ばんや店内中央に鎮座するいけす。
いけすといえば、そのお店の看板商品ともいえる魚が保管されている場所だ。当然お客さんの注目を集めることになる・・・
のだが、ばんやにおいていけすを吟味した経験はあまりないし、「いけすの魚介は新鮮だ!ここにいる魚から優先して注文しよう!」と思ったこともない。
というのも、メニューがあまりに豊富過ぎて、そっちに気を取られてしまうからだ。壁面ディスプレイの膨大なメニューに気を取られているうちに、いけすに何がいたのか、すっかり忘れてしまう。
この日は伊勢海老がいたと思う。
数年前からだったか、一部の料理がサンプルとして店頭に並ぶようになった。
どの料理もお皿がラップでくるまれているので、あまり美味しそうには見えないのが残念。しかし、どんな魚なのか、そしてどれくらいのボリューム感なのかを知る上で、このサンプルは貴重だ。
特にばんや初体験の人は、じっくり見ておいた方がいい。ついつい何品も頼んでしまうと、後で料理を持て余すことになるから。
見ての通り、ご飯とお味噌汁付きの定食セットにするならば、魚料理は一品で十分なくらいだ。
こういう食品サンプルを見ても、
「ほう、これはいい。是非これを頼もう」
という気にはならない。というのも、選ぶものが多過ぎなんだよ!これだけ見ても、比較にならねぇ!かといって、「えーい、メニューの右端から全部よこせ!」と言うわけにもいかないボリューム感。
つくづく、こういうサンプルを見るにつけ、ああ最近の食生活ではお魚を食べていないなあ、と気づく。
「魚?食べてますよ?お昼に定食とかで食べてますし、朝ご飯でもしょっちゅう」
とかいう人に、「じゃあ何のお魚を?」と聞いてみるといい。
鮭、サバ、アジといったところだろう。せいぜい、イワシ、カレイ、マグロ、イカ、タイ、サンマが出てくるくらいか。
せっかく海に囲まれている国に住んでいるのに、案外食べている魚に多様性がない(都会の人の場合)。
なので、ここで「ホウボウ!メジナ!エンンザラ!」と言われても、「えーと、どんなお味でしたっけ」と戸惑うしかない。
せめて、これまでの疎遠をわびつつ、これらのお魚を今日は食べようと思う。
ちびっ子のみんなー、おいでー。お子様セットもあるよー。
カルピス付きで1,000円だよー。
寿司4貫、海老フライやフライドポテトが付いてるよー。
確かに、子供にとってこの「ばんや」は魚地獄だろう。観光ついでに訪れる家族客が多いだろうから、お子様セットがあるというのは、子供がいる家庭にとってはありがたいかもしれない。
このお店は情報の洪水なので、本当に悩ましい。
少人数での訪問だと、胃袋のキャパとの相談になるし、大人数だと、仲間たちに気を遣ったり、頼みすぎ・頼まなさすぎないように気をつけないといけないし。
壁面の液晶ディスプレイに表示されているメニューだけでなく、こういうホワイトボードメニューや手書きメニュー、店頭サンプル、卓上メニューといったものをまんべんなく見比べ、検討することになる。アワアワしていたら、いつまで経っても注文はできない。
バシッと
「目に留まったメニューは何かのご縁。躊躇せずに頼んでしまえ!」
と割り切ったほうがいい。「えーと、ひとまず保留」なんてやっていたら、きりがない。
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