魚まみれお泊まりオフ2013

保田漁港・ばんやの魅力(その8)

前回「魚まみれお泊まりオフ」と称してばんやで魚を食べ尽くしたのが2005年。そこで「もう魚はこりごり。」とはならず、未だに「あれは良いオフ会だった」と魚臭いため息をつきながら思い返す事がある。

一日三食、ひたすらばんやで魚を食べる。朝から舟盛りだって出る。肉と違って魚って、それほど食卓に上がる機会はないので、この一泊旅行は胃も、肝臓も、頭脳も全てが驚きの連続だった。

過剰、ということをしなくなって久しい。飲み過ぎ、食べ過ぎ、運動しすぎ・・・年と共に、そういう「パワーみなぎる無駄」は省略されていく。しかしだからこそ、たまにはこうやって「ひたすら魚」という不自由さ、強引さ、やり過ぎ感を演出したい。そういう趣旨のオフ会だった。

オフ会直後に、「またやりたいね!」という声は早速上がっていたのだが、なかなか実現しないままダラダラと時間は過ぎていった。それは、宿泊場所である「ばんやの湯」が客室4部屋の小規模宿であり予約が大変であることもあるけど、お泊まりのオフだよーと募集をかけてそう簡単に見ず知らずの人が参加表明なんてできるわけがない。実質、二度目の開催はないと思っていた。

しかし、たまたま2013年は「泊まりのオフでもいい」と思ってくれる方が何人もこのサイト周辺にいた。そこで入念に計画を立て、総勢6名(男性4名、女性2名)でばんやに行ってくる機会を得た。

ばんやといえば、房総半島で東京湾に面した場所。東京界隈に住んでいれば、旅情という点では明らかに物足りない。折角一泊するなら、もっと遠いところ、もっと日常と違った光景の場所に行きたいというのが人情だ。それでも敢えて「ばんや一泊」を強く支持するのは、とにもかくにもばんやの圧倒的魚パワーの存在に他ならない。

今回もまた魚を食べまくることを高らかに宣言し、オフ会はスタートした。

2013年11月16日(土) 1日目

バリ勝男くん

ばんやオフ会ご一行様は、当日朝8時に日暮里駅前に集合した。車2台で移動となるため、ここでいったん全員集合した後に1号車・2号車に分乗して現地を目指すことになる。

2号車は参加者であるたっぴぃさんがマイカーを用意してくれたが、1号車は僕がレンタカーを借りた。日暮里駅には、駅前にニッポンレンタカーがあるのでその点便利だった。

二台の車には、それぞれトランシーバーを積んでおいた。やりとりはこのトランシーバーを通じて行うためだ。最近じゃ、LINE電話とかいろいろ無料で通話できる方法もたくさんあるが、トランシーバーの方が面白いと思う。同時に両方が喋ることができない一方通行の会話になるため、「○○です、どうぞ」「了解ですどうぞ」といったやりとりが行われる。これが「非日常空間んんんんぅ」となんだか嬉しく、ワクワクしてしまう。

あと、雑音混じりの音だったり、二台の距離が離れると電波が途切れてしまったり、近くに違法出力のトラック無線なんかがあると完全に電波をのっとられたり。不自由さこそが楽しい。電話だと、こうはいかない。

普段愛知県に住んでいるたっぴぃさんは、オフ会の度に東海方面のお土産を持参してくれる。今回は全員に静岡名物スナック「バリ勝男くん」が配られた。この鰹節スナックが大好物な僕は朝から超ご機嫌。東京ではなかなか手に入らないスナックだから、なおさらだ。

それにしても、これから魚を食べまくろう、という時なのに、よりによってお魚系のスナックをお土産として持ってくるあたりがイカす。たっぴぃさんはこの会の趣旨をよく理解してらっしゃる。

レインボーブリッジを渡る

車は抜きつ抜かれつしながら、一路三浦半島の先にある久里浜を目指す。

一般的に都内からばんやがある保田を目指す場合、川崎から東京湾アクアラインを通り、富津経由となる。しかし今回はオフ会ということもあるので、ちょっと経路の違うルートを取ってみることにした。それが、久里浜。

久里浜から、房総半島の中ほどにある金谷まで、東京湾を横切る形でフェリーが運航されている。房総半島に行くのに船旅!というのも、たまにはオツなものだろう。もちろん、時間はかかってしまうのだが、だからこそ朝8時に都内出発、というわけだ。ばんやでお昼ご飯を食べるために、4時間も前に出発したのはそういうことだ。

今回のオフ会の参加者は、下は39歳、上は60歳オーバーという年齢層で構成されている。いい加減みんないい年だ。分別だってある。なんなら、最年長のm.渡辺さんはご隠居と呼ばれてもおかしくない歳だ。でもその全員が、「魚を食べるぞ」と車中でワクワクし、ニヤニヤしているのだから面白い。みんな、本当に無邪気だ。

「いいかー、良く聞けー」

トランシーバーのマイクを手にしたおかでんが、1号車2号車に伝達する。

「これから今日の昼、夜、そして明日の朝まで、ひたすら魚を食べつづけることになります。ここでは全く遠慮せず、腹の底が抜けるまで魚を食べ尽くして欲しい。そして、このオフが成功だったーッ、と言えるのは、ばんやを後にした時点で『しばらくは魚を見たくない』とぼやいた時です。それくらい、魚とは真剣に向き合ってほしい」

つまり、うんざりするまで食べないヤツはルーザーだ、というわけだ。遠慮は無用。

久里浜

土曜日朝の首都圏なので当然渋滞はある。久里浜のフェリーは10:20発だったのだが、久里浜に到着したのは10:17。出港ギリギリの時間だった。

相手は船だ。そしてこっちは車だ。出航時間ちょうどに港に着いたって、乗れるわけがない。さすがにもう無理か!と諦めていたのだが、受付に行ってみるとまだ間に合うという。慌てて乗船手続きをした。これを逃すと次は12:10だったので、ばんやと全然違う場所で足止めを食らって途方に暮れるところだった。

東京湾フェリー

乗船手続きを済ませたら、すぐに車を船に積み込む。

船旅というのは、出港までのひとときが優雅だ。ああもうそろそろ出港だね、というその瞬間がいい。でも我々は、まだ高速道路で移動している気分が抜けきらないまま、わっせわっせと海の上の人になった。だから、フェリーターミナルの中を探検したりする余裕など全くなかった。

東京湾フェリーの運賃

普通乗用車で、車両運賃2,740円。これに加え、お一人様630円の旅客運賃がかかる。東京湾アクアラインが800円で通行できるご時世、この値段はあきらかに高い。実際、この航路は存続の危機に立たされた時期があったようだ。しかし、東京から気軽に行ける本格フェリー航路というのはここだけであり、旅情という点では他に類するものがない。船旅もいいよね、ということでドライバー、ツーリストなどに根強い人気があるようだった。

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