「ビノス貝焼き」(550円)というメニューがあった。初めて見るメニューだ。
「ビノス貝って、やっぱりホンビノス貝のことなんだろうね?」
「多分そうでしょうね。略してるんですかね」
「ビノス貝、ってなんか響きがかっこいいな」
そうして、みんな「ビノス貝」「ビノスガイ」と連呼していて、その勢いで「ビノス貝焼き」を注文しちゃった。
「ビノス貝って言いたいだけちゃうんか」
とかと苦笑しながら。
で、届けられたのが、これ。
「おう、3個しかない。切ないな」
4人で訪れて3個。これはもう、じゃんけんで争うしかない。
とはいっても、ホンビノス貝は争奪するほど食べたいものでもないので、みんな「よーし、やるぞー。絶対食べるぞー」と棒読みで気合いをいれて、じゃんけん。
エンザラ塩焼き(1,000円)。
2013年の「ばんやお泊まりオフ」の時に初めてご対面した魚だ。それまでは見たことも聞いたこともない魚だった。
当時のメニューには、ご丁寧に「黒カマス科エンザラ煮」と書かれていた。カマスの仲間だよ、と書いておかないと、誰も理解できない魚だからだろう。
それが今や市民権を得たのかなんなのか、「黒カマス科」という肩書きが取れ、「エンザラ」をそのまま名乗っている。えらくなったものだ。
「じゃあ、エンザラを」
お泊まりオフの時から参加していたおーまさんがニヤニヤしながら言う。
「おいちょっと待て、エンザラって言いたいだけちゃうんか」
さっきの「ビノス貝」同様、声に出して告げたいメニューってのがあるんだよな。エンザラもそう。
これまでエンザラは煮物でしか食べたことがなかったが、今回は塩焼きがあったのでそれを頼んでみた。
煮ても焼いても、この魚の調理方法は皮目に細かい切れ目を入れることになっているらしい。皮がよっぽど硬いのだろうか。
この半身で1,000円なのだから、結構な高級魚であることがわかる。他の料理だと、同じ値段でお皿に魚が二匹、なんてことがザラなのに。味は・・・どうたっけ。まあ、悪くはない、程度だったか。
黄金ふぐ唐揚げ。800円。
昨年訪問したときも頼んだような気がする。ふぐの唐揚げ、うまいもんな。
年に一度しかこのお店を訪問していないと、どうしても新しいメニュー開拓まで手が回らない。定番のうまい料理を食べたら、もうそれでおなかいっぱいだ。困ったものだ。もっと足繁く通わなくちゃ(変な義務感)。
金目鯛あら煮。1,000円。
一体何匹の金目鯛のお頭が使われているんだ?というくらい、お皿にどっちゃりと盛り付けられている。豪快だ。
金目鯛、ってやっぱり華がある魚だ。金目鯛がメニューにあると、財布が許せばつい頼みたくなってしまう。しかし、たとえばこのお店の場合、金目鯛姿煮は2,500円。「Oh・・・。」と思わず躊躇する値段だ。もちろん、伊豆半島あたりで食べるのと比べりゃ、遙かに安いと思うんだけど。
で、「さすがに2,500円の料理を注文するのは躊躇するなあ」と思って、ふと目線を隣に移すと、そこには「金目鯛あら煮 1,000円」の文字が。
そんなわけで注文した品。
本当は、カサゴとかメイタカレイとかメバルとか、他に食べたい魚はいろいろあるし挑戦したい気持ちは満々なのだけど、金目鯛様が登場すると、ついそっちに気を取られてしまう。チクショウ、ついついキンメ!と叫んでしまう自分が悔しい。でもおいしい。
誰だブーメランを頼んだやつは。
マグロかま焼き。1,000円。
僕がばんやで料理を頼む際、定番としているものの一つがこれだ。マグロに限らず、何らかの「かま焼き」があったら必ず頼みたい。というか、頼む。お前も頼め。
というのも、みみっちく骨と骨の隙間を箸でほじくるようなカマではなく、豪快に身がついている状態のかまが出てくるからだ。この部位の身はとてもうまいので、大満足間違いなしだ。
ところでこのマグロ、一体どこ産で、どこで水揚げされたものだろう?東京湾内の保田漁港で水揚げされたものじゃないような気がするのだけど。
サバ押し寿司。600円。
東京湾ならサバが獲れそうなものだけど、案外この「ばんや」ではサバメニューが豊富ではない。しかし、年々じわじわとサバメニューが増えてきた気がする。
サバの押し寿司は今回初めて見たメニューだったので、注文してみた。
ミックスフライ。800円。
これまでも記事で書いてきたと思うが、「魚のフライ、侮るなかれ」だ。新鮮な魚をフライにすると、かなりうまい。スーパーのお惣菜フライとか、冷凍のフライなんかとは比較にならないくらいだ。
「せっかく漁港や市場に近いお店でお魚を食べるんだから・・・」
と、無理して刺身とか寿司とかばっかり食べてませんか?遠慮せずに、フライも食べてみましょうよ。きっと目を見開いて、「これはいい!」と叫ぶはずだから。
えーと、で、これは何の魚でしたっけ。
みんなで「なんだろう?」と、闇鍋をやっているかのようなコメントを出しつつ、フライを食べる。
ちなみに、壁に貼りだしてある「本日のネタ」によると、
アジ、イカ、タチウオ、シイラ、サバ、ワラサ
の6種類だそうだ。
十分に満喫したので、お店を後にする。
「おい、まだ11時20分だぞ!」
かれこれ2時間弱、このお店で飲み食いしたのだけど、世間一般ではまだお昼ご飯前の時間。僕ら、朝飯兼昼飯兼、宴会をもう済ませちゃったよ。
昔は、タカアシガニ様が鎮座する建物中央が入り口であり出口だった。しかしばんや2017年バージョンは、出口が変更になっていた。出入り口で人が混雑して大変だから、完全に入り口と出口を別の場所にしてしまったということだ。
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