激辛グルメ駅伝2017

料理がずらり

改めて、1st Roundの料理一式。

これだけ揃えるのに、5人で手分けをして30分を要した。一人あたり2品ずつ+飲み物購入にすぎないのだけど、なにせ行列が長い。時間がかかることは覚悟の上で、このイベントに臨まないといけない。

今回、オフ会に初参加だったせんさんは、まだ若い女性の方だった。こういう読者の方がこのサイトにいれば、作者冥利に尽きるのだが、そんな訳がない。訝しんで事情を聞いてみたら、

「激辛グルメ祭りに興味があったんですが、周りで一緒に行ってくれる人がいなかったんです。でもどうしても行きたかったから、どこかでオフ会をやっていないか検索しまくっていたら、たまたまこのサイトが見つかったんです」

ということを仰る。へー。そんなことってあるのか。検索にひっかかる、という事自体が驚きだけど、「あっ、激辛グルメ祭りのオフ会が企画されてる!よくわからないサイトだけど、仲間に加わろう!」というフットワークの軽さがすばらしい。

ならば、「勇気を出して参加した甲斐があったなぁ」と思って帰宅してもらえるよう、今日はしこたま激辛を食べてもらわなくちゃ。

もう一人の初参加者、ぷんきちさんは男性。この方は長野にご自宅があるとのことで、「ローメン研究家」と名乗る名刺を頂戴した。東京というのはね、辛い辛い料理がいっぱいある街なんだよ、と誤った情報を地元に持ち帰っていただきたい。

あとの2名は、これまで会ったことがあるメンツ。おーまさんはイベントごとには頻繁に顔をだしてくれる定番キャラ。「あれっ、辛いのって得意だったっけ?」「いやあ、そんなに得意ってわけじゃないんですけれども」

どうやら、日常生活に刺激が欲しかったらしい。その気持ち、よく分かる。辛いのが好きだから激辛を食べるっていう単純構造じゃないんだ。「刺激がほしいから、激辛」なんだ。

のっちょさんと会うのは二度目。以前、「野外炊事部オフ会」で、ビール鶏など凝った料理を作って披露してくださった器用な人だ。今回、かばんの中から取り皿やらウェットティッシュを取り出し、「どうぞ使ってください」と我々に配ってくれた。ううむ、以前からデキる男だと思っていたけど、やはりこの人はデキる。

料理

チェンマイ食堂 マイホーム
ヤム カオ ソーイ(チェンマイ風激辛冷製ラーメンサラダ) 激辛

「さて・・・どれから食べようか」

乾杯をひとまず済ませ、改めて仲間同士で自己紹介などをしたところでテーブル上の料理を見下ろす。正直、途方にくれる。

テーブルはパンパンにいっぱいだ。のっちょさんから取り皿となる紙皿を頂いたが、それを置く場所すらない。しかし、取り皿は大正解だった。これがないと、いろいろな料理をつまみ食いすることが難しい。自分の目の前の料理ならともかく、遠くにある料理を取るのは、大変なことだ。

「中華料理の円卓みたいに、クルクルとテーブルが回ればいいのに」

とぼやくが、そもそもこんなに大量に料理を買う事自体が異常だ。中華の円卓をよこせ、だなんて暴論はなはだしい。

本当は、一つ一つの料理を全員で同時に食べ、辛いとか美味いとか言い合って、食べ終わったら次の料理・・・と進んでいくのが良いのだろう。激辛会席コース料理的に。そうすれば、食べ終わったお皿がどんどん片付けられる。しかし、完全に我々は浮足立っており、目の前に広がる情報量の多さに頭が混乱していた。

「それ、とりあえず目の前にある料理に飛びつけ!」

とばかりに、めいめいがバラバラに料理を食べ始めた。

一つ一つの料理に対して、細かい記憶は残っていない。なので、ざくっと簡単にコメントしていく。

ヤムカオソーイ、全然印象に残らなかった。辛かったっけ?

料理

BANH XEO SAIGON(バインセオサイゴン)
レッドホットバインセオ 激辛

料理の大きさに、皆一様に驚き、喜び、ニッコリするという料理。寿司桶くらいありそうな丸い容器からはみ出るバインセオ。

激辛・・・と名乗ってはいるけど、辛そうには見えない。確かに、卵焼きにしちゃあ赤っぽいね、とは思うけれど。

食べてみると、

「うん、辛くないね」
「辛くないね」

とみな一様に微妙な表情。美味しいのだけど、辛さは物足りない。

とはいえ、このお店の名誉のために、このイベントの名誉のために言っておきたい。「激辛グルメ祭り」の素晴らしいところは、料理のほぼ全てが「悪ふざけしていない激辛」であるということだ。「辛くすりゃ、ウケるんでしょ?」とばかりに、味のバランスを無視して辛くするのは簡単だ。でも、そういうお店は存在しない。どのお店も、等しく味がいい。これは褒めるべきポイントだ。

ちなみにこの2日後、何の気無しにお昼ごはんを食べに入ったお店が偶然バインセオサイゴンだった。あれっ、またか!と思いながらも、ノーマルのバインセオを食べた。うまかった。

料理

蒙古タンメン中本
冷やし辛中華 激辛

蒙古タンメン中本は毎年精力的に新しいメニューをぶっ込んでくる。都内に何店舗も構えている大繁盛店なので、今更定番の「北極ラーメン」「冷やし味噌ラーメン」などを出しても驚かれない。なので、違ったものを用意してくるあたり、懐が深い。

今年のオリジナルメニューは、わかめやもやしが乗っているラーメンだった。スープはなく、赤茶色の辛いタレがかかっているのでそれを和えて食べる。

うん?あれれ?辛く感じない。

「どうしたんだろう、なんかどれもあんまり辛く感じないね」

仲間みんなで話し合う。もちろん、辛いっちゃあ辛いんだけど、頭髪が逆立つような、顔が青ざめるような辛い料理がまだ出てきていない。

とはいえ、唯一の女性であるせんさんは「暑い暑い」といいながら、手をパタパタさせて顔をあおいでいた。若いだけあって新陳代謝が活発らしい。しかしそんなせんさんも、「そんなに辛くはない」とコメントしている。うーん、どうしちゃったんだろう。

料理

FONDA DE LA MADRUGADA
プンタスメヒカーナス(トルティーヤ)

メキシコの煮込み料理。ライスかトルティーヤが選べるのだけど、トルティーヤを選んである。

これも昔食べたときは辛かった印象があるのだけど、今回はそれほどでも・・・。

料理

蒙古タンメン中本
炙りチャーシューの肉豆腐あんかけ 激辛

「モンゴリアンチャイニーズBAO」のまさかの閉店に伴い、蒙古タンメン中本から2つめの料理の登場。

もう、麺さえ出てこない。ラーメン屋なのに、攻めるなあ。

しかしこれも辛く感じない。いい加減お互いが「これはおかしい」と言い出した。辛さ耐性がある人ばかりではない今回のメンツ。でも、誰一人ヒイヒイ言うことなく、「うん、それなりに辛いですね」なんて冷静にコメントを寄せる有様。

「困るなあ、誰か悶絶してくれないと、楽しくないじゃないか」

なんて冗談が言えてしまうくらい、全員余裕だ。なぜだ。全員でここで考える。

「買ってから食べるまでの間に、冷めてしまったからじゃないか?」

なるほど、それは言えている。熱さがあれば、辛さは際立つ。しかし、目の前にあるのは買ってから30分近く経つ料理ばかりで、湯気が立っているものは皆無だ。熱くないから辛くない、というのは正解かもしれない。

「あと、全員でちょっとずついろんな料理をつまみ食いしているからね」

という説も出た。辛さ、というのは蓄積していくものだ。食べていくに従って、だんだん「コップの水が溜まっていき、いずれ溢れる」ような状態になる。あるところまでは平気でも、急に「イテテテ、辛い!」となるのはよくある話。

ちょっと食べてはおしゃべりして、別の料理に箸を向けて、を繰り返していると、「コップの水が溜まらないのではないか?」というわけだ。

いずれにせよ、「1st Roundの料理が辛さに保守的すぎる。もっと辛いの出せ!」という話ではない、という結論になった。

料理

バーンリムパー
パッタイ(タイ風焼きそば) 激辛

パッタイも、地味に辛い料理ではある。油断していると、「あれっ、案外辛いかも。いや辛い!」となる。汁物でないだけに、一気に辛さが突き抜けない分気がついたら手遅れ。

料理

BANH XEO SAIGON
激辛ブンボーフエ 激辛

米の麺がスープを吸って、やたらと太くなってしまっている。

「激辛、って名前がついているから激辛なんだろうきっと」

という頭が悪い理由で買ってきた料理。ちなみに「激辛ブンボーフエ 中辛」というメニューもある。意味がわからない。

料理

エチオピア
スパイシーチキンとコーンバターライスのカレー 70倍

70倍カレーでおなじみのエチオピア、今年は鶏の唐揚げが乗ったカレーを用意していた。

料理

辛ちゃん
激辛トッポギ&春雨 激辛

「だってメニュー名に『激辛』って書いてあるもん」という頭の悪い選び方その2。

案の定、「中辛」という選択肢もあるが、「激辛の中辛」ってなんだそれ。もちろん、激辛の激辛しか眼中にない。

とはいえ、韓国料理の激辛ってどうなんだろうね。韓国って、辛いものが好きなお国柄だけど、どこまで「激辛」料理が好まれるのだろう?韓国唐辛子は日本の鷹の爪よりも風味が良いかわりに辛さが控えめだ。コチュジャンなどの調味料は、辛いとはいえ甘みも多い。

さて・・・

あまり期待せずにこのトッポギを食べたら、結構辛くてびっくりした。えッ、お前、辛いじゃないか!

いや、当たり前なんだけど。なにせ、「激辛グルメ祭り」なんだから。とはいえ、「おおっ、こいつァ辛いぞ!」と目を見開く料理に出会えたのはコイツが最初。完全にダークホースだった。

料理

京華樓
本場の四川麻婆豆腐 超辛

横浜中華街にお店を持つ京華樓。麻婆豆腐は定番中の定番で、安定した旨さだ。

辛い料理のド定番なだけあって、「あっ、辛いね!」と思わずニッコリさせられる辛さを持つ。いいね、こういうのがほしいんだよ僕たちは。

ただし、他の料理を食べ続けているうちに、段々と僕らの味覚や痛覚は麻痺してくる。最初は「そこそこ辛い」と思っていた料理であっても、他の料理を一巡してまた元に戻って二度目に食べてみると、「なんだ大したこと、ないじゃないか」と思えてくるから不思議だ。

この麻婆豆腐なんてまさにそうで、最初に感じた新鮮な辛さはどこへやら、二度目以降に食べたときは豆腐の甘さ、ひき肉の甘さを強く感じるようになってしまった。みんな、「甘いね」「うん、甘いですね」なんて、激辛グルメにあるまじきコメントを発している有様。

生ビール売り

へー。野球場みたいに、生ビールの売り子さんが会場内を練り歩いているぞ。

ビール1杯の量は少ないし、おかわりをするとなると行列に並んだりして時間がかかって面倒くさい。その点、席まで売りにくるというのはとても良いやり方だと思う。

そんな水分補給をこなしつつも、全員で「今日一番辛かった料理を決めよう」ということになった。今日の「最強」を決めて、次回の2nd Roundの「まだ見ぬ強豪」と対戦させる。これぞ、「激辛グルメ駅伝」企画の楽しさだ。

今日食べた料理全部をみんなで評価した結果、なんと「激辛トッポギ&春雨 激辛」が1st Roundで一番辛かった料理、に認定された。びっくりだ。

全員、この結果に納得がいっていない。トッポギってそんなに辛い料理だったっけ?という唐突感があるからだ。でも、全品評価した結果これが一番辛かったんだから、文句のつけようがない。エチオピアの70倍カレーが対立候補に上がったけど、多数決で敗れた。

「トッポギって本当はそんなに辛くないと思うんだけど、餅状で噛み切るまで何度も噛むから、その間に辛さが口の中に広がったのかもしれない」

こういう解釈で、ひとまず全員が納得することにした。

単品を一人で食べるとなると、きっと全然違った評価になると思う。同じ料理を食べ進めることで得られる激辛の苦痛、ってのがあるはずだ。今回は、「いろんな料理をつまみ食いするスタイルで、辛いものはどれ?と多数決をとった結果」ということで、トッポギ。

「いいねえ、伏兵現れる!って感じで」

2nd Roundのラインナップを見ると、どう見ても「サフラン」の「世界一辛いカレー」が強そうだ。世界一辛いカレーVSトッポギ、ということになるのだろうか?

そういうことを考えれば考えるほど、「本当に今日食べたトッポギって辛かったっけ?」と不思議になる。