変わりゆくばんや、変わらないばんや【2017年12月】

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ばんや名物といえる、大型ディスプレイによるメニュー表示。

技術としてはさほど大それたものではないのだけど、こういう表示をしている飲食店というのはほとんど見たことがない。いや、ひょっとすると僕は一度も見たことがないかもしれない。

このお店の場合、毎日の仕入れに応じてメニューがコロコロ変わる。しかも数量が少ないメニューは、営業途中で品切れになってしまう。さらにお店が広いので、メニュー表示は何カ所にも及ぶ。こういう状況にリアルタイムに対応していくためには、ディスプレイによるメニュー表示が一番良いのだろう。

ただし、コストがかかることなので、これだけの大型店であり、なおかつメニュー変動が激しいお店でないと導入メリットはないのだろう。小さなお店だったら、「手作業でメニュー短冊を引っ込めたり出したりすればいいじゃない?」ということになる。

さて、膨大にあるばんやのメニューだけど、毎年通っていても一向に注文を網羅できていない。どうしても、「これは是非頼んでおきたいね」という定番メニューがあるからだ。

たとえば、「せっかく房総半島にやってきたんだし、『アジのなめろう』は頼んでおきたい。」となると、貴重な胃袋キャパシティと財布をそれで消費してしまう。「さあ、食うぞ!」という意欲は無限大でも、食欲と財力はちっぽけなものだ。

メニューに「サーモン刺 1,000円」というのが見えるが、多分これは何年通い詰めても、頼む機会はないんだろうなぁ・・・と思う。ばんやに来て、なにも鮭を食べる必要はないだろう、ということで最も敬遠されるメニューだ。

ところでこの「サーモン」、一体どこの産地だ?地場産とは思えないので、別のところから仕入れているのだと思う。ひょっとしたら、鮭ではなくてマスだったりするかもしれないし、謎だ。

お刺身を何か頼みたいね、と思っても、お互いがお互いの顔色を伺っていてにらみ合いが続く状態。誰もが納得するお刺身を決めかねていた。そんなとき役立つのが「盛り合わせ」。

「せっかくだから、『大名御造り刺』(2,500円)頼んじゃう?」

誰だったか、禁断の提案をした。このお店にある「刺身盛り合わせメニュー」の中で、もっとも高いヤツだ。高い、といっても2,500円なんだけど。

「おう、大名行っちゃう?マジで!?」

でも、よく考えれば、今回は4名での訪問なので、頭割りすると一人600円ちょっと。決して豪勢、というわけでない。刺身というのは、ばんやであれこれ食べる際の中核となる料理だ。だから、ちょっとここで贅沢してもバチはあたるまい。

ましてや、600円そこいらで「大名」を名乗れてしまうのだから。

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毎回、ばんや訪問の際は「各ジャンル(刺身、煮物、焼き物、揚げ物・・・)から一品ずつは選ぼう」という観点でメニュー選択が行われている。

しかし、それでも扱いが悪いジャンルが一つある。「丼・重物」だ。

決してこのメニューの魅力がないわけではない。しかし、

「ご飯を食べたら、おなかいっぱいになるやんけ。他のメニューを注文できなくなるぞ」

という警戒から、敬遠されている。

おなかいっぱいになるために飲食店を訪問しているのに、矛盾した発想。

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煮物、焼き物、一品料理、寿司・・・とジャンルが並ぶ。

大変に悩ましい。

例えば、「今日は金目鯛が食べたい気分」だったとしても(まず、金目鯛を選択する時点で悩むわけだが)、それを煮るのか焼くのか、刺身にするのか調理方法で悩むことになる。

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さあ、どれを選ぶ?

先ほど食品サンプルである程度魚のイメージをつかんだとはいえ、あらためてこのメニューの洪水を目の当たりにすると、ただただ困惑するしかない。

事前に予習ができていればよいのだけど、毎回訪問のたびにメニューは異なっている。なので、お店に着いてからが勝負。

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一部ディスプレイが壊れているところがあって、そこには紙が貼ってあった。

慌てて書いたのか、値段の記載が漏れている。一体いくらなんだろう?

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揚げ物ジャンルが最大勢力を誇っている。ディスプレイ1枚を全部使っても入りきらないくらいだ。

目移りしてしまうので、ミックスフライA、ミックスフライB・・・といろいろな揚げ物盛り合わせを用意して欲しい、と思う。でも、ここで言う「揚げ」というのは、大抵がお魚一匹まるごとを揚げているものであり、「ミックス」にすることはできない。諦めろ。

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盛り合わせ系のメニュー内訳紹介ボードがあった。日によってネタは変わるので、写真を信用してはいけない。写真はあくまでも「盛り合わせ例」であって、今日出てくる魚そのものは下にマジックで書かれているものだ。

コレを見ると、刺身3点盛りは「イナダ、タチウオ、シイラ」だそうだ。いいね、3点盛りでこの組み合わせだなんて。スーパーで売られている「刺身盛り合わせ」なんて、せいぜい「イカソーメン、マグロ赤身、サーモン」くらいだぞ。せいぜいブリかタイが代わりに入っているくらいで。タチウオだのシイラが出てくるというのは、ワクワクさせられる。

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本日のネタをざーっと紹介してあるペーパーもある。大いに参考にしたいところ。可能ならば各テーブルに配布して欲しいくらいだ。

ばんやで人気なのは、「朝獲れ寿司」だ。800円で7貫食べられる。昔は850円で9貫だったと記憶しているけど、諸事情によって値段と量が変わっている。

この朝獲れ寿司、気をつけないといけないのが、ネタが重複するということだ。7種類のお寿司が食べられてあらお得、というわけではない。ちなみにこの日の場合、

イナダ×2、スズキ×3、スルメイカ、タチウオ

という構成になっていた。スズキが大量に入荷したのだろうか?

せっかくだからバラバラのお寿司を楽しみたい、という人は、もう1ランク上の「ばんや寿司」が1,200円で9貫、全種類別のネタになっている。そちらをどうぞ。

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