
07:56
前方にそびえる山は御嶽山。独立した山容が美しい。その右奥には乗鞍岳も見えている。やあ今日は良い天気だ。

はるか遠くに、なにか意味ありげな山が見える。なんだろう。

おおすごい、石川県の白山が見えた。
日本三霊山の一つ。そして日本百名山の一つでもある。
魅力的な山なので早く登りたいのだが、子どもも交えて家族全員で白山に登れればいいなぁ、と思っているので随分先になりそうだ。

そして白山から目線を左側(西側)に向けていくと、これまた何か意味深な山が見える。なんだろう、あれ。
どうやら伊吹山らしい。関ヶ原のすぐ近くにそびえる、これまた日本百名山。

この山には、山頂直下の駐車場まで車で行き、徒歩わずか20分で山頂に立つという「登山らしからぬ登山」をした経験がある。

08:02
なんでこんな石の登山道を撮影しているのかわからないが、当時は思い入れがあったのだろう。ああ辛いよ、キツいよ、とぼやきながら写真を撮ったに違いない。

08:12
恵那山山頂方面。山頂付近はなだらかになっていて、下から見るとどこが山頂なのかよくわからない。
ただ、いずれにせよまだまだ距離が遠いことはわかる。この景色を見て、絶望した。こいつァ間に合わねぇぞ、と。

08:15
「テングの頭」と書かれた看板の横を通り過ぎ、先に進む。
登山の最中、看板や分岐がある場所はできるだけ写真を撮るようにしている。何時何分にそこを通過したか、撮影時間が記録になるからだ。
しかし、肝心の「テングの頭」看板を素通し、大して意味がなさそうな登山道を撮影しているのだから随分疲れているのだろう。
ここはテングの頭からほんの少し下ったところ。
おそらく、「何だよ!せっかく標高を稼いできたのに、小さなピークのせいでまた下り坂だよ!無駄に登らされたよ!」という苛立ちでこの写真を撮ったんだと思う。

08:32
だいたい標高1,950メートル地点。ほぼ直登。疲れる。
我ながら全然ペースが上がらず、びっくりする。
不安を煽るのが、標準コースタイムだ。YAMAPもヤマレコも山と溪谷オンラインも、大判山から山頂間近のポイントまで、ざっくり「2時間」前後の時間を示している。途中、コースタイムを分割できるポイントはあるのに、ここだけ区間が長い。
今、どれくらい当初計画より遅れているのかがよくわからないので、不安だ。
ちなみにこの登山では、登山サービスを提供している各社の有料プランは使っていない。有料プランなら、ゴール予定時刻をリアルタイムで表示してくれる昨日があるのだけど、今回はそれが使えない。
なので、「撤退するなら早く判断しなければ・・・」という気持ちが募る。

08:53
あまりにつかれたので、一旦「ウィダーinゼリー エネルギー」を飲む。
こういうゼリー飲料を飲むのは初めてだったが、成分を見ると「砂糖水をゼリーにしました」的な存在なのだな、これって。ちょっと乱暴な表現だけど。
飲んだゼリーがすぐにエネルギーになるわけでもなく、重たい足取りで坂を登る。
直登は相変わらずだし、坂はどんどんきつくなる。登山口からたかだか600メートルの標高差なのに、なんでこんなにキツい登山なんだ。

09:01
石がゴロゴロする急坂。
写真で見たよりも、坂がキツい。登りはともかく、下りは足が滑るくらいだ。石が多いので足場が悪い。
ああ、ついに9時になっちゃった。山頂に着いている予定時刻だけど、まいったな。
一応、バッファとして30分くらいは想定している。なので、この時点で即ゲームオーバーではないものの、困った。

09:19
うわああああ、ついにきたああああ。
山頂付近がなだらかになっている恵那山の、「なだらか部分」に。
ここで登山道は90度に曲がって、なだらかな道を山頂に向けて歩いていくことになる。

「山小屋を経て山頂へ 40分」という看板を見て、やっぱり躊躇する。
つまり、往復80分か・・・。
おそらく、想定していたコースタイムよりも45分くらい遅れている。
撤退するなら、今ここで撤退しないと帰りのバスに間に合わない。今のままだと、ヘブンス天文台に帰着するのが14:25。
そこから35分でリフトを乗り継いでロープウェーで麓まで下りないと、バスに間に合わない。無理かなー、無理っぽいなー。かなり際どい。

09:23
「まあ、なんとかなるさ」でなんとかならないのが登山だ。自分の脚力しか頼るものはないし、脚力は疲労でどんどん落ちていくものだし。最悪、急いだあまりに足をすべらせて怪我をしたり遭難する。
とはいえ、もうこうなったら行くしかない。ここから山頂までは標高差が40メートル程度しかないし、残された体力を使ってできるだけ早歩きで山頂を目指そう。

09:25
ほこらが見えた。

「二乃宮社 剣神社」と書いてあった。
恵那山の山頂には祠が6つあるという。

09:27
急いで前に進む。

09:34

09:37
ここにも祠。

09:40
ここにも。
「四乃宮社 熊野社」と書いてあった。

熊野社の脇を通っていくと、大きな岩がゴロゴロしている岩場に出た。やあ困ったな、と思ったら、何やら眼下に赤い屋根。
(つづく)
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