときは、たいてい「ギリギリまで夕食時間を遅くする」ということをやっている。ご飯を食べたらあとは寝るだけなので、間を持て余してしまう。それよりも夕食開始が遅いほうが食事前のワクワクが長くて嬉しい。

そんな僕でも、寒いので早く温かいものをお腹に入れたくなってしまった。ノンアルコールビールを次々と飲むだなんて、とんでもない。

まずやったことは、やかんにお水を入れてそれを沸かすこと。温かい飲み物が欲しい。

名古屋駅前の成城石井で買ったエスニックの麺料理を電子レンジで温める。確かラクサだったような。

うう寒い。とにかく寒い。

(つづく)

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