手品料理
【時 刻】 20:10
【場 所】 シーザーズ・パレス
【料 理】 シーザーズ・マジカル・エンパイア
ラスベガスのホテルは、2日前まで宿泊していたニューヨーク・ニューヨークではなく、道路を挟んだ向かい側にあるMGMグランドにしてある。
そこから、またいろいろ無料トラムを使ったり歩いたりしながら観光する。何をするにしてもカジノの中を通らないと始まらないので正直うっとおしい。無駄に射幸心が煽られて困る。こんなところで大もうけできるとは思っていないし、散財する気もないので射幸心煽られても困るんですけど。
さて今晩はラスベガス復帰1泊目であるが、同時にラスベガス最後の夜であり、なおかつ一週間にわたるアメリカ旅行最後の宿泊でもある。ちょっと特別なディナーにしたいものだ。
安直に店に入って適当に選ぶと、前回のイタメシ屋のように「これを一人で食えと?」という料理が出てくる羽目になる。
ラスベガスといえばショーも有名だ。ラスベガスの巨大ホテルには大抵劇場が備わっていて、そこで毎晩様々なアトラクションが繰り広げられている。常設小屋状態になっているので、「公演は一週間だけです」などということはない。
本当は食事をした後、イリュージョンでも見ようかと思っていたのだが、ジーニアスが「食事もできて手品も見ることができる『マジカル・エンパイア』というのがシーザーズ・パレスにあるぞ。そこにしよう」と切り出した。手品にびっくりして喉に料理が詰まったらどうするんだと思うが、一石二鳥なのでその案に乗ることにした。
事前予約が必要なので、予約はグランドキャニオンに行く前に既に済ませてあった。
指定された時刻は20:10。えらく中途半端だ。時間になって全員がそろうまで入口で待て、というので入口で待つことにした。その入口というのがまた例のごとくカジノの奥にあるわけだが、えらく派手だ。ローマ時代の遺跡みたいだ。ええと、これから食事をするんですよね。そういえば、予約の際、予約デスクの人が「ツアー」という表現をしていたような気がする。まさか、テーマパークみたいにコースターに乗っていろいろなものを見ながら、食事を楽しむ・・・なんてこたぁないよな、さすがに。
入口付近で所在なく立っていたのだが、すぐ隣がスポーツベティングの場になっていた。ここはカジノというよりも、ギャンブル場だ。競馬に限らず、放送されている様々なスポーツ競技に対してオッズがついており、それを見ながら客はベットしている。日本にはない光景だ。何しろ、「重りをどれだけ高く放り投げることができるか」なんていう競技にまでオッズがついているんだから驚きだ。
そうこうしているうちに、20名強が集まり定刻となったので検札ののち入場。
その後の内容については、別サイトが詳しいのでそちらを引用する。
まずこのツアーは完全な予約制だ。チケットを買った段階でツアースタート時間が指定される。したがって参加する者は、その指定時間までに現場へ行ってスタートを待つことになる。なお、同時刻にスタートする者は最大 25人で、その 25人は最初から最後まで常に行動を共にする。
入り口の前に集合すると、ツアー開始の前に係の者が簡単な説明をしてくれる。説明といっても大部分はジョークやトリックなどで、重要な話は写真撮影に関することぐらいだ。ちなみに内部は基本的に撮影禁止だが、ダイニングルームでの撮影は許されている。
いよいよ出発となる。一同はエレベーターに乗り地底深くへと降りていく。かなり深いと思われる終点の地下壕に到着するとそこにはダイニングルームがいくつかあり、その中のひとつに全員が通される。不気味な雰囲気のダイニングルームだが、そこで一同 20数人は 1時間ほど一緒に過ごすことになる。
着席してからしばらくするとマジシャンが出てきて何やらつまらないマジックを始める。ここで行われるマジックはアマチュア手品師がやる程度の簡素なもので、大魔術のような出し物は行われない。
そうこうしているうちにディナーの時間となり、マジシャンがなにやら怪しげなメニューを配り始める。じつはこのメニューそのものが 「手品」 になっているのだ。ビーフ、チキン、サーモンなどと書かれた料理の中から好きなものを選ぶわけだが、料理が書かれている部分を破るなりして印を付けて、回収箱の中に投げ込むようマジシャンから指示される。マジシャンはただその箱を持って各テーブルを回り回収するだけで、この時点ではだれが何をオーダーしたかはわからないはずだ。ところがなぜか食事がサーブされる際は自分がオーダーした料理が正しくテーブルの前に運ばれてくる。
さてその後はしばらく食事をしながらの歓談だが、食事中もたえずそのマジシャンが手品を披露してくれるため退屈はしない。ただ会話の部分も少なくなく、英語が苦手な者にとっては少々つらいかもしれない。それでも飲み放題のワインなどを楽しんでいれば、マジシャンのトークがわからなくても時間をつぶすことができる。
ディナーが終わると全員がまた別の部屋 (中型サイズの劇場) へ案内されマジックショーを楽しむことになる。ここでは客をステージに上げてトランプを使ったマジックなどが演じられる。
そのあとは他のグループと合流して大きな劇場へ移動し本格的な大魔術イリュージョンを楽しむことになる。これはかなり見応えがあるショーで、ランスバートンやジークフリート&ロイに勝るとも劣らないすばらしいマジックも含まれている。
そのイリュージョンを見たあとはお開きとなりそのまま出口へ向かうわけだが、なんと歩いて出たところは最初の入り口のすぐとなりの場所だ。深い地下へ降りたはずなのにこれはどうしたことか…。(仕掛けは係員に聞くとよい)
(引用元:ミスターベガスのラスベガス大全)
ちょっと引用としては長いけど、すでに終了したショウ(2002年に惜しまれつつもこのツアーは終了)なのでいつこの文章が削除されるかが危惧された。そのため、保存の意味も込めてこちらに一部を持ってこさせてもらいました。
ちなみにわれわれだが、ワインなどをサーブしてくれる黒人従業員さんが日本語をカタコトでしゃべる事ができた。以前六本木で働いていたことがあったそうだ。こっちが日本人だとわかったのでいろいろいじってきて少々閉口した、とメモに書かれているが、何をされたのかは覚えていない。
食事をしながら魔術のお師匠さんみたいな人が行う手品を見る訳だが、客席の客から100ドル紙幣を借りてべりべりと破り捨てるという暴挙に。まあ、よくある「でもほら復活するんだよーん」という古典的手品。しかし、うっかりおかでんは「あああっ」と一人だけ声をあげて驚いてしまったので、お師匠さんから何かべらべらべらっと話しかけられた。会場がどっと受ける。
ジーニアスに「今の、何言ってたんだ?」と聞いたら、「お前は日本人で金持ってるくせに100ドルくらいで何を驚いているんだ、って言ってたんだよ」だそうで。「もー、それくらいで驚くなよ恥ずかしいなあもう」と言われてしまった。
「それよりおかでん、さっきの六本木野郎、ずっと隣の奇麗なおねいさんばかりお酒注いだり笑顔振りまいたりサービスいいぞ」「そうだな、オレらはさんざんいじるだけいじっておいて、サービスはあっちがメインだ」「ナンパでもしそうな勢いだぞ、おい」「そうしたら阻止してやる」「日本語でか?」「何語でもいいや」
なんか違う方向で話が進んでいるわれわれ。
ちなみに、上述引用中にある「自分が選んだメニューが確実にテーブルに届けられる」は確かにその通りだったが、「そんなん、どうにでもなるんじゃない?」のジーニアスの一言でアッサリわれわれの中では終了。
欲しいメニューの部分に破り目を入れる、というヘンなルールだったが、多分そのあたりにトリックがあるのだろう。いや、もっと単純に、「全員同じメニュー用紙」なのではなく、用紙は微妙に席次ごとに違っているのかもしれない。印刷の位置とか、すかしとか、小さくナンバリングされているとか。しかも席次順に紙を回収して回っていたので、なんだかマジックって感じがしないんでやんの。自分の目の前に料理が来ても「ああ、本当に来ましたね」っていう反応だった。自分たちも、客席全体も。
ただ、マジックを見ながらの食事は楽しかったし(英語わからんでも大丈夫)、その後炎が出ている大洞窟のあちこちに枝分かれしている中洞窟で繰り広げられるマジックも古典的なもの、トランプもの、様々で満足度高し。食事とショーを同時に楽しめたのでお得感も高し。ただしお値段は$75と決して安くないが。
8時10分に洞窟に潜入して、脱出したのが10時半。2時間20分の小さな旅だった。
満足度高かったはずなのに、メモには「7点」と記されている。ザック置き忘れて恥をかいたプライムリブの店と同じ評価かい。
(つづく)
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