2010年秋 世界は二度震撼した

朋友食堂

小瓶のビールを3人でシェアするとあっという間になくなってしまう。一人一本でもいいんじゃねーの、というくらいだ。あっ、でもそれだと「アルコールパスポート」でひっかかってしまう。

だから、「お酒がなくなった!ビール追加調達!」と誰かが出かけていき、しばらくすると「ビールのつまみがなくなった!つまみ調達!」とこれまた誰かが出陣していく。写真だけ見ると「優雅な世界食旅行」をしているように見えるかもしれないが、実際はなんとも慌ただしい喫食なのだった。しかも、時折トイレに行きたくなるし。

次回同じイベントやるときは、ぜひドレイを一名ないし二名欲しい。そのドレイに、大きな画板を首からぶら下げさせて、それをトレイ代わりにたくさん各国料理を集めてこさせる。で、われわれは優雅に飲み食いするだけ。うん、いいなそれ。

でも、「あのブースは人気があったので結構待った」とか「●●は売り切れだったのでこっちを買ったんだよ」といったエピソードが伴わないのでドレイ制度は微妙かもしれん。やっぱり、自分で買い集めてこそ思い入れができる。

さて一方、こちらは新たな酒肴を探し求めているたっぴぃさん。行列の長短にかかわらず、指定されたとおりに順番に買物を進めてくれている。これは、後でどの料理がどの国のものなのか、写真から判断できなくなるのを防ぐためだ。あくまでも「アワレみ隊OnTheBBSのオフ会」なので、写真保存されること、そしてその写真がおかでんに分かりやすいよう整理整頓できることを前提に行動が求められる。

中国語学科。

「朋友食堂」という名前はすごく分かりやすい。龍がのたくっている絵が描かれているが、こんな龍とお友達になったら「まんが日本むかしばなし」のオープニングアニメみたいになってしまう。でんでん太鼓を手にしないと様にならんな。

朋友食堂メニュー

小籠包 3个300日元/5个430日元
餃子 3个150日元/5个230日元/10个370日元
担担麺 280日元
春巻 1个90日元/3个250日元
炒飯 250日元
エッグタルト 150日元
上海焼きそば 300日元
中華粥 200日元
ワンタン 150日元
胡麻団子 2个200日元
青島ビール 300日元
紹興酒 200日元

なんとも様々なものを扱っている。町場の中華食堂と一緒だ。中華料理の名を冠するからには、あらゆる料理を作れないと駄目、と思っているのだろうか。よくぞまあ、急ごしらえの屋外キッチンで揚げ物汁物蒸し物その他諸々、用意できたもんだ。多分26語学科の中では一番手広くやっているブースだと思う。

とはいえ、日本ではあまりに中華料理というのはおなじみすぎた。全然わくわくしないラインナップというのがいかんともしがたいところだ。

小籠包

小籠包3个。
ためしにまるかぶりしてみたら、中から肉汁がぶしゃーっと飛び散った。時代劇の殺陣で切り捨てられたザコ役のようだ。油断していた。おかげで手がべたべたに。肉汁満載の小籠包を出してくるとは、やるな中国語学科。

ちなみにこのべたべたになった手だが、ティッシュで拭くとティッシュが手に貼りついてしまい、ますます汚い様相を呈してしまった。手を入念に洗わないととれなかった。

ペルシャ語

ペルシャ語学科のお店。
「おなかすいた?」と書かれている。ひょっとしたら、蛇がのたうっているようなアラビア語、これは「おなかすいた?」という意味なんかもしれん。そういえば、文字の左端が「?」をひっくり返した形になっている。うお、ということはペルシア語は右から左に読むのか。

ペルシャ語メニュー

ペルシア語のメニュー。

ナンバーガートリムネ肉 350円
ホレシュット イラン風ご飯付き 350円
ナンバーガー ラム&牛あいびき 350円
ジュージェキャバーブ トリムネ肉 350円
キャバーブ ラム&牛合挽 250円/イラン風ご飯付 350円
サフランダフィ 100円
サクランボジュース 100円
チャイ(お茶) 50円

そうか、ペルシア語とはイラン近辺の言葉なのかとあらためて納得。毎回「ペルシアってどこら辺だろう?」と思って、毎回「ああ、イランあたりか」と納得し、そして毎回忘れる。この繰り返し。

それにしてもペルシア語を学ぶ人って、今後中東地区で働く可能性が高いわけであり、それはすなわち豚肉食べられません、お酒も駄目ですーというのに対応します、という覚悟はできているのだろうか。おかでんは絶対無理だ。食べ物の忌避が存在しない日本に生まれ育って本当に良かったと思っている。

キャバーブ

キャバーブ!

シシカバブが名前をかえつつも、世界のあちこちで食べられているのはとても興味深い。中東で盛んな羊肉文化圏だが、インドではマトンカリーのような形になり、シシカバブな食べ物はあまり見かけない。それがタイまで行けば、すっかり羊肉は陰を潜めてしまっている。中国まで行っちゃったら、圧倒的豚肉文化圏だ。で、モンゴルに行けばまた羊復活。

宗教の違いという理由もあるのだろうが、食文化の伝染というのはどうなっているのか、そういう研究が書かれた本を読んでみたくなった。

日本でももっと羊肉文化が盛んになればいいと願ってやまない。スパイスたっぷりのシシカバブがスーパーの精肉売り場に並んでいたら、俺たくさん買っちゃうよもう。いや、羊だから「もう」じゃなくて「めー」か。ビールと良くあうんだ、これが。イスラムの教えによってお酒を禁止されている国に最適なビールのつまみがごろごろしているなんて。神はなんと冷酷なんだ。

ラオス語

学科のブースは、巨大なクジャクがお出迎え。各国とも、必ず軒先には派手で大きなものをぶら下げるという暗黙のルールがある。ちょうどこの渡り廊下の二階も通路になっており、手すりがつけられている。だから、何かを紐でつり下げるには最適。
間違っても売れ行きが予想外に悪く、責任を取って自分自身をつり下げたりしないように。

ラオス語メニュー

タイ料理やベトナム料理店は日本でも比較的あるが、そのお隣さん関係にあたるラオスの料理を出す店というのはほとんどない。タイとベトナムを足して二で割ったような料理を出すっぽいが、主食はなんともち米なんだとか。腹持ちは大層よろしかろうが、もちもちしすぎておかずとどうやって味や食感のバランスをあわせるのかが気になる。

カオプン 350円
ラープ 350円
ピンカイ 1本70円
ココナッツクッキー 150円

カオプン
ビアラオ

カオプンとビアラオ。

カオプンはココナツミルクの風味が強い、温かいそうめん。

ビール飲みとしては、ココナツミルクはあまり肴にはならんかった。しかし、おかでん単独行だと、きっとラオスの焼き鳥とおぼしき「ピンカイ」を買っていただろう。こういう「自分では多分買わない」ものを買ってくれる人がいるからこそ、この企画は楽しい。そう来たか、と。

英語

英語学科。おそらくこの大学では学生の数、偏差値ともにトップであろう学科。しかし外語祭に関して言うと、いまいちさえないのが例年の傾向。なにせ、「フィッシュ&チップ以外はまずい」と言われるイギリスと、世界に名を轟かせるジャンクフード大国アメリカだ。おおこれは珍しい、とか美味そうだ、というメニューがいまいち欠けているのだった。さて今年はどうかな。

英語メニュー
英語メニュー2

シェパーズパイ、ロコモコ、バッファローウィング、クラムチャウダー、NYチーズケーキ、トライフル、ホットチョコ、ホットワイン など。

以前はビールを売っていた年があったが、今年は売っていなかった。そのかわりワインがあった。カリフォルニアワインだろうか。

シェパーズパイ

酒の肴になりそうなもの、ということでシェパーズパイを選んでみた。

解説によると、「炒めたひき肉の上にマッシュポテトをのせて焼いたイギリスの家庭料理。こんがり焼けたマヨネーズがおいしーい」んだそうだ。語尾伸ばして「おいしーい」と言うからには見て見ぬ振りをするわけにはいくまい。すんません、それください。

ただ、気をつけないといかんのは、イギリス人が言う「おいしい」「お袋の味」がどれだけ信憑性があるか、だ。

シェパーズパイを食べてみたら、確かにおいしいっちゃあおいしい。でもこれ、マヨネーズ味で食わせているものだよな。マヨネーズの勝ち。

ポーランド語

ポーランド語学科。

おかでんは、大学受験をする際、「ポーランド語を勉強したい」と思った事はみじんもない。この学科を選んだ人は一体どういう動機付けがあったのだろうか。ポーランドってどこ?という人の方が圧倒的に多いだろうに。

しかし、そういう学科だからこそ、料理はガチで勝負してくるのではないかと期待。とはいっても、ポーランド料理ってどんなのがあるのだろう?

ポーランド語メニュー

セルニク 290円 ポーランド風チーズケーキ★毎年恒例の大人気商品です!!!
野菜スープ 150円 あたたかい野菜スープで体がほかほかあったまりますよ!!
ピエルニク 230円 ハチミツとスパイスのケーキクッキー 一度食べたらあなたもやみつき★!!!
ウオンプキ 320円 ポーランドのロールキャベツ。今年からの新商品、ぜひお試しあれ★
スピリタス 250円 世界最強☆アルコール度96度をいちごシロップで割りました
ズブロッカ 300円 伝説の力を宿すお酒!!気になった方はggrks

おおそうか、スピリタスを毎年提供している学科がここか。思い出したぞ。

酒集めをしている最中ではあるが、さすがにスピリタスを買うのは気が引ける。これを買う人、一体どんな人なんだろう?いくらいちごシロップ割りとはいえ、相当な量で希釈しないと度数が強い。

ズブロッカ

結局、ズブロッカにした。名前は聞いたことがあるようなないような、というお酒だが、スピリタスと天秤にかけて消去法で選択。りんごジュース割りだそうだ。

メニューには「気になった方はggrks」と挑発していたので、家に帰ったら調べてみることにしよう。

注:ggrks→「ググれカス」の略。ネットスラング。「Google検索で調べろや、カス野郎」という意味。「初心者なので教えてください」などとすぐに質問してくる人に対して使われる。

実際ggtks(ググったカス)してみたら、ウォッカにズブロッカ草と呼ばれる草を漬け込んで香りを移したものだという。なるほど、ウォッカの一種なのか。

「桜餅のような香りがする」ということだが、実際独特の香りがあって面白いお酒だった。さっきからずっとビール続きだったので、こういうりんご割りカクテルは気分転換に良かった。うまし。

アラビア語

アラビア語学科。

アラビック、と書かれているので、糊でおなじみ「アラビックヤマト」を思い出してしまった。スペースバトルシップヤマトとアラビックヤマト、どっちを取るかと言われたら、アラビックヤマトを敢えて取りたい。いや、深い意味はないけど。

アラビア語メニュー

ファラフェル ひよこ豆のコロッケのピタサンド 中東ではとってもポピュラーな食べ物です!
ブリック じゃがいも・ツナ・うずらの卵が入ったチュニジアの春巻き。毎年大人気・リピーター続出
ケバブ 日本でも人気のケバブ、アラビア語科では羊の肉を使用しています。スパイスがきいていてジューシー
ナツメヤシ 中東でおやつといったらコレ!ドライフルーツです。英語だと”デーツ”あたたかいミントティーとセットでどうぞ!!

セルティア
セルティアのラベル

メニューには書いていなかったが、ビールもあったのでビール調達。

このブースに限らず他のブースでもあったが、メニューと書かれている紙に全部のメニューが載っているとは限らない。特に飲み物は食べ物と比べて扱いが低い分、カウンターにひっそりと書かれているだけだったりするのでうっかり見落としがち。

アラビア語といえばイスラム教国の言葉。ひょっとしたら、お酒を提供している事は内緒にしておきたいのかもしれない、なんて邪推してみる。

売っていたビールは「セルティア」というもので、チュニジアのものだった。初めて見た。チュニジアではビールを作っているのだな。なにせ、イスラームの教えが入ってくる前から貿易立国カルタゴとして栄えた場所だ。酒無しなんて考えられないだろう。ハンニバルさんに怒られるぞ。

ベトナム語

ベトナム語学科。

ビール 400円
チェー 200円
ベトナムコーヒー 120円
ジューシーはるまき 150円
蓮茶 100円
生春巻 180円
フォー 300円

ビールがメニューの先頭を飾っているところがうれしい。この学科の人達とは仲良くできそうな気がする。しかも、「ビール400yen」の下に「うまい!!!」と書いてあるし。そうだよ、ビールは美味い飲み物なのだよ。価値観を共有できて僕ぁうれしいよ。

フォー
333

フォーと、ベトナムのビール「333(バーバーバー)」。
フォーがわれわれの陣地に連れて来られた際、一同「量すくなっ!」と叫んでしまった。それくらい、非常に少量。どうしたんだろう、量を間違えちゃったんだろうか、と心配になってしまうくらいの量だったよ。でもまあ、われわれは大人。わずかなお小遣いを握りしめて、悩みに悩んだ末に買った食べ物というわけではないのでこれでもOK。

フォーの写真、あまりにフォーが少ないので箸が相対的に大きく見えてしまっている。念のため言っておくが、箸のサイズは標準ですよ。

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