2010年秋 世界は二度震撼した

フランス語

フランス語学科。それにしてもなんでヨーロッパの国は縦縞ないし横縞の国旗が多いんだろう。紛らわしいったらありゃしない。日本国旗の良いところは、「ご飯に梅干しONで『日の丸弁当』ができあがる」ということだ。フランスの場合どうすりゃいいの。ええと、ご飯の上に、赤いところは明太子をまぶして、青いところは・・・青みがかった海苔かな?

いや待て、そもそもフランス弁当でご飯という前提がおかしい。考え直せ。

フランス語メニュー

バブル崩壊後からだろうか、やたらとイタリアンレストランが跋扈した。値段そこそこで料理が提供される気軽さが受けているからだと思われるが、その一方でフレンチレストランが相対的にあまりお目にかからなくなってしまっている。「フランス料理ってなんぞや」と聞かれて、貴方はなんと答える?思わず「フランスパン」と言ったら相当恥ずかしいぞ。エスカルゴ、と答えるのも一世代前的発想だし、さてさて。

そんな中フランス語学科のメニュー。

マカロン オニオングラタンスープ クレームブリュレ ブイヤベース ガトーショコラ ブフブルギニオン

だって。なんかがっつりビール飲ませるメニューは存在しないな。お菓子が混じってるし。

ブフブルギニオン

んで、選んだのがブフブルギニオン。牛肉の赤ワイン煮。

3人でシェアするにはやや食べにくい料理をチョイスしてしまったものだが、なかなかにおいしかったのでオールオッケー。

「そういえば、おいしくない料理ってほとんど無かったですよね」

と一同、このオフ会終了時に一日を振り返ってコメント。学生がにわか仕込みの料理テクニックで作ったものとは思えない、おいしいものがいっぱいあった。もちろん、「しょせん学祭の屋台」ということでわれわれ自身、期待値を相当下げて臨んでいるからでもあるのだが、だとしてもおいしいものはおいしい。

ブフブルギニオンはしっかりと煮込まれて柔らかくなった牛肉がおいしゅうございました。人参は煮崩れていないところをみると、食材ごとに煮分けたのだろう。手が込んでいる。

日本語

日本語学科のお店。

「ツッコミ処」と変な店名がついている。おそらく、「お食事処」などの言葉と、お笑いで言うところの「ツッコミどころ」という言葉を掛け合わせているらしい。わかりにくいぞ、と一応突っ込んでおく。

なお、このブースの片隅には「ツッコミ拠」と間違った漢字を書いてしまって、後で「拠」のてへんを消しているものがあった。まさにツッコミ処だ。

ところで日本語学科って何?一般的な大学で言う「文学部」に相当するのだろうか?

日本語メニュー

お品書きは、時間が間に合わず彩色するのを諦めたのか?と思われる女の子の絵が。

これもツッコミ処なんだろうか。

あと、背景にアルミホイルを使っており、ギラギラしている。意味がよく分からない。これもツッコミ処?

お品書き

イモシト 150円(アイヌ料理)
ちんぴん 100円(沖縄料理)
やきとり 100円
甘酒 150円
泡盛 200円
焼き鳥2本+泡盛セット 400円
イモシト+ちんぴんセット 200円

イモシト

イモシト、という料理は聞いたことが無かったので、これを頼んでみることにした。

やきとりはビールに合うが、予定調和すぎるし。

名前からはどんな料理か想像がつかないので、うっかり甘いデザートなんぞが出てきたらびっくりだが、見るとなんだか餅のようなものがいくつか。バターが添えられている。

聞くと、ジャガイモをすり潰して団子にしたものなんだそうだ。へー。しらんかった。

味はジャガイモのまんまなんだが、こういう形になっているといろいろ使い勝手ありそうだ。鍋の具にしてもいいし、ぜんざいなんかに入れてもいいかもしれない。おもしろい。

それにしてもアイヌ料理や沖縄料理を出すとは、日本語学科としては捻ってきたな。居酒屋料理っぽいものを出していたら面白くない、と思ったのだろう。

でもそれだったら、今はやりのB級グルメをピックアップすればいいのに。富士宮焼きそばとか、受けると思うんだがな。もちろん、本家の承諾を得ないといけないのでいろいろ面倒な手続きがあるとは思うけど。

でっぱり
座り込んで食事をする人も

写真上はわれわれが本陣としている「でっぱり(たぶんベンチだろう)」。

ここに料理を並べ、各自体を90度以上捻じ曲げつつ食事。居心地が悪いが、この半径50mエリアでこれ以外に腰を掛けることができる場所は存在しない。これでも一等地。

学食がある学生会館にはテラスがあり、そこにはベンチもテーブルも存在するがこれは発見しづらく、穴場。ただし外語大の学生さんたちのたまり場になっているので、あまりお邪魔しない方が良いと思う。また、そこは「半径50m」の外にあるため、頻繁なる買い出しにはあまり向かない場所。

「でっぱり」は早いもの勝ち。朝10時から乗り込んでいたわれわれは当然のごとく一等地を確保していたのだが、時間の経過とともにどんどん人が詰め込んできた。昼頃になれば見知らぬ人と肩を寄せ合う安居酒屋状態に。われわれとしては、酒を延々飲んで広い場所を占領するというのはスマートではないと思っていた。だから、最低限のスペースだけ確保していたのだが、その「最低限」のところにもどんどん人が座ってくる。危ない!料理がひっくり返る!

なにせわれわれ、お昼頃になれば「常に誰かが買い出しorトイレ」で席を立っており、一人分の空スペースができるのだった。そこをめざとく見つけた方がにゅるりん、と座ってくるのだった。

一方座るのを断念した人たちは、半径50mサークルの地べたに座り込んで食事をしていた。お酒を飲んだりしながらまったりしたい人だと、むしろ地べたのほうが都合がよいかもしれない。ただし、外語祭のいたるところでアルコール飲み過ぎに対する警戒がなされていたので、「家から一升びん持ってきたぜー、ぐいぐいのむぜー」という宴会モードバリバリなのは場違いなのでやめれ。

スペイン語

赤いカーテンが何やらなやめかしいブースはスペイン語学科。

スペイン語メニュー

スペイン語学科のメニュー。

パエリア <準備中>
ソパデアホ 150円
タコス 260円
チミチャンガ 150円
スペイン風オムレツ 150円
チュロス <準備中>
テキーラサンライズ 200円
サングリア 200円
オレンジジュース 70円

パエリアをメニューに載せているというのは何気にすごい。フライパンで一生懸命生米から作っているのだろうが、結構面倒じゃないすか、これ。以前アワレみ隊のキャンプでパエリアを作ったことがあるけど、見事片面真っ黒焦げのブツができましたよ。何気に火加減水加減が難しいんだと思う。

スペイン風オムレツ

赤い情熱的なカーテンにそそのかされてついついあれこれ買いたくなってしまうが、さすがにもうそういうむちゃはしちゃいかん。これまで一体何か国食べたと思っているんだ。

とはいえ、各国を少量ずつ、3人でシェアしているので満腹なようなそうでないような。微妙な感じ。さらに、寒い中ビールを、これまた3人でシェアしつつ飲んでいるので、酔っているような酔っていないような。これまた微妙。

本当に酔っているなら、「食べきれなかったらお持ち帰りにすればOK!それ、ほしいものは全部買おう!」となっていたはずだ。そうならないということは、酔っていない証拠。

購入したのはスペイン風オムレツ。ジャガイモが入ったオムレツは大層おいしい。

トルコ語
トルコ語メニュー

トルコ語学科。

ここはよく覚えている。イスラム圏の国だけど、なぜかお酒について寛容な国だから。以前、ここでシシケバブ+エフェスビール、という酒飲みカモーンな組み合わせを満喫したことがある。今年もその組み合わせは健在。

エフェスビール 400円
ラク(アルコール) 300円
アイラン(ヨーグルトドリンクノンアルコール) 80円
シシケバブ 200円
ケバブサンド 350円
チョルバ 150円
シガラボレイ 200円
ストゥラッチ 150円

シガラボレイ

ここで購入したのは「シガラボレイ」という食べ物。

出てきたのを見て納得、「ああ、これは居酒屋で『ぱりぱりチーズ』とか『チーズ春巻き』と言われる奴だ」と。そうかぁ、居酒屋定番メニューともいえるものが、期限はトルコだったとは。

おそらく、トルコ語で「シガラ」というのは「シガー」、つまり葉巻またはタバコの意味で、「ボレイ」というのはチーズのことだと思う。すげーいい加減な推測だけど。

カンボジア語
カンボジア語メニュー

かぼちゃの馬車が目印のブース。かぼちゃの馬車といえばシンデレラがお城に行くのに使ったものだが、一体どこの学科か?と思ったらこれがカンボジア。謎だ。

「学祭が終わったら、私たちはただの学生に戻っちゃうのよ」という意味・・・なんかな?

カンボジア語学科のメニューはこれ。

サムローカリー 300円 ピーナッツ入り甘辛ココナッツカレー
モアンチャークニイ 250円 鶏としょうがのいためもの
かぼちゃプリン 250円 カンボジア定番かぼちゃに入った超美味プリン
ボボー 300円 ほっこりおかゆ カンボジアの朝ごはん
アンコールビール 450円
パイナップルワイン 300円

ああ、メニューにかぼちゃプリンがある。だからかぼちゃの馬車が店頭を飾っているのか。

どうでもいいが、昔「かぼちゃワイン」という漫画があったっけ。ああ、よく見るとワインも売ってるぞ。これは意図的なのか?でも、かぼちゃワインが連載されていた頃にこの学生たちは生まれていないと思うのだが・・・。

アンコールビール
アンコールビールラベル

調達したのは「アンコールビール」。

世界遺産「アンコール・ワット」がラベルにデザインされている。

その名前から、何度でも飲み干したくなる。アンコール!アンコール!

ヒンディー語
ヒンディー語メニュー

「マハラジャDELI」を名乗る、ヒンディー語学科。

経済発展著しいインドだが、そのけん引役となっているのは「英語が公用語(のうちの一つ)」になっているからだ。言語がグローバルスタンダードなのは、それだけで有利だ。

一方この学科の人たちは、あえてローカルスタンダードなヒンディー語を学ぼうとしているわけで、一体そこにどういう意味合いがあるのか、門外漢のおかでんにはわからない。

ヒンディー語学科メニュー

チキンカレー/ほうれん草カレー チャパティセット350円、ターメリックライスセット380円
タンドリーチキン ●●円
カレーのみ 各300円
チャパティのみ 80円
ターメリックライスのみ 100円
チャイ 100円
キングフィッシャー 500円
ゴッドファーザー 450円

よく、インド料理屋によっては「カレー」と表記されていたり「カリー」だったりするわけだが、実際はどっちの方がより近い発音なのか気になる。実はどっちも似てなくて、「カルー」とか「カロー」だったらびっくりだが。

キングフィッシャー

ヒンディー語学科で仕入れてきたビール「キングフィッシャー」とタンドリーチキン。

そうか、キングフィッシャーってビールの名前だったのか。F1(自動車レース)で「フォースインディア」というチームがあるのだが、そこのスポンサーがキングフィッシャー。メイドインインディアのビールだったとは。勉強になった。

タンドリーチキンはこれがすてきな味で拍手拍手。ぴりりと辛く、スパイスもあれこれ入っている感満喫。これ、適当にカレー粉まぶして作りました、的なものとは違うぞ。タンドリーチキンそのものではないけど、いい味出てる。こんな味を素人で出せるとは、一体どんなバックボーンがあるんだここの学生は。

しかも紙コップになみなみとチキンチキン、またチキン。やあ、これだけでビールがぐいぐい行けるではないか。

タンドリーチキン大量生産中
タンドリーチキンが入ったバケツ

感動して後でヒンディー語学科の厨房を見学しにいったくらい、おかでんのお気に入り。本日のベスト酒肴賞を進呈しちゃおう。

製造現場では、屋台で焼きそばを焼くために使われる鉄板がスタンバイされ、そのうえでモリモリとたくさんのチキンが炒められておったよ。ああ、周辺にまでスパイスの匂いが充満している。この複雑な香りを何一つ具体的なスパイス名で形容できない自分が悔しいくらいだ。タッパー持参してれば、これはお土産に買って帰ったぞ。または、冷凍にして通販でもやってくれれば大量購入したいくらいで。

一言カードボックス

さあ、これで25語学科制覇。残るはロシア語学科一つのみ。

ただ、時間が時間ということもあり、このロシア語学科が相当な行列。あまりに行列が長いので、後回しにすることにした。

その後の身の振り方だが、やはりここは外語祭名物であるベリーダンスを見ておきたいし、語劇も見ておきたいところ。

しかしその前に「甘いものとお茶でも飲みたいね」という話になったので、表千家のお茶室に押しかけてみた。すると「予約はとられてますか?」と言われびっくり。お茶会形式なので、はい次の方、それ次の方、とテンポよくお客さんにお茶を提供するわけにはいかんらしい。お茶は断念。

ちょうどお茶会をやっている場所が学食の近くであり、「最近の学生はけしからんな、こんな高級なおかずを食べてるのか」などと感心するやら嫉妬するやらしてみる。ついでに、生協のご意見・ご要望板をチェック。

最近はこういうのが流行りなのかね。「生協の白石さん」以降。

サークルの屋台が並ぶ通り

半径50m会場からいったん離れ、腹ごなしにサークルの飲食ブースを見て回る。

おでん屋台
世界のビール研究会
トッポギ屋台
ブラジル研究会の小屋

以前と比べて勢いがないような印象を受けた。留学生会の出店が減ったようだし、昔はもっとみっちりあったブースの絶対数が減っているっぽい。

柔道部がおでんを提供しているのが、なんとも男らしい。

「世界のビール研究会」はその名の通りいろいろなビールを売っていた。この研究会、学祭以外は何をやっているんだろう?活動しているのだろうか?

「学祭以外はもっぱら日本のビールを研究しています」

って言いそうだな。でもすてきだ。もしおかでんが大学生ならこの研究会に入っていたと思う。頑張れ学生さんたち。

韓国の留学生会はトッポギ提供中。大きな鉄板になみなみと真っ赤なトッポギが煮えられている。お酒とあうなあ、これは。しかし、韓国語学科のメニューとかぶるぞ、これ。ああそうか、留学生は「日本語を勉強」しているのであって、韓国語学科に所属しているわけではないのだな。

そして今年もブラジル研究会が小屋をこしらえて、有料ライブをやっていた。昔は単なる掘立小屋風情だったが、今年はカラフルになっていた。

酒をカーンとあおって、そのあとここでサンバのリズムに酔いしれるということをやってみたいと思いつついまだに一度もやっていない。いずれはやりたい。

1 2 3 4 5

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください