
06:42
大判山山頂。周囲は笹。

06:44
雲が比較的多くて、バキッとした夜明けを眺めることはできなかったが、むしろ雲の色合いが美しくてこれは良かった。

06:44
さあ、本題ですよ。恵那山ですよ。

06:58
大判山をすぎると、自分がこれから歩く道筋がなんとなくわかってくる。
あの尾根をこうやって、ああやって、そして山頂に至るのだな、と。
これ以上変なアップダウンはなさそうで、あとは標高差500メートルを登っていくことになる。

「登山道」と書かれた看板。うん、知ってた。
獣道と間違えないように、という配慮だろうか?
ちなみにこの時点で、当初計画よりも15分程度遅れていた。思ったよりアップダウンがあって疲れたこと、そして写真を撮るたびにタイムロスが多かったことがペースを遅らせていた。気持ちが焦る。

07:03
朝日が本格的に山々を照らし始めた。
落葉樹はもうすっかり葉っぱを落としている。
これから登っていく道は、そんなに大変そうに見えない。この尾根をスイスイと登っていけば山頂でしょう?と思う。

07:04
白樺が美しい。

07:07
日が昇ってきたら気温が一気に上がってきたので、ダウンジャケットを脱ぐ。これから登り一辺倒だし、汗をダラダラかきたくない。
脱いだジャケットをザックに入れたら、38リットルのザックがパンパンになってしまった。荷物が多すぎだ。

07:11
こういう写真を撮っているから、ペースがあがらない。

07:12
11月の登山で良かったと思う。この山、夏に登っちゃ駄目だ。少なくとも、今歩いている神坂峠は駄目だ。暑いし、太陽に照りつけられるし、バテそうな予感。
アルプス縦走と違って、ここはまだ標高が2,000メートル以下だ。夏でも涼しい山、というわけにはいかない。暑いに決まってる。

07:14
ダウンジャケットを脱いだついでに手袋も脱いだ。なのでカメラで撮影はしやすくなった。

07:16
短い距離ながらも、ハシゴもある。

07:20
いま来た道を振り返ったところ。ヒュウ、景色が良いぜ。
笹で覆われた富士見台が見えるし、中央アルプスがよく見える。「はるか彼方に中央アルプス」と言おうと思ったが、結構近くに見えるぞ。これは楽しい。

07:30
「こだまエリア」と書かれた看板がある、ちょっとした広場に出た。
何が「こだま」なのかよくわからない。どこかに向かって「ヤッホー」と叫べば、こだまが返ってくるのだろうが、どっちに向かって叫べばよいのだろう?
あと、山のなかでいきなり叫ぶと、「助けてくれ」という意味だと勘違いされるおそれがある。ハイキング向けの低い山ならともかく、ガチな山で叫ぶのはやめたほうがいい。ということで、僕は叫ぶ真似だけ。

07:44
やあ、きついなあ。登りがずっと続く。
ペースが全然上がらない。やばい、これは予定よりも遅れているぞ、と焦る一方だ。
ピークハントよりも、予定通りの時間に下山してバスに乗って名古屋に戻ることが最優先事項だ。なので、まだ登っている最中だし、朝8時前だというのに「いつ、どのような判断で撤退しようか」ということばかりを頭で考えはじめた。
現在、標高1,820メートル地点。標高差でいうと山頂まで360メートルちょっと。9時までに山頂に到着できそうに・・・ないな、これは。

南アルプス方面を見ると、飯田あたりが雲海に包まれていた。きれいだ。
こうやって雲海を満喫するのは、人生初かもしれない。

今日の雲海はうっすら。むしろ品があって美しい。これはとても良いものを見ることができた。昨日の富士見台高原も素晴らしかったし、風景に関していうと最上級の贅沢が出来ている。嬉しいなぁ。
でもしんどいなぁ。苦しいなぁ。

07:50
登山の写真というのは、いつまでも「自分目線」の一人称の写真ばっかりとっていては駄目だと思っている。
自分が歩いた軌跡を記録に残せるとはいえ、今やSNSや各種登山情報サービスで登山道の写真はいくらでもある。
なので、「登山道と、自分。登山最中の様子」という写真が随所に織り込まれている旅行写真集に仕上がっているのが良い、と僕は考えている。
理想は、僕が風光明媚な登山道を歩いているシーンを、遠くから写しているものだ。または、急な崖や岩場をよじ登っている僕を、背後から取っているものがいい。
いずれにせよ、僕はあんまり大きく写っている必要はなく、ちっこく写っていることこそが望ましい。ポートレート写真を撮っているわけじゃないんだし、年齢が年齢だけに写真写りが厳しいし。
昔は小さなデジカメと、伸縮自在の三脚でそういう撮影が気軽にできた。思い立ったら、セルフタイマーと三脚を活用して、遠方から自分を撮ることができた。しかし今は重たいカメラ、またはスマホになってしまったため、昔のような「三人称目線での登山道中の撮影」ができなくなってしまった。とても残念だ。
必然的に右手をぐいーっと伸ばして、スマホで自撮りをすることになる。でもそうなると、自分という存在が随分と大きく写ってしまい、主張が強すぎるのがイヤだ。もっと自分がちっぽけであってほしい。だって自然の中にいるんだから。自分の顔がくどい。
持ち歩きに便利な、小さなデジカメが殆どマーケットから消滅してしまったのは本当に残念だ。

07:55
霜柱ができつつある登山道を歩いていくと、今度は「テングナギ」という看板があった。
登山する際にまず見かけない、見慣れないフォントを使っている。誰がどのような目的で設置したのだろう?

07:55
こうやって見ると、何の変哲もない、ゆるやかな登りに見える。
でも、結構キツく感じた。時間の焦りがあるからだろうか。
後でYAMAPを使って、自分のペースと標準コースタイムとを比較してみたら、このあたりは標準コースタイムの70%~80%程度のスピードしかでていなかったことがわかった。これはちょっとショックだ。
昔は、何の事前訓練をしていなくても、バンバン歩くことができた。標準コースタイムなんて、アクシデントでペースダウンしたときのスピードでは?と思うくらい、時間を短縮して歩くことができた。
しかし今はどうだ、標準コースタイムを維持できていない。これが歳というものなのだろう。
(つづく)
コメント